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これから開業するための
全15ステップ

STEP UP

開業するにあたり、何のために開業をするのか?について、もう一度考えるといいかと思います

  • 収入を上げたい
  • 自身の判断で診療していきたい
  • 更に責任感を持って仕事に励みたい

など、開業する経緯は人それぞれです。
「開業したい」と思ったらするべきで、どんどんチャレンジをするのは良いことです。
ただ同期や周りが開業しているからといった理由や雰囲気に流される必要はありません。
開業はそう簡単なことではないので、
しっかり考え、準備した上で実行していくのが望ましいです。

開業におけるメリット

  • 成功すれば年収が現状より大幅に上がる可能性がある
    大幅に上がると言い切ることは出来ませんが、勤務医の時よりも年収が上がる傾向にあります。
    また勤務医とは違い、病院の売上が上がれば上がる分だけ年収が上がる傾向にあるので、やった分だけ自身に返ってくるのは大きなメリットです。成功報酬や意欲的な方にとっては良い環境だと言えます。
  • 自由度がきく
    今まで自身がやりたかった診療などを自らの判断で実施・強化できます。この理由で開業する方も多いように思います。
    何に投資するかも自分で判断することができますが、投資を極端に削ってしまう方もおられますので注意が必要です。効果があるものに対してはしっかり投資しましょう。
    このように自身の判断が病院を大きく左右します。それは今まで勤務医であった時よりも自由度がきく部分という意味も含まれています。
  • 成長に繋がる
    今までに無かった問題などに直面するため、確実に自身の成長に繋がります。勤務医ではあまり触れることのない手続き関係(事務処理)、マーケティング、マネージメントの領域も関わってきます。初めて学ぶことが多く、大きく成長できます。

開業におけるデメリット

  • 時間的拘束が増える
    自ら開業している獣医師さんのお悩みでよく聞くのが「時間的拘束」です。業界的にもまだ長時間勤務・長時間拘束なのも事実です。それに加え、勤務医時代よりも経営の面で時間がのしかかってきます。
    つまり今皆様が勤務医であれば、その業務に加え経営を考える時間が増えるというイメージで捉えると良いです。獣医師としてプレーヤーで働くのが前提で、今よりも時間が欲しいという方には向いてないかと思われます。
  • 経営的側面のストレスがある
    雇われている状況よりも、経営的側面でのストレスがかかってきます。勿論それをストレスに思わない人はいいのですが、多くの方は金銭面・採用・定着など様々な問題に悩まされています。
    開業当初は人よりも金銭面(売上)で悩まされるケースが多いので、まずはしっかり売上が上がる仕組みを構築していくことが大事です。その際自身が今勤務しているのであれば、1日どれぐらいの件数を診て、どれぐらいの売上を上げているか考えるのも重要です。それを1ヶ月・1年で換算し、1ドクターでどれぐらいの年商になるのかを考えるのも今後開業するにあたっての良い指標となります。
  • 借り入れが発生する
    安定したいという観点では、独立はなかなか厳しいかと思います。借り入れも4千〜6千万程度、または更に多いケースもあるため、それなりのリスクが伴うのも事実です。
    そのため安定した生活だけを求められるのであれば、勤務医や分院長として働くのが望ましいかと思います。
  • 年収が大幅に上がるとは限らない
    一概に年収が大幅に上がるとは言い切れません。院長になると2千〜3千万またはそれ以上の年収がもらえるのではないかと思う方もいるかもしれませんが、それは稀なケースで、院長でも年収1千万以内がほとんどです。獣医師の平均年収が500万円程度と、他の医療関係の医科や歯科などと比べて低いことからもそれは理解できるかと思います。

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開業への15ステップ

開業に重要なのはビジョンです。
冒頭でもお伝えした通り、「何のために開業をするのか」が大切です。どういう想いで開業するのかを強く想っている人の方が、従業員並びに飼い主様からも支持されます。ただ、今の段階で明確化されなくても大丈夫です。開業の準備をしていく中で徐々に固まってくる方も多くおられますので、開業へのステップの中で徐々にビジョンを構築していただければと考えています。
開業することがただ良いとは言い切れないのが事実ですが、良い側面も多いので思い込みや一人で突き進むのではなく周りの助言や情報をキャッチアップし、良いスタートダッシュを踏んでいただくのが望ましいです。
また開業される年齢も人それぞれです。傾向としては臨床経験5年以上が多いですが、状況によっては下回っても問題ないかと思いますので、ぜひ前向きにご検討下さい。まずはしっかり自身を見つめ直すことから始めましょう。
  • 01

    運営体系の選択

    3つの運営体系
    動物病院の開業には個人・会社の両方とも参入が可能です。
    どちらがご自身に適しているかについて解説していきます。
    動物病院業界では個人・合同会社・株式会社の3つの運営体系が多く見られます。
    • 個人
      皆様もなんとなく理解できると思いますが、個人事業主になります。
      合同会社
      出資者が会社の経営者となります。合同会社は約10〜15万円程度の出費で設立可能です。
    • 株式会社
      文字通り株式の出資で形成されています。ただ、動物病院の場合は株主が取締役のケースが多いかと思います。約20〜25万円程度の出費で設立可能です。
      合同会社・株式会社のどちらがいいという訳ではなく、その形態と設立の際の金額が異なります。
    法人化について
    まずは個人から始めて軌道に乗ったら法人にという流れでも問題なく、
    実際そのような形で始められている方も多いです。
    売上が小さく社会保険に加入していないのなら、
    個人からスタートした方が税金を法人よりも抑えられるケースが多いです。
    *
    どれくらいの売上で法人化すればいいか

    一つの目安ですが、売上が月500万を越えてきたら法人にするか判断するといいでしょう。
    なぜかというと、儲けに対しての税率が変わってくるからです。同じ売上でも個人より法人にしていれば税率が下がる傾向にあるので、ある一定の儲けになると法人化するのが望ましいです。
    ただし、法人化する場合は社会保険が強制加入の流れになることを考慮する必要があります。

    • *個人の時から社会保険に既に加入している場合は、法人に変更にした方がいいとも言えます。
    • メリット

      • 税率が下がる
      • 借り入れの際の金融機関からの信用度は、
        個人より法人の方が高くなる傾向にある
      • 従業員が職場を選ぶ際、
        個人より法人の方が安心感を得られる
        それ以上に条件などを重視されるので、個人でもしっかり採用条件・環境を整えていれば問題ありません。
    • デメリット

      • 社会保険に加入しなければいけなくなる
      • 法人化の手続きに手間がかかる

    医科や歯科などはご自身が医者・歯科医でなければ開業できませんが、動物病院の場合は獣医師でなくとも経営できます。実際に企業病院は多く存在しており、獣医師を採用して運営しています。そのため動物病院業界への企業の参入が増えています。
    その方の状況にもよりますが、まずは個人・法人どちらで進めていくかの決断が必要です。

