顔まわりをしきりに掻いている、フードを変えてから軟便が続いている。ごはんの時間や便の様子から、食物アレルギーが頭をよぎりますよね。
売り場には「グレインフリー」「低アレルゲン」の文字が並びます。どれを手に取ればいいのか、迷って当然です。
猫のアレルギーフード選びは、主なたんぱく源が何かと、総合栄養食か療法食かの2点を原材料表示で確かめるのが基本です。穀物の有無は、そのあとで見れば足ります。
症状が続くときの診断は、かかりつけの獣医師による除去食試験に委ねてください。なお、人の猫アレルギーを軽くするとうたうフードは、愛猫の食物アレルギーとは別の話題です。
- 原材料表示と保証成分値のどこを見ればよいか
- 療法食と市販の総合栄養食の役割の違い
- 原因を確かめる除去食試験と切り替えの進め方
猫のアレルギー対応フードとは|たんぱく源を絞ったごはんのこと

猫のアレルギー対応フードとは、原因になりやすいたんぱく源を避けて設計されたごはんです。
食物アレルギーの引き金になるのは、ごはんに含まれるたんぱく質だとされています。牛肉・鶏肉・乳製品などの動物性たんぱく質と、小麦・大豆・とうもろこしなどの植物性たんぱく質が代表例です。
そこで、使うたんぱく源の種類を絞ったり細かく分解したりして、体が反応しにくい形にする。それが「アレルギー対応」とうたわれるフードの中身です。
食物アレルギーと食物不耐症は呼び分ける
似た不調でも、免疫のしくみが関わるものが食物アレルギー、特定の成分を消化しきれずに不調が出るものが食物不耐症です。
見た目の症状だけで飼い主さんが見分けるのは、正直むずかしいところ。ただ、対応の出発点はどちらも同じで、「何を食べているか」を表示で確かめるところから始まります。
長く食べてきたフードでも起こりうる
アレルゲンになるのはたんぱく質なので、同じフードを何年も食べている子でも反応が出ることがあります。
「新しいごはんに変えていないから違うはず」と候補から外してしまうと、原因にたどり着くのが遅れます。長く続けているフードも、いったん候補に入れておきましょう。
編集部まずは今のフードの袋を手元に。原材料の1〜3番目に何が並んでいるか、そこが出発点になります。
「アレルギー対応」は制度上の区分名ではない
ペットフードの表示に関する公正競争規約が定める目的別の区分は、総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食の4つです。
- 総合栄養食
- 間食
- 療法食
- その他の目的食
つまり「アレルギー対応」「アレルゲンケア」といった言葉は、この区分の外にあるもの。商品名やパッケージの売り文句として使われている表現です。
愛猫のごはんを選ぶときは、そのうたい文句と、袋に書かれた目的別区分の両方に目を通してください。どちらを見ているのかを切り分けられると、選択肢はぐっと絞りやすくなります。
食物アレルギーで見られる症状|皮膚・お腹・耳のサイン


かゆみ、軟便、繰り返す耳の汚れ。皮膚・お腹・耳の3か所が、愛猫の食物アレルギーでサインの出やすい場所とされています。
- かゆみによる引っ掻き跡や脱毛
- かさぶたを伴う皮膚炎
- 赤みのあるベタベタとした皮膚炎
- 嘔吐や下痢
- 慢性的な耳のトラブル
- 咳・喘鳴 (ゼーゼーという呼吸音)・くしゃみ
皮膚に出るサイン
皮膚のサインは、掻く回数が増えて毛が薄くなるという形で気づかれることが多いもの。
かさぶたができていたり、赤みとベタつきが出ていたりする場合もあります。
ブラッシングのときに地肌の色と毛の量を一緒に見ておくと、小さな変化にも気づけるでしょう。
お腹と耳に出るサイン
お腹のサインは嘔吐や下痢、耳のサインは繰り返す耳のトラブルとして現れます。
どちらも数日ぶんをまとめて見ると傾向がつかめます。トイレ掃除のついでに便のかたさをメモしておくと、後から振り返れますよ。
耳なら、片方だけ汚れが戻ってくるかどうかがひとつの目安。呼吸に関わる咳やくしゃみが見られることもあります。
同じ症状でも原因は食物とは限らない
ここまでの症状は、食物以外の原因でも同じように起こります。ノミや環境中のものへの反応など、可能性はいくつもあります。
だからこそ、症状の一覧と見比べただけで飼い主さんが食物アレルギーと決めてしまわないほうが安全です。
気づいたことをメモにまとめて、かかりつけの獣医師に見てもらいましょう。



