など、開業する経緯は人それぞれです。
「開業したい」と思ったらするべきで、どんどんチャレンジをするのは良いことです。
ただ同期や周りが開業しているからといった理由や雰囲気に流される必要はありません。
開業はそう簡単なことではないので、
しっかり考え、準備した上で実行していくのが望ましいです。
株式会社ねこのタミは
動物病院を開業した経験を広げるべく、
これから開業する獣医師の方に向けて
「開業アドバイザー」を行っています。
ご興味がある方は
開業アドバイザーページもご覧ください。
ご希望の方は、
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からご連絡ください。
一つの目安ですが、売上が月500万を越えてきたら法人にするか判断するといいでしょう。
なぜかというと、儲けに対しての税率が変わってくるからです。同じ売上でも個人より法人にしていれば税率が下がる傾向にあるので、ある一定の儲けになると法人化するのが望ましいです。
ただし、法人化する場合は社会保険が強制加入の流れになることを考慮する必要があります。
メリット
デメリット
医科や歯科などはご自身が医者・歯科医でなければ開業できませんが、動物病院の場合は獣医師でなくとも経営できます。実際に企業病院は多く存在しており、獣医師を採用して運営しています。そのため動物病院業界への企業の参入が増えています。
その方の状況にもよりますが、まずは個人・法人どちらで進めていくかの決断が必要です。
公証役場に定款を提出する必要があります。
以上の業務は行政書士に依頼して代行することも可能です。どうしても足を運ぶ必要があるため、時間に余裕がない方はそのように対応してもいいでしょう。どんなに急いでも設立まで1ヶ月以上は要すると想定しておきましょう。
また、ここで発生したお金は会社準備金として経費を落とせるため、領収書の保管はしておいてください。
ある程度コンセプトが固まれば、
次は計画(3か年の
業績シミュレーション)です
診療 | 坪数の目安 |
---|---|
1次診療 | 15坪~30坪 |
1.5次診療 | 30坪~60坪 |
2次診療 | 60坪以上 |
集患の条件 | 集患のための目安 |
---|---|
獲得ペット数 | 〇2,000~2,499匹/ ◎2,500匹~ |
獲得世帯数 | 〇1,000~1,499世帯/ ◎1,500世帯~ |
人口増加率 | 自然増減率または社会増減率どちらかが増加〇/ 両方とも増加◎ |
平均年収 | 〇500万円~549万円/ ◎550万円 |
創業の動機・経営者の経歴・大まかな必要資金と調達方法などがまとまった創業計画書の提出がベターです。
日本政策金融公庫から借り入れする場合は指定のフォーマットを提出することが必須になってきます。1枚である程度分かりやすいフォーマットなので、他の金融機関への提出に転用してもよいでしょう。地方銀行によっては、日本政策金融公庫の創業計画書フォーマットの提出を依頼されることもあります。
実際に借入が決まるのは、日本政策金融公庫は面談後2~3週間後が目安です。地銀は多少時間がかかり、面談後4~5週間後が目安です。
借り入れの実行(口座に借入金を送金してもらう)は、金融機関が貸し出しを決定した後になります。「機材調達金として借りる」「運転資金として借りる」など目的によって変動がありますが、実際に機材の支払いが発生する直前などになるため、借り入れはすぐに実行されるわけではないことだけ注意しましょう。
また、金利は銀行や借りる人・状況によって変わってきますが1.5%〜2%ぐらいが目安です。日本政策金融公庫であれば約2%、地銀であれば1.5%〜2%ぐらいになる傾向にあります。
下記資料などもあれば丁寧かつ信用に寄与するかと思います。
あくまでも新品が望ましいというだけで、中古でも問題なくちゃんとメンテナンスしてくれるのならば、機材・機器の多くを中古で揃えてもいいかと思います。ただ中古は常に在庫があるとは限らないので、その点は注意が必要です。
中古品は状態にもよってくるため、しっかりと確認が必要です。
ここの部分は獣医師さんのこだわりなどにもよって変わってくるかと思いますので、しっかりディーラーと打ち合わせをするといいです。そして機材・機器は最初に色々集めたいという方も多い傾向にありますが、開業時に全部集める必要はなく、キャッシュが貯まってきたら少しづつ買い足していくという選択も必要です。
高額なものはリースを検討されてもいいかと思います。
機材のリース活用のメリット・デメリットを理解した上で利用するのが望ましいです。
メリット
現金を残しておける
開業後すぐは、キャッシュフローの面を考えて高額機材を支払うことが難しいことがあります。リースにした分の現金を手元に残しておくことができるメリットがあります。また、保証などもしっかりしてくれるケースも多いので安心です。
型落ちしやすい機材で買い替えが必要なものは購入不要
例えばエコーのように数年たつと型落ちが激しいものは、買い替えが必要になりますのでわざわざ購入しなくてよいという判断になります。購入すると旧型は処分に費用も掛かります。動物病院のリースとして、よく使われるケースとして、エコー・PCなどがあげられます。
デメリット
工事期間について
打ち合わせから施工までの期間として、2~3ヶ月程を考えて頂くといいかと思います。
施工業者は動物病院の工事を経験した会社を選定する方が確実だと思います。動物病院も特殊な構造な分類ですので、実際にいくつか経験された会社が望ましいと言えます。
また、施工から電気・水道代は発生してきますので、その点は留意した方がいいです。
費用について
一般的には坪40万円〜60万円程度と言われています。内装のこだわりや業者の見積もりによってそれ以上になることもありますが、費用を抑えた形になるように担当者と相談していくのがいいでしょう。
また安く収める方でデザインだけお願いし、後は工務店に実施してもらうケースなどもあります。その場合デザイン通りにいかないこともあるのでご注意ください。ここもしっかり考慮する必要があるので、コンサルタントも含め様々な方の助言を頂くのがいいと思います。