  • 02

    会社設立
    (法人で開業する場合)

    会社設立までの道のり
    合同会社は株式会社よりも設立のステップが簡単なので、
    ここでは株式会社の設立手続きを説明していきます。
    設立にかかる費用は資本金をいくら入れるかによって前後しますが、
    株式会社の開設だけの費用とすると約25万円です。
    • *
      定款
      会社設立においてまず実施するのが、定款の作成です。今ではWEB上で色々なサービスが出ていますので、それを経由して申請していくといいかと思います。この定款で会社情報登録などを実施していきます。
    • *
      公証役場

      公証役場に定款を提出する必要があります。

      • *公証人との面会予約が必要です。
    • *
      資本金
      資本金を入金します。借入を実施する方は一つの目安として、借入金の10%を資本金として入金すると問題ないかと思います。例えば借入を5,000万円にしたいなら資本金を500万円入れる方が望ましいです(あくまでも目安です)10%を下回ったら駄目かというと、そうではありません。ただ10%未満の場合は、金融機関側が資本金が少ないと判断しやすいため、担保となる代表者の資産状況(例:不動産や株式など)も評価される傾向にあります。
    • *
      法務局
      資本金及び各種資料を法務局にて、株式の登記を実施する必要があります。この時に会社設立で最も大きなお金が必要になります。
    • *
      税務署
      その後、税務署にて、給与支払いの開設届及び法人設立届を出す必要があります。

    以上の業務は行政書士に依頼して代行することも可能です。どうしても足を運ぶ必要があるため、時間に余裕がない方はそのように対応してもいいでしょう。どんなに急いでも設立まで1ヶ月以上は要すると想定しておきましょう。
    また、ここで発生したお金は会社準備金として経費を落とせるため、領収書の保管はしておいてください。

  • 03

    コンセプト・
    3か年シミュレーション

    動物病院の開業・運営
    初めに触れたように「何のために開業をするのか」という部分、ミッション・ビジョン・バリュー・クレドが大前提で大事になってきます。なんとなく考えてはある・頭の中にはあるといった方は多いかと思いますが、しっかり言葉として落とし込んでいる方はほとんどいません。実際、既に病院を運営しているけど作ったことがない、考えたことがないという方も多いかと思います。開業後、徐々に構築する形でもいいですが、初めに存在していてそれを変えていく方が望ましいです。
    どんな動物病院にしていきたいか
    コンセプト設計を組み立てていく必要があります。こちらは導入の部分でもあります。
    診療内容や項目、診察する動物など決めた上で、
    売上や規模をどうするかを考えていきましょう。
    全て包括してやることがいいわけではありません。
    特化することで逆に良い作用をもたらすケースもあります。
    • 1次診療・1.5次診療・2次診療
    • 皮膚科・眼科・歯科・泌尿器科・整形外科など
    • 犬・猫・エキゾチックアニマル

    ある程度コンセプトが固まれば、
    次は計画(3か年の
    業績シミュレーション)です

    実際に金融機関に提出した
    3か年シミュレーションの
    参考画像
    拡大して見る
    例えば「1次診療のみで犬・猫しか診ません」という条件であれば、30坪・診察台2台、ドクター1~1.5人になるので、それに応じて診れる件数を換算していきます。
    そして、大事なのは、このような数字を3ヶ年計画として落とし込むことです。これは銀行からの借り入れでも使用するケースがほとんどですので、しっかりと計画を立てる必要があります。
    「実際に金融機関に提出した3か年シミュレーション」の参考のように、最低ラインの見込み計画を出すことと、それでもキャッシュフローが回ることを明記すると良いです。勿論、作成において机上の空論とならず、あくまでも予想できる数値にしなければいけません。この時点でキャッシュフローが回らなければ、そもそも計画の変更が必要です。
    正直、この点は勤務しながら作成するのは厳しいため、開業アドバイザーや税理士に依頼して一緒に作成するのがいいかと思います。
    「何のために開業をするのか」
    =ビジョン
    「どういう病院にしていきたいのか」
    =コンセプト・計画
    このような流れで開業に向けての考えを構築していくと良いです。
  • 04

    立地選定

    開業において、
    立地選びが最も重要です
    コンセプトがある程度決まれば、どれぐらいの大きさ(坪数)にしていくかが
    決まってくるため、立地選びが可能となります。
    ただここで留意しないといけないのは、動物病院が入れるテナントには
    制限があるため、物件がなかなか見つからないことです。
    制限をクリアしていても物件のオーナーが嫌がってしまい
    入れない可能性があります。
    この立地選定で全体的なスケジュールが押してしまうことが多々あるため、
    なるべく早めに動くことが望ましいです。
    不動産の初期投資は大きな金額になります。
    それを事前にしっかり把握して動くことが大切になってきます。
    • *
      立地選定「坪数」
      診療 坪数の目安
      1次診療 15坪~30坪
      1.5次診療 30坪~60坪
      2次診療 60坪以上
      どれぐらいの大きさの立地を探せばいいか考えましょう。まず一つの指標は、自身が運営していきたい診療の幅によっておおよその坪数を選択することです。ただ広ければ良いという訳ではありません。無駄に広ければ導線が長くなり、診療が非効率になる可能性もあります。
      そのため、自身がやりたい診療や規模で坪数を考えるといいかと思います。
      表は参考として、診療に対しての坪数の目安を記載しています。トリミングなどの施設を付加しようと思えばさらに坪数が必要になったりします。
    • *
      立地選定「集患」
      地元だからという理由で選択されるケースも多いですが、その立地が本当に集患できるか考える必要があります。人口が何万人商圏で・獲得ペット数・獲得世帯数・人口増加率・平均年収がどうなのかを判断する必要があります。これは同じ県でも市町村によって大きく変わってきますので、事前にしっかり調べることが重要です。
      集患の条件 集患のための目安
      獲得ペット数 〇2,000~2,499匹/
      ◎2,500匹~
      獲得世帯数 〇1,000~1,499世帯/
      ◎1,500世帯~
      人口増加率 自然増減率または社会増減率どちらかが増加〇/
      両方とも増加◎
      平均年収 〇500万円~549万円/
      ◎550万円
    • *
      立地選定「条件」
      市町村が決まったら、下記条件を考慮する必要があります。
      • 周辺環境
        分断要因がある障壁(川など)はなるべく避けるべきです。川の反対側からの来院は極端に減ります。なるべくこのような分断要因は避けましょう。
      • 階数
        1階が望ましいです。認知だけでなく、大型犬などは1階である方が通いやすいのも事実です。
      • 駐車場
        地方や2次診療を実施する場合は車で来る飼い主様も多いため、駐車場はあった方がいいです。1時間に何件診察するかによって何台分あった方がいいか変わってきますが、渋滞しないよう見極めるのが重要です。
        また地方である程度敷地が取れるのであれば、従業員用の駐車場も確保すると採用に良い作用をもたらします。
      • アクセス
        都心部であれば、駅から近いというのも重要です。それは飼い主様の利便性だけでなく、従業員の採用などにも関わってきます。
    • *
      立地選定「集患商圏分析」
      立地によっては区などをまたぐケースも多いため、商圏の観点からも捉えることが重要です。その際、競合となる動物病院が商圏内にどれだけあるかも測ることができます。商圏は病院の大きさ・診療にもよりますが、だいたい車で15分程度で考慮して問題ないかと考えられます。
      中には既に土地・建物は持ち物として持っていて開業するだけ、という方もおられるかと思いますが、その際も商圏分析はしておいた方が良いでしょう。
    • *
      物件を探す
      条件が決まったら、地場の不動産業者に物件を探してもらうのが良いです。ただ、こちらからどんどんアクションを起こさないとなかなか動いてくれない場合もありますのでお気を付けください。地場の不動産も数多くあるので、まずは似たようなテナントを扱っている会社に問い合わせると良いかと思います。ただ冒頭でも伝えた通り、動物病院の場合はなかなか良い物件が見つかりづらいため、立地も複数考慮して探していくことが望ましいです。
      同時に坪何万円なのかも意識すると良いです。一見良さそうな物件でもその地域の相場より坪単価が高い場合もあります。坪単価いくらが妥当なのかは地域性によりますので、不動産または開業を手伝ってくれるアドバイザーに確認しましょう。
    • *
      物件が見つかったら
      物件が見つかったら、内装業者に設計などを確認するのが望ましいです。状況によっては難しい場合もあるので、契約前にしっかり確認していきましょう。立地はそう簡単に変えられるものではないので、慎重にお選びください。
  • 05