写真は日付がわかる形で残しておくと役立ちます。掻いている場面の短い動画も、診察でそのまま見せられます。
原因になりやすい食材|穀物より先に動物性たんぱく質を見る


原因として多いといわれるのは牛肉・乳製品・魚類といった動物性たんぱく質です。地域差や個体差もあり、穀物が原因になることもあるとされています。
最初に疑いたいのは、袋の前面ではなく原材料表示の上のほうに並ぶたんぱく源。そこから順に見ていくのが近道です。
植物性たんぱく質も原因になりうる
小麦・大豆・とうもろこしなどの植物性たんぱく質も代表的なアレルゲンに挙げられます。穀物も候補のひとつとして残しておきましょう。
- 動物性: 牛肉、鶏肉、乳製品など
- 植物性: 小麦、大豆、とうもろこしなど
- 多いとされるのは牛肉・乳製品・魚類 (地域差・個体差あり)
グレインフリーにしても主たんぱく源が同じなら狙いがずれる
「グレインフリー」は小麦・とうもろこし・米などイネ科穀物を使っていないという意味で、たんぱく源の種類とは別の軸の表示です。グルテンだけを除く「グルテンフリー」とは範囲も違います。
どちらもメーカーが自主的に使っている言葉で、基準が置かれているのは総合栄養食などの目的別区分の側。穀物を抜いても主たんぱく源が前のフードと同じままなら、狙いがずれてしまいます。
もちろん、穀物が合わない子にとっては有力な選択肢。合う・合わないを決めるのは表示の言葉ではなく、うちの子の反応です。



袋の「グレインフリー」の文字より、原材料の1〜3番目に何が書いてあるかを先に確認してみましょう。
どの食材が原因かは表示だけでは決まらない
原材料表示からわかるのは「何が入っているか」まで。原因を突き止めるのは除去食試験の役目です。
候補を絞る作業と、原因を確かめる作業は別もの。表示で候補を狭めたら、確定はかかりつけの獣医師と進めましょう。
パッケージの表示用語を整理する|何を保証していて何を保証しないか


制度で中身が決まっているのは、「総合栄養食」などの目的別区分だけ。ほかの表示用語はメーカーの言葉づかいだと考えてください。
「低アレルゲン」や「グレインフリー」は、メーカーがどう設計したかを示す言葉。同じ表示でも、中身は製品ごとに違います。
原材料表示や目的別区分など、パッケージ裏全体の読み方は買わない方がいいキャットフードをパッケージ裏で見抜く5つの基準でも紹介しています。
| 表示用語 | 何を意味するか |
|---|---|
| 低アレルゲン/アレルゲンケア | 法的な基準のある区分ではなく、内容はメーカーの設計しだい。原材料表示で中身を確かめる |
| 限定原材料 (LID) | たんぱく源と炭水化物源の種類を絞った設計を指す呼び方 |
| 加水分解たんぱく | たんぱく質を細かく分解し、アレルゲンとしての認識を低減させたもの。療法食に使われる |
| 新奇タンパク | その子がこれまで食べたことのない食材を使うという考え方 |
| グレインフリー | イネ科穀物 (小麦・とうもろこし・米など) の不使用。メーカーが自主的に使う表示 |
| グルテンフリー | グルテンだけを除いたもの。グレインフリーとは対象範囲が異なる |
| 総合栄養食 | 公正競争規約に基づく目的別区分。そのフードと水のみで、指定された成長段階の健康を維持できる栄養バランス |
表示用語は「たんぱく源の軸」と「栄養の軸」に分かれる
7つの用語は、たんぱく源の話をしている言葉と、栄養設計の話をしている言葉に分かれます。
限定原材料・加水分解たんぱく・新奇タンパクは、たんぱく源をどう扱うかの言葉。食物アレルギーの主な原因はたんぱく質ですから、まず見るのはここです。
いっぽうグレインフリーとグルテンフリーは穀物の話。たんぱく源が同じままだと、穀物を抜いても狙いはずれてしまいます。
そして総合栄養食は、毎日の主食として栄養が足りているかという別の軸。表示を読むときは、この2つの軸を混ぜないでください。