ホームページ制作は早めに取り掛かる必要があります。
長ければ制作に半年程かかる場合もありますので、
借り入れ後、すぐに取り掛かり始めても問題ないかと思います。
ただ早く制作しすぎると月々の管理費が発生するため、
ある程度タイミングを見計らう必要もあります。
検索されやすいキーワード
※キーワードは一例です
・病気
・手術
・症状
・予防
では、どのようなホームページ制作会社がいいのか
疑問に思う方もおられるかと思います。
あくまでも見分け方の一例を記載しておきます。
ホームページ制作会社は担当者・予算でも変わってきてしまうので、
一概にどこが良いとは言い切れませんが、
開業する病院にあった制作会社を見つけるのが重要です。
また、ホームページの制作段階で、
動物病院側と制作会社側の双方で揉めることが多くあります。
そのため、制作する前に複数回の打ち合わせと慎重な選定が重要です。
看板は店舗及び駐車場など、自身の敷地内での販促で留めるだけで十分です。駅や道路などの看板広告の掲載について業者から案内がくる場合がありますが、月々の看板広告費や構える立地によって実施すべきか否かが変わります。開業する立地が少し複雑な場所にある場合は多少の効果はありますが、もしある程度費用がかかる場合は、他の投資に回してもいいかと思います。安く抑えるなら、敷地内にタペストリーなどを設置し価格を抑えて商品を見せる方向でも問題ありません。
「ではほとんど広告費を使わなくていいのか?」という疑問も同時にわくと思いますが、それは違います。投資することは重要です。どこに投資するかが重要で、多くの動物病院が間違った選択をしています。
動物病院業界の場合は、ほとんどが後述するWEB販促だけでも十分かと思います。つまり、看板に1万円〜5万円が発生するのなら、WEB広告にその分の金額を投資した方がいいということです。
条件が他の動物病院よりも悪ければ必然的に応募率も下がります。そして拘束時間も大事です。如何にプライベートの時間も確保出来るかが重要です。動物病院業界は女性が多い職場ですので、女性が働きやすい環境も大事になります。
求人を出しただけでは反響が弱いです。各媒体への出す写真や文面などでも反響率が変わります。オリジナルで受け付けてくれる媒体であれば、制作したものを送付しましょう。
初めての開業であるならば、面接も初めてという方も多いかと思います。人を見極めるのは難しいと思いますが、自身の病院の志と一致し、条件が合う人を採用していくことが重要です。面接シートなど使用する場合もありますが、初めは面接回数をこなしていきましょう。そのうち人を見極める力もついてきます。
シフト・出退勤・残業管理
採用時、既に勤務体系は決まっていますが、どう運用していくかを考えましょう。様々なメーカーから出退勤管理などの機器も出ていますが、アナログよりもシステム仕様がオススメです。システムはあれこれ使用せず包括的にできる物の使用が望ましいです。シフト制は非効率になりやすいためなるべく避けるのが望ましいでしょう。
給与計算
給与計算は自分で計算する方・外部にアウトソーシングする方がいます。従業員が多くなれば多くなるほど時間がかかってくるため、アウトソーシングする方が望ましいです。
昨今は便利なシステムも開発されているので、それらを活用することもお勧めです。
雇用関係は後々従業員と揉めることが多々あるため、事前にしっかり整備していくことが重要です。それでも悩みが尽きない病院様もありますので、補助金なども含め社労士さんと契約してもいいでしょう。
「たくさんお金かけたらそれでいい」と言うことではありません。如何に飼い主様が足を運んでくれるかが重要です。その際、何か特典や利点などがないと、なかなか来院してくれないのも事実です。下記は、よくある内覧会の実施項目にあります。
問診表や説明資料などの販促物も用意しておく必要があります。開業アドバイザーや業者がフォーマットをご用意できることもあるので、ゼロから作成せずに依頼してもいいかと思います。
例えば、説明資料もただ渡したら大丈夫という訳ではありません。また、伝えると伝わっているとでは話も違ってきます。しっかり飼い主様の意識を高め、定期的に予防に通っていただくことが大事になってきます。下記が主に必要な資料になります。
診療効率化の最たるものは「分業」です。開業当初は暇だからと獣医師が動物看護師の仕事をやってしまいがちですが、それが忙しくなっても習慣化されてしまう可能性も高いです。初めの段階からしっかり分業体制を構築していきましょう。
下記を参考に、動物看護師などに仕事を割り振っていくと良いでしょう。
今の獣医師・看護師・受付などの業務をすべて書き出し、改めて業務を見直してもよいでしょう。動物看護師は国家資格化することもあり、今までよりも実施できる範囲が広がりました。そのためより分業体制を構築でき、効率診療を実現しやすくなったと言えます。
また教育のマニュアルに関しては、紙よりも動画などで対応していくのが望ましいです。デジタル化することで修正の手間も大幅に省けます。
ただ、この辺りのオペレーション部分は開業前に全て決めきれないことも多いです。実際に診療してみて都度体制を変えていくことも大事になってきます。常に見直していくことが飼い主様の満足度向上に繋がります。
支払い関係も整理しておく必要があります。自動精算機などあると望ましいですが軌道に乗ってからでも十分かと思います。カード・IC決済は導入することが望ましいでしょう。その際は会社によって手数料の%が違いますので、しっかり探していくのが望ましいです。
CHECK
開業直前の最終確認
開設に必要な届け出
*都道府県によって提出内容が変わります。
放射線診療装置における届け出(導入する場合)
平面図や獣医師免許の写しなどが必要になるため、設計士さんや採用の状況によって提出は遅くなる可能性もあります。
皆様の開業がうまくいくよう祈っております。
開業に関するご相談は
こちらからご相談ください。