    借り入れ

    物件が見つかったら、借り入れです。
    自己資金だけで対応できる方はなかなかいないので、大体の開業医は借り入れを行います。
    借り入れ額は様々ですが少ない方で2千万程度、多い方で億を超える方もおられます。
    ただ億を超える方は総合病院や2次診療施設の開業の方が多いので、
    一般的には2千〜6千万程度が多い傾向にあります。
    銀行からの借入になるので、しっかりと前準備をすることが重要です。

    *
    昨今、金融機関の貸し渋りが顕著に…
    ここ最近、金融機関(政府系、地方銀行、信用金庫)の貸し渋りが顕著になってきています。
    というのも、新型コロナウイルスによる経営危機に直面した中小企業救済ための融資の返済がここ最近になって始まっています。しかし融資を受けても経営改善されなかった企業が徐々に現れてきているため、不良債権化されることを避けるために、中小企業は融資が受けにくくなる事態が増えているのです。
    「獣医師の資格者だから簡単に借り入れできる」と甘く見て金融機関向けの資料作成や事業計画の策定がおろそかになると、融資まで必要以上に時間が長くかかったり、最悪の場合断られるケースもあります。油断することなく、実現可能な計画策定を綿密に立てましょう。
    借り入れに必要な書類
    • 借り入れ申し込み
      事前に面談の申し込み予約が必要です。金融機関の問い合わせ窓口から予約しましょう。
    • 業績シミュレーション
      STEP3に載せているフォーマットで十分問題ありません。
      大事なのは借入した後もしっかりキャッシュフローが回るかどうかになります。達成しないであろう数値ではなく、現実的な数字が反映されていなければいけません(提出時点のシミュレーションでは、多少固く見積もったシミュレーションの方が心証が良いことがあります)
    • 創業計画書

      創業の動機・経営者の経歴・大まかな必要資金と調達方法などがまとまった創業計画書の提出がベターです。
      日本政策金融公庫から借り入れする場合は指定のフォーマットを提出することが必須になってきます。1枚である程度分かりやすいフォーマットなので、他の金融機関への提出に転用してもよいでしょう。地方銀行によっては、日本政策金融公庫の創業計画書フォーマットの提出を依頼されることもあります。

    • 診療圏分析
      開業する地域の状況と発展性をアピールできればよいでしょう。車で15分で行ける範囲を商圏として設定するといいです。その商圏に住む住民の年収がどうなのか、人口推移がどうなのか、開業立地が伝わるようにする必要があります。
    *
    借り入れまでの期間・借り入れ時の金利

    実際に借入が決まるのは、日本政策金融公庫は面談後2~3週間後が目安です。地銀は多少時間がかかり、面談後4~5週間後が目安です。
    借り入れの実行(口座に借入金を送金してもらう)は、金融機関が貸し出しを決定した後になります。「機材調達金として借りる」「運転資金として借りる」など目的によって変動がありますが、実際に機材の支払いが発生する直前などになるため、借り入れはすぐに実行されるわけではないことだけ注意しましょう。
    また、金利は銀行や借りる人・状況によって変わってきますが1.5%〜2%ぐらいが目安です。日本政策金融公庫であれば約2%、地銀であれば1.5%〜2%ぐらいになる傾向にあります。

    • *その時の融資制度・ご自身の状況によって金利は変わってくるので、あくまでも目安になります。
    借り入れしやすくするために
    • 資本金
      資本金は借り入れの10%程度を目安にしましょう。10%を下回ったとしても、借り入れができないという訳ではないので心配ありません。
      ただ資本金が少なすぎて借り入れ依存度が高いと、金融機関側からの心証が良くないこともあります。その場合、金融機関の担当者を説得する材料(計画書の緻密さや担保となる資産があることなど)が必要になります。
      また物件が見つかる前に借り入れを起こす場合もありますが、決まっている方が借り入れやすいのが実状です。
    • 資料

      下記資料などもあれば丁寧かつ信用に寄与するかと思います。

      • 賃貸借契約書
      • 免許証
      • 住宅ローン返済計画書 ※個人で購入している場合
      • 会社の定款、登記
      • 確定申告書3期分
      • 固定資産税納税通知書(自宅、不動産投資分など)
      • 獣医師免許
      • 通帳 など
    • 借り入れ先
      リスクヘッジのためにも、借入先の候補を複数持っておくことも重要です。信用銀行やリース会社からの借入も出来るので視野を広げることが大切です。まずは開業アドバイザーまたは税理士にご相談ください。
  • 06

    機材

    *
    機材・機器の選定
    開業において施工と機器関連が金額としては1番大きくなるので、しっかりと判断・選定していく必要があります。
    機器関連の選定によって設計の配置が変わってくる場合も多いです。自身が実施したい・強化したい科目を加味し、ディーラーと一緒に決めていくといいです。
    また全てを新品や最新モデルにしたり多くのものを揃えようとすると、多額の資金が必要になります。そのため中古でも問題のない物は中古も織り交ぜて金額を抑えていくことも重要です。
    • 新品が望ましい機材・機器