表面のキャッチコピーより、裏面の原材料表示と目的別区分のほうが情報量は多いんです。売り場では袋を裏返してみてください。
療法食と市販の総合栄養食は役割が違う


役割を分けているのは、ペットフードの表示に関する公正競争規約という業界のルールです。療法食と総合栄養食は、どちらが上ということではなく、使う場面がそもそも違います。
療法食は、栄養成分の量や比率を調節したごはん。特定の疾病または健康状態にある子の栄養学的なサポートを目的に、獣医療のなかで使われます。
だから規約でも、獣医師の指導に基づいて与えるべきものである旨の注意書きを表示するよう求めています。
パッケージのどこを見れば区分がわかるか
見るのは2か所だけです。目的別区分の表示と、獣医師に関する注意書き。この2つで、手に取ったフードがどちらの立場のものか判断できます。
- 目的別区分の表示: 総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食のどれかが書かれている
- 療法食の注意書き: 獣医師の指導のもとで使う旨が添えられている
- 実例として、ヒルズ z/d には「獣医師の指導のもとに給与してください」と公式表示がある
- ロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラも、獣医師の診断・指導のもとで使う旨を公式に記載
アミノペプチド フォーミュラの表示には、栄養成分の量や比率を調整、または特別な方法で製造されている、という説明も添えられています。
市販の「アレルゲンケア」表示のフードはどう位置づくか
市販のアレルゲンケア表示のフードは、多くが総合栄養食です。毎日の主食として設計されたごはんで、そのフードと水だけで指定の成長段階の健康を保てる栄養バランスになっています。
ただ、主食として優秀であることと、診断や治療の場面で使えることは別。療法食の代わりとして使うものではありません。
愛猫の症状が続いているなら、まずはかかりつけの獣医師へ。日々の主食をどうするかは、そのあとで考える順序になります。