      あくまでも新品が望ましいというだけで、中古でも問題なくちゃんとメンテナンスしてくれるのならば、機材・機器の多くを中古で揃えてもいいかと思います。ただ中古は常に在庫があるとは限らないので、その点は注意が必要です。

      • 自身のこだわりがあるもの
      • 最新のもの(中古として出づらいため)
    • 中古でもいい機材・機器

      中古品は状態にもよってくるため、しっかりと確認が必要です。

      • 精密機器ではない、ゲージなど(精密機器でも状況が良い場合は問題ありません)
      • 型落ちでも問題ないと判断される機器(エコーなどは古いモデルだと質が非常に落ちるため、最新のものを購入する方が多いです)
    • 診療に必要な機材・機器一覧

      ここの部分は獣医師さんのこだわりなどにもよって変わってくるかと思いますので、しっかりディーラーと打ち合わせをするといいです。そして機材・機器は最初に色々集めたいという方も多い傾向にありますが、開業時に全部集める必要はなく、キャッシュが貯まってきたら少しづつ買い足していくという選択も必要です。

      • 診察台
      • 検眼検耳鏡セット
      • スリットランプ
      • 顕微鏡
      • 血球計数器
      • 生化学検査器
      • 尿比重計
      • 超音波診断装置
      • ビデオスコープ
      • 遠心機
      • X線装置
      • ラジオグライフィー
      • フレア防護エプロン
      • シンク
      • CT
      • MRI
      • 無影灯
      • 電動油圧手術台
      • 除細動器
      • 外科器具基本セット
      • 手術用ドリル
      • 滅菌器
      • 麻酔システム
      • 麻酔用人工呼吸器
      • 高周波ラジオ波メス
      • 整形器具
      • 血液凝固分析装置
      • ゲージ
      • 輸血ポンプ
      • シリンジポンプ
      • ICU
      • 酸素濃縮器
      • 自動分包機
      • 電子天秤 など
    機材・機器の入手方法
    • リースを活用する

      高額なものはリースを検討されてもいいかと思います。
      機材のリース活用のメリット・デメリットを理解した上で利用するのが望ましいです。

      • メリット

        • 現金を残しておける

          開業後すぐは、キャッシュフローの面を考えて高額機材を支払うことが難しいことがあります。リースにした分の現金を手元に残しておくことができるメリットがあります。また、保証などもしっかりしてくれるケースも多いので安心です。

        • 型落ちしやすい機材で買い替えが必要なものは購入不要

          例えばエコーのように数年たつと型落ちが激しいものは、買い替えが必要になりますのでわざわざ購入しなくてよいという判断になります。購入すると旧型は処分に費用も掛かります。動物病院のリースとして、よく使われるケースとして、エコー・PCなどがあげられます。

      • デメリット

        • リースは途中解約が出来ず、契約満了まで支払う必要がある
        • 1.7~1.85%のリース料率が発生するため、購入するよりも高くなる
    • ディーラーから購入する
      ディーラーの選び方ですが、会社・人によってだいぶ変わってきます。
      中古を扱っているか・金額が抑えられるか・フォローは手厚いかなど、どのような対応をしてくれるかが重要なのでどこでも良いという訳ではありません。人・会社との相性なども関係しますので、しっかり連携が取れるところを選びましょう。当社でも優良なディーラーさんをご紹介いたします。機器・機材関係は金額が大きい分、慎重に判断していきましょう。購入したけどほとんど使う機会がない…といったケースが起きないよう、慎重な判断が望ましいです。
    • ネットオークション
      一般人が出品している機材を目にすることがあると思いますが、機器はなるべく避けた方がいいです。ネット購入では故障しても保守サービスがないので、値段につられて購入しないようにしましょう。
    • 補助金を活用する
      時期や内容にもよりますが、開業後に補助金なども活用できるケースもあります。常に新しい情報をキャッチアップする必要があります。
  • 07

    内装工事

    内装・外装は、ご自身のやりたいこと・診療科目などをしっかり説明した上で施工会社または設計士に依頼するのが望ましいです。
    一度施工してしまうとなかなか変更できないため、慎重に判断する必要があります。

    *
    診療に効果的な内装を
    ここで大事なのが導線です。導線が悪いと必然的に診療に悪影響を及ぼします。診療の一連の流れを考えた時に動きやすいか、何をどこに配置するかが重要になってきます。
    ある程度の坪数がある場合で、より効率の良い診療を考えるのであれば「中待合」を事前に予定しておくと良いでしょう。人間の病院でも診察室の前に中待合を設置している所も増えています。待合から呼ばれていく際は動物が一緒にいるため、意外と時間がかかってきます。1件で見れば大した時間ではないのですが、1日、1ヶ月の長期間で見た時には大きな診療時間短縮に繋がります。
    • 工事期間について

      打ち合わせから施工までの期間として、2~3ヶ月程を考えて頂くといいかと思います。
      施工業者は動物病院の工事を経験した会社を選定する方が確実だと思います。動物病院も特殊な構造な分類ですので、実際にいくつか経験された会社が望ましいと言えます。
      また、施工から電気・水道代は発生してきますので、その点は留意した方がいいです。

      • *期間などは業者・状況によって多少前後します。
    • 費用について

      一般的には坪40万円〜60万円程度と言われています。内装のこだわりや業者の見積もりによってそれ以上になることもありますが、費用を抑えた形になるように担当者と相談していくのがいいでしょう。
      また安く収める方でデザインだけお願いし、後は工務店に実施してもらうケースなどもあります。その場合デザイン通りにいかないこともあるのでご注意ください。ここもしっかり考慮する必要があるので、コンサルタントも含め様々な方の助言を頂くのがいいと思います。

      • *坪単価はあくまでも目安になります。
    施工で出てくる項目
    • 仮設工事
    • 解体工事
    • 軽鉄・ボード工事
    • 外部工事
    • 左官工事
    • ガラス・サッシ工事
    • 内装工事
    • 木製建具工事
    • 遮蔽工事
    • 家具・什器・造作工事
    • 電気設備工事
    • 防災設備工事
    • 機械設備工事
    • 空調換気設備工事
    • 給排水衛生設備工事
    • 諸経費
  • 08

    価格設定

    この段階になると、ある程度ハード面は揃ってきたと思うので、次にソフト面、価格・販促について触れていきます。
    細かい販促は開業間際で大丈夫ですので、ここでは価格・大まかな販促を決めていきます。
    これが決まり次第、WEB媒体にも順次アップしていく流れになります。

    *
    市場・競合を踏まえた適切な価格設定を
    前に勤務していた動物病院の価格をそのまま流用する方が多いですが、これが正解かというとほとんどの場合そうではないケースが多いです。なぜならその勤務先がそもそも適切な価格帯で設定していなかったり、時代背景に関係なく開業時からほとんど変えていなかったりする可能性が多いからです。
    適切な価格設定とは「市場性・競合性を踏まえているか」です。リサーチして判断することになるので、開業アドバイザーなどに聞くのが望ましいです。また、時間的な余裕がある場合は、近隣の病院様やその市町村にある動物病院の料金表を自身でリストアップしてみましょう。
    • ホームページへの価格掲載
      ホームページには価格を掲載しましょう。飼い主様に価格表を見せない・ホームページに載せない病院も多いですが、飼い主様が安心して通院するために料金は発信する必要があります。
      「他の病院にバレるのが嫌だ」と出していない病院も多いのですが、そもそも他の病院に料金を知られることがデメリットになることはありません。料金を示すのは、飼い主様のためになるからです。料金を知らずにモノやサービスを購入する人はいません。安心・納得してお金を支払ってもらうためには、料金を乗せることは必須なのです。
      またその価格が適正であることも忘れてはいけません。「料金が高かった」とクレームを受けるケースもあり得るので、先に提示しておくことでリスクも回避できます。
    • 開業後の料金変更
      状況や原材料高騰により順次料金を変更する病院様も多いですが、一気に変えるのは難しいため最初の設定である程度しっかり設定する必要があります。初診料や再診料などのよく請求する料金は特に注意が必要です。
    • 薬・フードの価格
      治療だけでなく薬やフードの価格にも注意しましょう。その際に大事なのが粗利率(売価から原価を引いた粗利が売価に対してどれくらいの比率か)が低いかどうかの確認です。粗利率が高いと金額が高い病院と認識されてしまいます。薬に関しては、処方料・分包料・粉砕料を適正にいただけているかということも大事なので、しっかり設定していきましょう。
      客単価
      開業当初は客単価が6千円〜8千円程になることが多いですが、徐々に検査・予防・手術などを増やして1万円以上を目指していきましょう。専門性の高い病院・2次診療施設であれば単価が2万円〜3万円ぐらいにはなってきます。
      開業後、徐々に上げていくことも可能ですので、まずは数を意識していきましょう。
    キャンペーンは実施するべきか?
    以前の病院で実施していたから、それが当たり前のような感覚の方もいるかもしれません。
    結論から申し上げますと「やらなくて患者数が増えるのであれば、やるべきではない」です。フードやおもちゃなら良いですが、医療に関してはなるべく値引きは避けるべきです。あくまでも医療においてキャンペーンという発想も少し違和感を抱くと思いますし、安いから実施するというような発想ではなかなか飼い主のQOLを上げることができません。
    ただ、開業当初などは集患が一番の悩みなのでやるのも一つの手かと思います。ただし一度やると辞め際がわからなくなるのでお気を付けください。会員制などにする方が理にかなっているので、もし安く提供したい場合はそのような対応をすると良いかと思います。また会員制に近いもので、年間パックで打ち出している病院様もおられます。そういった外部の販促の情報を常にキャッチアップし、自身がやりたいことと照らし合わせるのが大事です。
  • 09

    WEB集患
    (ホームページ・ポータルサイト・SNS)

    多くの先生は設備などには高額な投資をするものの、販促は削る傾向にあります。
    専門外だからわからないという人もいるかと思います。
    もちろん高ければいいという訳ではありません。
    ただ安いことが一概に良いとも言い切れません。

    ホームページ

    ホームページ制作は早めに取り掛かる必要があります。
    長ければ制作に半年程かかる場合もありますので、
    借り入れ後、すぐに取り掛かり始めても問題ないかと思います。
    ただ早く制作しすぎると月々の管理費が発生するため、
    ある程度タイミングを見計らう必要もあります。

    検索されやすいキーワード

    ※キーワードは一例です

    • ・病気

      • (検索キーワード:犬 皮膚 病)
    • ・手術

      • (検索キーワード:犬 避妊 手術)
      • (検索キーワード:犬 去勢)
    • ・症状

      • (検索キーワード:犬 嘔吐)
      • (検索キーワード:犬 下痢)
    • ・予防

      • (検索キーワード:犬 フィラリア 薬)
    集患に繋がるホームページを
    ホームページ制作に大事なのはコンテンツです。コンテンツの内容量が検索順位に影響してきます。具体的にどうするべきかというと、飼い主様の検索ニーズにあった内容が含まれているかどうかです。気になっているコンテンツがしっかりとホームページにあるかどうかが、アクセスや新患数に影響していきます。
    検索ボリュームが大きいキーワードはあくまでも一例で、様々なコンテンツを網羅している方が優位性が高まります。まずはコンテンツを抑えていくことが最重要ですが、他にもページスピードやタグなど細かい修正も必要になってきます。
    また、よくあることですが、初めに制作して満足しその後何も触らない方もいます。このようにただ制作しただけでは駄目で、常に追加・修正を重ねてより良いホームページにしなければなりません。
    ホームページでの集患を
    より効果的にするために
    • ポータルサイト
      新患が安定するまでは「ポータルサイト」の活用なども検討しましょう。ホームページ制作ほど早急に対応しなくても大丈夫ですので、開業日までにしっかりアップされるよう準備していきましょう。
    • 専門サイト(サテライトサイト)
      開業後でもいいのですが「専門サイト(サテライトサイト)」の構築も効果があります。
      専門サイトは、歯科・皮膚・整形など専門的な治療で集患したい場合、それだけのサイトを構築していきます。その際、検索順位・広告両方が大事になってきます。まだブログだけでも反響ある動物病院もありますが、今後専門サイトを構築する動物病院が増えると、ブログだけの反響は落ちると思われます。
    良いホームページ制作会社の
    見分け方とは?