店頭で迷ったら、パッケージ裏の区分表示をスマホで撮っておくのも手。診察のときにそのまま見せられます。
アレルギーに配慮したフードの選び方12のチェックポイント


フードを比べるときは、原材料表示と目的別区分、そして保証成分値の3か所を順番に見ていけば判断できます。
手がかりは表面のうたい文句ではなく、裏面の表示。確認したい観点は12あります。
- 主たんぱく源が1〜2種類に絞られているか
- 原材料の並び順と一括名の書かれ方
- 目的別区分が総合栄養食かどうか
- 炭水化物源に何を使っているか
- ライフステージが愛猫に合っているか
- 保証成分値と代謝エネルギー
- 100gあたりの価格と定期便の条件
- 着色料・香料など添加物の書かれ方
- チキンが疑わしいときの読み替え方
- これまで食べてきた食材の書き出し
- ウェットフードでの見どころ
- 内容量と原産国の表示
主たんぱく源が絞られているか
まず数えたいのは、動物性たんぱく質が何種類入っているかです。種類が少ないほど、合わない食材を絞り込みやすくなります。
加水分解たんぱくを使った食事療法食には、ヒルズ z/d のように加水分解チキンだけでたんぱく源をまとめた例もあります。
原材料の並び順と一括名を読む
原材料は使用量の多い順に並びます。先頭の2〜3個がそのフードの中身をほぼ決めます。
ただし「肉類」「家禽ミール」のようにまとめて書かれていると、どの動物のたんぱく質かまではたどれません。「鶏肉」「サーモン」のように動物の名前まで書かれた製品のほうが、候補を絞る材料になります。
目的別区分が総合栄養食か
毎日の主食にするなら、目的別区分が「総合栄養食」と書かれていることを確認します。そのフードと水だけで、指定された成長段階の健康を保てる栄養バランスという意味です。
炭水化物源は何か
穀物やいも類も原材料表示で確認できます。米・コーンスターチ・いも類のどれを使っているかを控えておくと、次のフード選びで手がかりが1つ増えます。
たとえばヒルズ z/d は米、ロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラはコーンスターチを使っています。
ライフステージが合っているか
子猫・成猫・シニア・全年齢のどれ向けかを、パッケージで確かめましょう。たんぱく源が合っていても、対象年齢がずれていると主食にしにくくなります。
犬猫生活 キャットフード 全年齢用のように、公式表示で全年齢対象とされている製品もあります。子猫と成猫が同居している家では選びやすい形でしょう。
保証成分値と代謝エネルギーを見る
1日にあげる量を決める材料が、保証成分値と代謝エネルギー (100gあたりのカロリー) です。
公式表示では、犬猫生活 キャットフード 全年齢用が373kcal/100g、ヒルズ z/d が377kcal/100g、ロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラが394kcal/100g。同じグラム数でもカロリーは変わるので、切り替え時は量の見直しを。
先に代謝エネルギーをメモしてから1日にあげる量の表を見る。順番を決めておくと、比べるのがぐっと楽になります。
100gあたり価格と定期便の条件
価格は内容量が違うと比べられないので、100gあたりに換算してから並べます。
| 確認したいこと | 犬猫生活 キャットフード 全年齢用の公式表示 |
|---|---|
| 単品の100gあたり価格 | 1.5kg 7,348円 (税込) で約490円 |
| 定期2回目以降 | 5,808円で約387円 |
| 初回 | 980円 (160g×2袋) |
| 回数の縛り | なし。初回商品のお届け完了後からいつでも解約可 |
| 解約の手続き期限 | 次回お届け予定日の7日前まで |
合うフードほど長く続けることになります。解約は次回お届け予定日の7日前までが期限なので、申し込み前に条件まで目を通しておきましょう。
市販9製品の100gあたり価格をそろえた一覧は、キャットフード比較9種にあります。
添加物や皮膚・お腹に配慮した成分はどう見るか
着色料や香料は原材料表示の後半にまとめて書かれるため、パッケージ裏面で確認できます。
とはいえ、見る順番はたんぱく源が先で、添加物は後。食物アレルギーの原因になるのはたんぱく質とされているためです。
皮膚や被毛、お腹に配慮した成分をうたう製品もあります。ペットフードの表示は公正競争規約で決められており、効き目をうたう表現はできません。ヒルズ z/d が大豆油やココナッツ油を配合しているように、「何が入っているか」という事実として読むのが実際的です。
チキンが疑わしいときの読み替え方
鶏肉が気になるなら、鶏を含む表記をすべて拾い出すところから始めます。「チキン」「鶏レバー」「家禽ミール」など、書かれ方はさまざまです。
公式表示で見ると、犬猫生活 全年齢用のメイン食材は国産の生鶏肉。ヒルズ z/d は加水分解チキンで、鶏由来のたんぱく質を細かく分解した形になります。
ロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラは、窒素源をアミノ酸とオリゴペプチドで組み立てた設計。どれを使うかは、獣医師と食歴を照らし合わせて決めましょう。
これまで食べてきた食材を書き出しておく
候補を選ぶ前に、これまで口にした食材の一覧を作っておくと話が早くなります。新奇タンパク食は「食べたことのない食材」を使う考え方だからです。
- これまで使ったドライフードの銘柄と主原料
- ウェットフードやパウチのたんぱく源
- おやつ・サプリメント・歯磨きガムの原材料
- 投薬時に使ったちゅーるなどの補助的な食べもの
袋の写真を撮りためておくだけでも一覧になります。診察時にそのまま見せられて便利です。
ウェットフードでの見どころ
ウェットでも見るところはドライと同じで、主なたんぱく源の数と目的別区分の2点です。
パウチや缶にも原材料表示と目的別区分は記載されています。ただし「一般食」「副食」と書かれたものは主食向けの区分ではないため、毎日のごはんに据えるなら総合栄養食の表示を確かめてください。
内容量と原産国も控えておく
内容量は、100gあたり価格を出すための前提になる数字です。開封後に使い切れるサイズかどうかの目安にもなります。
公式表示では、ヒルズ z/d とロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラが500gと2kg、犬猫生活 全年齢用が1.5kg (750g×2袋)、ロイヤルカナン インドアが400g・2kg・4kg・10kgです。
原産国は公表の有無が製品ごとに分かれます。z/d はチェコ、犬猫生活 全年齢用は日本と公式に書かれており、ロイヤルカナンの2製品は商品ページに記載がありません。
かゆみや軟便が続いているなら、成分選びより先にかかりつけの獣医師へ相談してみてください。
公式表示で確認できるフード4製品を同じ物差しで比べる


並べた4製品は、メーカー公式ページで原材料と保証成分値を確認できたものだけ。おすすめ順ではなく、同じ項目をそろえて読み比べるための一覧です。
公表がない項目は「公式に記載なし」と書いています。
| 項目 | ヒルズ z/d | RC アミノペプチド | 犬猫生活 全年齢用 | RC インドア |
|---|---|---|---|---|
| 目的別区分 | 食事療法食 | 食事療法食 | 総合栄養食 | 総合栄養食 |
| 主なたんぱく源 | 加水分解チキン | アミノ酸・オリゴペプチド | 国産の生鶏肉 | 非公表 |
| 炭水化物源 | 米 | コーンスターチ | 非公表 | 非公表 |
| たんぱく質 | 34% | 22.6%以上 | 31%以上 | 25.0%以上 |
| 脂質 | 16.1% | 15.0%以上 | 15%以上 | 11.0%以上 |
| 代謝エネルギー | 377kcal/100g | 394kcal/100g | 373kcal/100g | 374kcal/100g |
| 内容量 | 500g・2kg | 500g・2kg | 1.5kg (750g×2) | 400g・2kg・4kg・10kg |
| 原産国 | チェコ | 非公表 | 日本 | 非公表 |
| 100gあたり価格 | 価格は非公表 | 価格は非公表 | 約490円 (単品1.5kg) | 価格は非公表 |
表の読み方|まず上の2行で立場を分ける
最初に見るのは目的別区分と主なたんぱく源の2行。ここで、それぞれの製品がどんな場面のごはんかがわかります。
左の2つ、ヒルズ z/d とロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラは獣医師の指導のもとで使う食事療法食です。飼い主さんの判断だけで主食に据えるものではありません。
たんぱく源のたどり方も対照的です。z/d はチキンを加水分解し、アミノペプチドは窒素源をアミノ酸とオリゴペプチドで組み立てています。
右の2つは毎日の主食として設計された総合栄養食。犬猫生活 全年齢用は国産の生鶏肉が主原料で全年齢対象、ロイヤルカナン インドアは室内の成猫用で、一般的な設計の基準として並べています。
価格は100gあたりでそろえる
4製品のうち、公式ページに価格が出ているのは犬猫生活 全年齢用だけです。単品1.5kg 7,348円 (税込) で100gあたり約490円、定期の2回目以降は5,808円で約387円になります。
ヒルズ z/d、ロイヤルカナンの2製品は、公式商品ページに価格の記載がありません。販売店ごとに価格が決まる形なので、かかりつけの動物病院や取扱店で確認してください。
比べるときは、内容量で割って100gあたりに直してから並べる。これだけで、袋の大きさに惑わされずに済みます。
表からどう絞り込むか
絞り込みの順番は、目的別区分 → 主なたんぱく源 → ライフステージ → 100gあたり価格。この順でふるいにかけると候補が自然に減ります。
症状が続いていて診断がこれからなら、まず受診が先。日々の主食を選び直す段階なら、総合栄養食の列から見ていく形になります。



この表を印刷して受診時に持っていくと、「今これを食べています」の説明が一度で済みます。
原因を確かめる方法|除去食試験の進め方と受診のサイン


原因になりうる成分を含まないごはんを一定期間だけ与えて、症状が治まるかを見る。この除去食試験がいちばん実用的で正確な確かめ方とされています。
飼い主さんが家庭で担うのは、指定されたごはんを守りきることと、変化を記録すること。診断そのものはかかりつけの獣医師の領分です。
除去食試験の進め方
期間の目安は一般的に8〜12週間。その間に口に入れてよいのは、指定のごはんと水だけです。
使うのは加水分解食 (たんぱく質を細かく分解したもの) か、これまで食べたことのない食材を使う新奇タンパク食のどちらか。
どちらを選ぶかは、これまでの食歴と症状を見てかかりつけの獣医師と相談して決めます。
おやつ・サプリメント・歯磨きガムはいったんお休み。ひと口でも他のものが入ると、結果の読み取りが難しくなります。
食事場所を分け、置き餌をせず、食べ終わったら器を片づける。他の子のごはんに口をつけると、その日から数え直しになることもあります。
掻いた回数、便のかたさ、体重を、日付とセットで残します。写真を1枚添えておくと、診察のときに伝わりやすくなりますよ。
症状が落ち着いたら、最後に元のフードへ戻して反応を見るチャレンジ試験があります。実施するかどうかも獣医師の判断に沿って。
血液検査だけで決めきれないこともある
血液検査は補助的な位置づけで、それだけで原因食材を特定できるとは限りません。検査を受けるかどうか、どの順で進めるかは、愛猫の状態を見ている獣医師と一緒に決めるのが確実です。
飼い主さんの側では、いつから・どんな症状が・どのフードのときに出たかをまとめておくと話が早く進みます。