    では、どのようなホームページ制作会社がいいのか
    疑問に思う方もおられるかと思います。
    あくまでも見分け方の一例を記載しておきます。

    • 担当者の対応スピードや返事が早いかどうか
    • 追加料金が高すぎないか
    • レスポンシブ対応か
    • デザイン性がキレイか(今までの実績を確認)
    • SEO上位表示できるか(今までの実績を確認)
    • 管理料がいくらなのか
      (1万円以上なら平均より高い保守管理料です。保守内容をしっかり確認しましょう。)
    • 動物病院の制作実績はあるか など

    ホームページ制作会社は担当者・予算でも変わってきてしまうので、
    一概にどこが良いとは言い切れませんが、
    開業する病院にあった制作会社を見つけるのが重要です。
    また、ホームページの制作段階で、
    動物病院側と制作会社側の双方で揉めることが多くあります。
    そのため、制作する前に複数回の打ち合わせと慎重な選定が重要です。

    SNS
    SNSでの発信は開業少し前・開業後になりますが、
    先に情報の整理と体制だけ整えておくのがいいかと思います。
    診察アプリなどまだ普及しきれていない点を踏まえると、
    まずは普段顧客が使用している・普及しているSNSを使うのが望ましいです。
    SNSで配信する内容
    • 保護犬・保護猫情報
    • 献血のお願い
    • 機材・機器の紹介
    • 病気の情報
    • お得情報
    • 予約の空き枠情報
    • 特別休診日などのお知らせ
    • 獣医師勤務表
    • 予防の啓蒙 など
    *
    無理のない配信を心がけましょう
    保護犬や保護猫は、動画で配信すると引き取りが見つかりやすい傾向にあります。またスタッフの何気ない配信なども飼い主様のファン化にも繋がりますが、それに偏らないよう注意が必要です。
    まずはうまく配信されている動物病院様を見つけ、それを参考にすると良いでしょう。かと言って動物病院経営においてSNSは大きな売上の影響を与える訳ではないので、費やす時間をしっかり考えましょう。
    また、通知されるものであれば高頻度での更新は避けましょう。あまりにも通知が多い場合はブロック・解除されてしまう可能性が高まるので、1週間に1度ぐらいのペースで十分かと思います。
    実際の本格的な配信は開業直前・開業後にはなりますが、スタッフさんが出来るように、まずは開業前にアカウント登録作業のみ実施しておきましょう。
    また、開業前からフォロー数などが多い場合は開業後の集患に役立ちます。
  • 10

    広告(集患)

    広告について触れていきます。所謂、投資の部分です。
    広告にも様々種類がありますが、ここでは看板とWEB広告について触れていきます。

    看板
    *
    看板は敷地内のみで十分な効果があります

    看板は店舗及び駐車場など、自身の敷地内での販促で留めるだけで十分です。駅や道路などの看板広告の掲載について業者から案内がくる場合がありますが、月々の看板広告費や構える立地によって実施すべきか否かが変わります。開業する立地が少し複雑な場所にある場合は多少の効果はありますが、もしある程度費用がかかる場合は、他の投資に回してもいいかと思います。安く抑えるなら、敷地内にタペストリーなどを設置し価格を抑えて商品を見せる方向でも問題ありません。
    「ではほとんど広告費を使わなくていいのか?」という疑問も同時にわくと思いますが、それは違います。投資することは重要です。どこに投資するかが重要で、多くの動物病院が間違った選択をしています。
    動物病院業界の場合は、ほとんどが後述するWEB販促だけでも十分かと思います。つまり、看板に1万円〜5万円が発生するのなら、WEB広告にその分の金額を投資した方がいいということです。

    • *開業においては、まずは認知が大事なので、チラシを出していくことも重要です。
      可能であれば、内覧会後も1回はチラシ販促することが望ましいです。
    WEB広告
    *
    WEB広告で集患を成功させましょう
    開業してすぐは予約を如何に埋めていくか(つまり集患)が重要になってきます。集患を成功させるにはWEB広告を運用しましょう。開業直後から実施していくのが望ましいです。
    他の動物病院がまだWEB広告を行っておらず、WEB広告費が比較的割安に抑えられるため、導入するなら今がベストです。
    その際はただ単に広告をかけただけでは駄目で、キーワード・エリア・予算などを見極めければいけません。
    WEB広告の
    費用対効果のシミュレーション
    例えば、動物病院でエリア×一般集患で予算5万で広告を出したとします。クリック単価50円だとすると、1,000クリックされます。来院が100クリックに1件だとすると、10件は来院されるという流れになります。
    その後の来院などを加味し、年間支出が約10万だと考えると、10件×10万円で100万円プラスになるという考えです。ただあくまでもしっかり継続して予防に通っていただくという観点から考えたものです。そのため、いくら広告をかけても単発で終わってしまったらあまり効果は高くないと言えます。それでも勿論、単価1万円と考えても広告をかけた分はマイナスにはなりません。
    今はまだ単価が安いため1件当たりの来院コストは抑えられます。ただ出稿する動物病院数が増えることによって価格が上昇していく可能性もあります。そのため広告だけに頼らず、しっかりとホームページのSEO順位が上位に表示されるよう対策することが大切です。
    獣医師の方だと専門外になるので、精通した企業・業者などに依頼するかレクチャーしてもらう方がいいかと思います。開業すぐは全て新患ですが、このように広告などを駆使して安定させ、新患数50件~60件/月ほど来院してくれるような体制を構築していくことが重要です。
  • 11

    採用

    採用や雇用関係で悩まれる方も多いかと思います。
    開業してすぐに、いきなり獣医師を採用することは少ないでしょう。
    動物看護師に関しては求人倍率も高くないので、
    獣医師よりも採用しやすい環境ではあるかと思います。
    条件・出稿媒体をしっかり精査すれば問題ないかと思います。

    募集
    • 条件

      条件が他の動物病院よりも悪ければ必然的に応募率も下がります。そして拘束時間も大事です。如何にプライベートの時間も確保出来るかが重要です。動物病院業界は女性が多い職場ですので、女性が働きやすい環境も大事になります。

      • 条件は全国・地域と比較して平均を下回ってないか
      • 社保完備が整備されているか
    • 募集媒体

      求人を出しただけでは反響が弱いです。各媒体への出す写真や文面などでも反響率が変わります。オリジナルで受け付けてくれる媒体であれば、制作したものを送付しましょう。

      • 学校求人(大学・専門学校)
      • 求人ポータルサイト各種

    初めての開業であるならば、面接も初めてという方も多いかと思います。人を見極めるのは難しいと思いますが、自身の病院の志と一致し、条件が合う人を採用していくことが重要です。面接シートなど使用する場合もありますが、初めは面接回数をこなしていきましょう。そのうち人を見極める力もついてきます。

    雇用時に
    用意しておいた方がよい書類
    • 内定通知書
      新卒に関わらず、中途社員にも内定の通知書を用意してあげると丁寧で従業員に安心感を与えられます。
      雇用契約書
      雇用する際の条件などを明記し、入社前に従業員との間で確認をするのが望ましいです。
    • 就業規則
      10人未満の場合は不要です。
      補助金関係で必要になる場合があるため、ある方が望ましいです。
      ルールブック
      病院の業務が円滑になるよう病院内の決まり事・ルールを従業員と共有することで、トラブルに対処できます。
      これを全て自身でやるのは難しいので、社労士さんなどに依頼するのもいいかと思います。
    • シフト・出退勤・残業管理

      採用時、既に勤務体系は決まっていますが、どう運用していくかを考えましょう。様々なメーカーから出退勤管理などの機器も出ていますが、アナログよりもシステム仕様がオススメです。システムはあれこれ使用せず包括的にできる物の使用が望ましいです。シフト制は非効率になりやすいためなるべく避けるのが望ましいでしょう。