診察前に、フードの袋の写真とここ2週間の便の記録をスマホにまとめておくと、聞かれたことにすぐ答えられます。
試験を待たずに受診したいサイン
次のような様子が見えたら、試験の途中でも早めに動物病院へ。受診の判断が先になります。
- 掻き壊して出血している
- ごはんを食べる量が落ちている
- 体重が減ってきた
- 嘔吐や下痢を繰り返す
判断に迷ったら、まずかかりつけの獣医師に電話で様子を伝えてみてください。受診の要否もそこで教えてもらえます。
フードの切り替え方と、変えたあとの見きわめ


新しいフードは1週間ほどかけて少しずつ割合を増やすのが基本です。
一度に全部を入れ替えると、食べない・軟便になるといったつまずきが起きやすくなります。
いつものごはんに少量だけ混ぜます。食べ残しの量と便のかたさをメモしておくと、あとで比べやすくなります。
便がゆるまなければ、新しいフードの割合を半分程度まで上げます。ここで軟便が出たら、前日の割合に戻して数日そのまま様子を見ましょう。
1日にあげる量は、製品の表示とエネルギー量を目安に決めます。犬猫生活 キャットフード 全年齢用は373kcal/100g、ヒルズ z/d は377kcal/100g、ロイヤルカナン アミノペプチド フォーミュラは394kcal/100g、同インドアは374kcal/100gと差があるため、同じグラム数のままにしないでください。
切り替えたあと、3つの分かれ道
見きわめの軸はかゆみの回数・便のかたさ・体重の3つ。週に一度、同じタイミングで記録すると変化が見えてきます。
| 様子 | 次にすること |
|---|---|
| 落ち着いてきた | そのまま続け、記録は残す。おやつを戻すときは1種類ずつ |
| 変わらない | フードだけで判断せず、記録を持ってかかりつけの獣医師に相談する |
| 悪化した | 掻き壊しや繰り返す下痢が出たら中止して受診 |
食べてくれないときの手当て
食べないときは、急がずに元のフードの割合へ戻して構いません。
- ぬるま湯を少しかけて人肌程度に温め、においを立たせる
- 粒が大きければふやかし、食べやすい形状にする
- 置きっぱなしにせず、食事の時間と場所を決める
- 新しいフードの割合を1割まで下げ、数日おいてやり直す
それでも食欲が戻らない、体重が落ちてきた——こうしたときは、フードの工夫より受診が先です。



スマホのメモに「日付・便のかたさ・掻いた回数」だけ書き残しておくと、診察で話が早く進みます。
よくある質問
猫の食物アレルギーではどんな症状が出ますか?
かゆみによる引っ掻き跡や脱毛、かさぶたを伴う皮膚炎、嘔吐や下痢、慢性的な耳のトラブル、咳やくしゃみが主なサインとされています。
ただし、同じ症状は食べもの以外の原因でも起こります。自己判断で決めつけず、かかりつけの獣医師にご相談ください。
食物アレルギーでもグレインフリーのキャットフードは食べられますか?
グレインフリーはイネ科穀物 (小麦・とうもろこし・米など) を使っていないという意味の表示で、メーカーが自主的に使う言葉です。
原因が動物性たんぱく質のほうにある場合、穀物を抜いても狙いがずれてしまいます。まずは主なたんぱく源が何かを原材料表示で確かめてみてください。
アレルギーの検査はどうやって行いますか?
原因になりうる成分を含まないフードを一定期間だけ与えて症状の変化をみる除去食試験が、もっとも実用的で正確とされています。
期間の目安は8〜12週間で、その間に与えられるのは指定のごはんと水のみ。進め方はかかりつけの獣医師と決めましょう。
市販のアレルゲンケアのフードと療法食は何が違いますか?
療法食は獣医師の指導のもとで用いる目的別区分で、規約上その旨の注意書きがパッケージに求められます。
市販の総合栄養食は毎日の主食として設計されたごはんです。役割が違うので、置き換えて考えないほうが安心でしょう。
アレルギー対応のフードを食べてくれないときは?
切り替えを急がず、元のフードの割合にいったん戻します。ふやかす、粒を砕く、少し温めるなど出し方を変えるのも手です。
食欲の落ち込みが続くときは、無理をさせずかかりつけの獣医師に相談してください。
多頭飼いでアレルギー対応フードを続けるコツはありますか?
食事の場所を分け、置き餌をやめて、食べ終わったらすぐ器を片づけます。この3つでつまみ食いはかなり防げます。
除去食試験の期間中は他の食べものをすべて避ける必要があるため、同居の子のごはん管理がとくに効いてきます。
ウェットフードでもアレルギーに配慮した選び方はできますか?
できます。見るところはドライと同じで、主なたんぱく源が何種類使われているかと、目的別区分が総合栄養食かどうかの2点です。
パウチや缶でも原材料表示と目的別区分は記載されています。パッケージの裏面を確認しながら選んでみましょう。
フードを食べたあとに吐いてしまったときはどうすればよいですか?
嘔吐は食物アレルギーで見られるサインのひとつですが、それ以外の原因でも起こります。日付と回数、直前に食べたものを記録しておきましょう。
食べてすぐ粒のまま戻す場合は、早食いや毛玉が原因のこともあります。原因の見分け方は猫の吐き戻し軽減フードランキングで解説しています。
繰り返すとき、体重が落ちてきたときは、フードを調整する前にかかりつけの獣医師に相談してください。
チキンが合わないかもしれないときは、何を選べばよいですか?
まず原材料表示から鶏由来の表記をすべて拾います。「チキン」「鶏レバー」「家禽ミール」など、書かれ方が分かれるためです。
そのうえで、これまで食べたことのない食材を使う新奇タンパク食にするか、加水分解食にするかを獣医師と決めていきます。
子猫やシニア猫でも選び方は同じですか?
見るところは同じですが、ライフステージの表示を必ず合わせてください。子猫・成猫・シニア・全年齢のどれ向けかがパッケージに書かれています。
犬猫生活 キャットフード 全年齢用のように、公式表示で全年齢対象とされている製品もあります。
人の猫アレルギーを軽くするというフードとは違うものですか?
別のものです。人が猫に触れて出るくしゃみなどをやわらげるとうたう製品は、愛猫自身の食物アレルギーとは話題が異なります。
愛猫のかゆみや軟便が気になって探しているなら、見るべきは主なたんぱく源と目的別区分のほうです。
おやつは与えたままでも大丈夫ですか?
除去食試験の期間中は、おやつ・サプリメント・歯磨きガムをいったんお休みします。指定のごはんと水だけで進めるためです。
試験が終わって症状が落ち着いてから戻すときは、1種類ずつ、間隔をあけて様子を見ていきましょう。
まとめ|表示を読めれば、うちの子に合うごはんは絞り込める
出発点は、主なたんぱく源が何かと、目的別区分が総合栄養食かどうかの2点です。
どちらもパッケージの原材料表示と目的別区分の欄で確かめられます。宣伝の言葉より先に、そこを見てください。
療法食は、かかりつけの獣医師の指導のもとで使うもの。飼い主さんの判断だけで主食に据えるものではありません。
候補が決まったら、切り替えは1週間ほどかけて少しずつ。かゆみの回数、便の状態、体重を書き留めておくと、合う・合わないの判断がぐっと楽になります。
掻き壊しての出血、食欲の低下、体重の減少、繰り返す嘔吐や下痢が見られたら、フードの調整より受診が先です。



気になる製品は、メーカー公式ページの原材料表示と保証成分値をそのまま見比べてみてください。同じ物差しで並べると、迷いがかなり減ります。
表示の読み方さえ身につけば、愛猫に合うごはんの候補は自分の手で絞り込めます。