    • 給与計算

      給与計算は自分で計算する方・外部にアウトソーシングする方がいます。従業員が多くなれば多くなるほど時間がかかってくるため、アウトソーシングする方が望ましいです。
      昨今は便利なシステムも開発されているので、それらを活用することもお勧めです。

    雇用関係は後々従業員と揉めることが多々あるため、事前にしっかり整備していくことが重要です。それでも悩みが尽きない病院様もありますので、補助金なども含め社労士さんと契約してもいいでしょう。

    • *雇用する際は上記以外にも必要書類がでてきます。実際、雇用となると他にも従業員からご用意頂く書類は出てきます。
      この点は開業アドバイザー・社労士・各市町村の事業所に確認するといいでしょう。
  • 12

    内覧会

    開業の日が近づき、そろそろ内覧会の準備が必要になります。
    中には実施しないという病院様もいますが、
    内覧会を実施した方が認知が上がり、開業後の集患がしやすくなります。
    内覧会業者などに依頼して内覧会を実施するケースもあります。
    ただその場合は数百万円程かかることがありますので、
    自前で実施できるのならその方がいいかと思います。
    動物病院においては自前で実施するケースも多いです。
    そして内覧会実施日はオープン直前の2~3日間を目安に実施するといいです。

    内覧会の実施に関する注意点
    • 内覧会の内容を決める

      「たくさんお金かけたらそれでいい」と言うことではありません。如何に飼い主様が足を運んでくれるかが重要です。その際、何か特典や利点などがないと、なかなか来院してくれないのも事実です。下記は、よくある内覧会の実施項目にあります。

      • 粗品プレゼント
      • フードプレゼント
      • 簡易検査
      • 視診・問診
      • 獣医師体験(子供向き)
      • フォトフレームでの撮影会
      • オリジナルフード用食器づくり
      • オリジナルキーホルダーづくり
      • オリジナルリードづくり
      • フード相談
      • しつけ相談
      • 里親譲渡会
      • 似顔絵 など
    • 内覧会の告知を実施
      何万件配布するというよりも、病院に来ていただける飼い主様が住んでいるエリアに配布しましょう。地方であれば、車で15分圏内に配布するなどでもいいかと思います。ただ金額が膨大になりすぎる場合は、少しエリアなどを調整してもいいかと思います。都心に関しては狭いエリアでも大丈夫かと思います。10~20万円程度は予算として抑えておくといいでしょう。
      この時期はホームページの制作もほぼ完了しているかと思いますので、内覧会の情報も載せておくと良いでしょう。
    来院に繋げる事前オペレーション
    内覧会当日のオペレーションも事前に確認しましょう。案内から最後のアポイントまでを決めておかないと、「何か催しをして、楽しかった」という感想だけで終わってしまう可能性があります。
    最終的な目標は、飼い主様の認知及び次回来院のアポイントです。この流れをしっかり意識して構築することが望ましいです。もちろん認知の側面だけであれば来ていただくだけで大丈夫ですが、業績に反映しようと思うなら次回アポイントは大事になってきます。
  • 13

    院内のオペレーション・
    運営体制

    *
    販促・オペレーションを決定しましょう
    まずは定期的に病院にきてくれる取り扱いメーカー・ディーラー・卸についてお話いたします。開業時は特にメーカー・ディーラーが手厚く対応してくれるケースが多いです。ただ在庫になるモノはしっかり見極め、必要な分だけを購入しましょう。
    この選定は、営業マンによって違ってきてしまうのも事実です。またディーラーによっては数多く販売したい側面もあるので、色々提案してきますが、たくさん在庫を抱えるのだけは避けるべきです。
    値段の安い・高いはそれほど動物病院業界で価格競争が起きていないので、ディーラーによって納価の違いは然程大きくはありません。
    • 販促物・資料

      問診表や説明資料などの販促物も用意しておく必要があります。開業アドバイザーや業者がフォーマットをご用意できることもあるので、ゼロから作成せずに依頼してもいいかと思います。
      例えば、説明資料もただ渡したら大丈夫という訳ではありません。また、伝えると伝わっているとでは話も違ってきます。しっかり飼い主様の意識を高め、定期的に予防に通っていただくことが大事になってきます。下記が主に必要な資料になります。

      • 同意書(麻酔・避妊去勢・手術・入院・預かり)
      • 診察券
      • 問診表
      • 薬の服用方法
      • 予防説明資料
      • 治療計画書
      • ご紹介カード
      • 電話対応表(予約システムを導入しない場合)
      • 来患予約表(予約システムを導入しない場合)
      • 施術録裏・カルテ(電子カルテを導入しない場合)
      • 名刺
      • 病院パンフレット
      • 棚卸表
      • スタッフ紹介 など
    • 病院名
      インターネット検索などを意識した病院名にするのをおすすめいたします。例えば地域や動物病院というキーワードを病院名に入れることです。また複雑な名前は避け、飼い主様に分かりやすく親しみやすいネーミングにするとよいでしょう。
      この病院名と後述する診療時間は非常に重要です。後々変えようとすると時間もお金もかかってしまうので「なんとなく決めました」ということは避け、初めの段階からしっかり考えていきましょう。
    • 診療時間・昼休憩
      診療時間はよく考えて設定しましょう。競合に惑わされる必要はありません。飼い主様と従業員の両方の目線で考え設定する必要があります。昨今の働き改革などの流れから、長時間・夜遅くまでという発想は難しくなってきています。「前の病院がそうだったから」という理由で昼休憩時間・手術時間を長くする方もおられますが、そのような発想は避けた方がいいです。拘束時間が無駄に長くなるだけで従業員の働きやすさが激減します。手術等は普通の診療時間に組み込むか、少し予約にバッファーをもたせることで解決します。勿論24時間実施される・夜間診療をされるということをコンセプトにされている病院の場合は考慮しなくてもいいかと思います。
      どうしても従来(勤務していた動物病院)のやり方のままやってしまう傾向がありますが、本当に正しいかを一度考える必要があります。良いモデルであればそのまま流用すればいいですが、うまくいってない点があるのならば改良していくのが望ましいです。
    • 予約
      まだまだ予約制度を導入していない病院様も多いですが、今後を見据えて予約制を導入していくことが望ましいです。導入しやすい予約制の方法としては、時間帯予約があります。
      例えば「10時~10時半までを最大で2件」「10時半~11時までを最大で2件」というように、30分間隔で最大診療枠を設定することで予約に柔軟性を持たせることができます。
      ただ予約時間を長くし過ぎると1日の診察件数が少なくなるので、最低30分に2件は必要です。早い診療などを織り交ぜて30分3件にできるとかなり効率的だと言えます。その際は必ず動物看護師の力が必要になってきますので、うまく分業していくことが大事です。
      WEB予約も増えている時代ですので、予約システムも導入するといいでしょう。その際、WEBの事前問診などもできれば更に効率的になります。
    • 教育体制

      診療効率化の最たるものは「分業」です。開業当初は暇だからと獣医師が動物看護師の仕事をやってしまいがちですが、それが忙しくなっても習慣化されてしまう可能性も高いです。初めの段階からしっかり分業体制を構築していきましょう。
      下記を参考に、動物看護師などに仕事を割り振っていくと良いでしょう。

      • 説明・カウンセリング(フード、病気、予防、しつけなど)
      • 受付業務(会計、アポイントなど)
      • 診療補助(保定、検査、お手入れ、手術準備)
      • 雑務(清掃、片付け)
      • 管理(在庫、申し送り、入院、ホテルなど)

      今の獣医師・看護師・受付などの業務をすべて書き出し、改めて業務を見直してもよいでしょう。動物看護師は国家資格化することもあり、今までよりも実施できる範囲が広がりました。そのためより分業体制を構築でき、効率診療を実現しやすくなったと言えます。
      また教育のマニュアルに関しては、紙よりも動画などで対応していくのが望ましいです。デジタル化することで修正の手間も大幅に省けます。
      ただ、この辺りのオペレーション部分は開業前に全て決めきれないことも多いです。実際に診療してみて都度体制を変えていくことも大事になってきます。常に見直していくことが飼い主様の満足度向上に繋がります。

    • 近隣の病院・施設との連携
      挨拶回りを実施することも大事です。テナントなら同じ建物に入っているお店、また近隣にあるペットショップなど動物病院関係にあたる施設に対しては挨拶することが望ましいです。範囲を広くし過ぎてもきりがありませんので、商圏内だけに留めることがいいかと思います。
      そして2次診療をしない場合は連携する2次診療施設がどこにあるか事前に抑えていくことが重要です。その際しっかりと連携が取れる体制を構築していくのが望ましいです。また2次診療後に自院にかかりつけに戻して頂けるような形にもする必要があります。つまり周辺の病院との繋がりも大事ということです。
  • 14

    備品

    この段階になると設備もほとんど整っているので、細かい備品などの用意が必要です。
    あまり高額なモノばかり集めると金額が膨れ上がるので、
    家電などは中古などでも対応可能かと思います。
    消耗品に関しては、一気に購入する必要はなく、
    随時ネットや小売店で買い足していけば問題ありません。

    主に必要になる備品
    • 外注
      • ユニフォーム
      • 手術用手袋
      • 注射器
      • ガーゼ
      • 包帯
      • マスク
      • 自動精算機またはレジスター
      • 薬袋
      • 薬各種
      • 聴診器
      • トイレシート
      • ブラシ
      • ピックケース
      • インカム
    • 家電
      • 空気清浄機
      • 掃除機
      • 洗濯機・乾燥機
      • 電子レンジ
      • 冷蔵庫
      • プリンター
      • ラミネーター
      • 時計(卓上)
      • 時計(壁掛)
      • 延長コード(6個口)
      • TV(待合室用)
      • 電話機
      • ドライヤー
      • タイマー
      • PC2台
    • 家具
      • 待合用イス
      • カウンセリングルーム用イス
      • 休憩所用イス・テーブル
      • ロッカー(6人分)
      • 傘立て
      • レジロール
      • 納品書用ファイル(5冊)
      • 用紙カッター(カール事務器)
      • クリアファイル(透明)
      • ファイル置き(2つ)
      • セロハンテープ(5巻)
      • テープカッター
      • 修正テープ(10個セット)
      • 両面テープ3巻
      • 電卓
      • ボールペン(単色5本、4色1本)
      • ラインマーカー(4色)
      • ネームペン
      • 付箋
      • はさみ
      • パンチ
      • クリップ(各種)
      • 朱肉
      • のり
      • ホッチキス、ホッチキスの芯
      • ラミネート機械
      • ラミネートフィルム(A4)
      • ティッシュ
      • トイレットペーパー
      • バケツ
      • ゴミ箱(アスベル3段または45L×3)
      • スポンジ
      • 雑巾
      • トイレ清掃道具一式
      • アルコール
      • 洗濯用洗剤(詰替2個)
      • 柔軟剤(詰替2個)
      • クロックス(履き替え用)
      • 多目的用フェイスタオル(6枚セット)
      • 網2本
      • 餌置き
      • 霧吹き(受付・各診察台・ゲージ・予備4つ)
      • *あくまでも参考ですので、他に必要なモノは適宜買い足してくのがいいかと思います。

    支払い関係も整理しておく必要があります。自動精算機などあると望ましいですが軌道に乗ってからでも十分かと思います。カード・IC決済は導入することが望ましいでしょう。その際は会社によって手数料の%が違いますので、しっかり探していくのが望ましいです。

  • CHECK

    開業直前の最終確認

    内覧会前に診療の一連の流れ・オペレーションの最終確認やデモの実施などを病院内のミーティングで実施していくことが重要です。
    3日〜5日程度あれば問題ないかと思います。この際に院内オペレーションのルールブックを作成すると、新しく入るスタッフに共有できて良いかと思います。受付(予約・問診・待ち時間・電話対応・お通し・お会計)、診療(カルテ記入・検査・診断・治療・手術・保定・説明)、バックヤード(片付け・薬・在庫管理)など一連のオペレーションを完成させる必要があります。
    ここから内覧会を経て、いよいよ開業です。
  • 15

    開設届の提出

    開業日以降に発生すること
    開業日~10日以内に、獣医師法第三条に基づく開設届の提出をしなければいけません。
    法律上、開業日より前に提出することができないため注意しましょう。
    資料は提出量が多い訳ではないので、ご安心ください。
    ディーラーが放射線診療装置における届け出作成を
    手伝ってくれる場合もありますので、ご相談頂くのが良いです。

    開設に必要な届け出

    *都道府県によって提出内容が変わります。

    • 診療施設開設届
    • 平面図
    • 獣医師免許証の写し(勤務する獣医師全員分)
    • 定款(法人の場合)
    • 放射線診療装置における届け出(導入する場合)

      • エックス線装置備付届
      • 高エネルギー放射線診療装置備付届
      • 診療用放射線照射装置備付届
      • 診療用放射線照射器具備付届
      • 放射線同位元素装備診療機器備付届
      • 診療用放射性同位元素・陽電子断層撮影診療用放射性 同位元素備付届

    平面図や獣医師免許の写しなどが必要になるため、設計士さんや採用の状況によって提出は遅くなる可能性もあります。

皆様の開業がうまくいくよう祈っております。
開業に関するご相談は
こちらからご相談ください。