「パッケージに書かれた量をきちんと量っているのに、うちの子が太ってきた気がする」と感じる日、ありますよね。
逆に前より痩せた気がして、食器の前で「今日は何グラムが正解なんだろう」と手が止まることもあります。
ドッグフードの給餌量(メーカー公式表示では「給与量」)とは、1日に必要なカロリーを、そのフードのkcal/100gで割って出すグラム数のことです。
体重から必要なカロリーを出し、フードのカロリー表示で割る。あとは体重別の早見表で、うちの子の行を読むだけです。
- 体重から1日のグラム数を出す計算の手順
- 体重別・活動係数別の早見表と、フードごとの換算
- おやつを足した日やライフステージ別の調整の考え方
ドッグフードの給餌量は3ステップで計算できる

ドッグフードの給餌量は、1日に必要なカロリーを、そのフードの100gあたりのカロリーで割って出すグラム数です。
踏む手順は3つだけ。全体像をつかんでおきましょう。
RERは、じっとしていても使われるカロリーのこと。愛犬の体重から求めます。
係数は去勢避妊の有無や月齢で変わります。ここが量を左右する分かれ目。
1日に必要なカロリーを、フードの100gあたりkcalで割ってグラムに直します。
体重10kgの去勢避妊済みの成犬でたどってみる
体重10kgの子のRERは、70×(10kg)の0.75乗でおよそ400kcal/日。オハイオ州立大学の獣医メディカルセンターが示している計算例と同じ値です。
この400kcalに活動係数をかけたものがDER。あとはDERを、いま使っているフードの100gあたりkcalで割って100をかけるだけ。
つまり同じ10kgの愛犬でも、係数とフードのカロリー次第でグラム数は動きます。体重だけでは決まりません。
「給餌量」と「給与量」は同じ意味
この2つは言い方が違うだけで、指しているものは同じです。1日にあげるフードの量を表します。
メーカーの袋や公式サイトでは「給与量」「給与方法」と書かれることがほとんど。探すときはこの言葉が目印になります。
編集部計算した数字は、あくまで出発点。うちの子の体重や便の様子を見ながら、少しずつ寄せていきましょう。
ステップ1・2|RERとDERを出す(活動係数の選び方)


1日に必要なカロリーは、まず安静時の消費カロリー(RER)を出し、そこに愛犬の状態に合う係数をかけて求めます。
使うのは、体重の数字と電卓が1台。慣れれば数十秒で終わります。
ステップ1|RER(安静時の消費カロリー)を計算する
RERの式は2種類あり、正確に出すなら「70×体重(kg)の0.75乗」を使います。
電卓では、体重を入れて √ を2回押し、その答えをもう一度3回かけ算すると0.75乗になります。最後に70をかければ完成。
0.75乗がむずかしければ、簡易式「30×体重(kg)+70」でも構いません。体重2〜45kgくらいの子なら、実用上ほぼ同じ答えになります。
ステップ2|活動係数をかけてDERにする
係数は運動量の多さではなく、去勢避妊の有無と月齢で選ぶのが基本です。迷いやすいのはここだけ。
| うちの子の状態 | かける数 |
|---|---|
| 去勢・避妊をしていない健康な成犬 | 1.8 |
| 去勢・避妊済みの成犬 | 1.6 |
| 太りやすい成犬 | 1.4 |
| 生後4か月未満の子犬 | 3.0 |
| 生後4か月以上の子犬 | 2.0 |
この数字はMerck Veterinary Manualが示す維持エネルギー要求量の目安にもとづいています。
RERに掛けるのは、表のかける数を1つだけ。1.6と1.4を重ねがけする必要はありません。
体重は「現在」か「理想」か
ぽっちゃり気味の子は、現在の体重ではなく目標にしたい体重で計算します。今の体重で出すと、太った体を保つ量になってしまうためです。
標準体型の子は、現在の体重でそのまま計算して問題ありません。目標体重が分からないときは、健診のついでにかかりつけの獣医師へ聞いておきましょう。
計算値は「出発点」— 個体差は±30%ある
出た数字はゴールではなくスタート地点。同じ体重でも、実際に必要な量は計算値より3割ほど多い子も少ない子もいます。
そのため、計算値を固定したまま与え続けないのがおすすめ。体重の増減や体つきを見ながら、少しずつ動かしていく前提の数字です。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン 〜犬・猫の健康を守るために〜」でも、痩せすぎ・太りすぎにしない与え方に章が割かれています。



係数選びで迷ったら、まずは去勢避妊済みの1.6から。ここを起点にすると、あとの微調整がしやすくなります。
体重1kg刻みの給餌量早見表(1〜40kg×活動係数別)


うちの子の体重の行を見れば、1日にあげる量がそのまま読み取れます。体重1kgから40kgまで、活動係数1.4/1.6/1.8の3パターンを並べました。
数値は「1日のカロリー(kcal)」と、そのカロリーに相当する「グラム数」の順です。
- RER(安静時エネルギー要求量=寝ているだけで使う分)は 70×体重kgの0.75乗で算出
- 活動係数は1.4(太りやすい子)、1.6(去勢・避妊済みの成犬)、1.8(未去勢・未避妊の成犬)
- グラム数は350kcal/100gのフードで換算(小数点以下は四捨五入)
| 体重 | RER | 係数1.4 | 係数1.6 | 係数1.8 |
|---|---|---|---|---|
| 1kg | 70kcal | 98kcal/28g | 112kcal/32g | 126kcal/36g |
| 2kg | 118kcal | 165kcal/47g | 188kcal/54g | 212kcal/61g |
| 3kg | 160kcal | 223kcal/64g | 255kcal/73g | 287kcal/82g |
| 4kg | 198kcal | 277kcal/79g | 317kcal/91g | 356kcal/102g |
| 5kg | 234kcal | 328kcal/94g | 375kcal/107g | 421kcal/120g |
| 6kg | 268kcal | 376kcal/107g | 429kcal/123g | 483kcal/138g |
| 7kg | 301kcal | 422kcal/121g | 482kcal/138g | 542kcal/155g |
| 8kg | 333kcal | 466kcal/133g | 533kcal/152g | 599kcal/171g |
| 9kg | 364kcal | 509kcal/145g | 582kcal/166g | 655kcal/187g |
| 10kg | 394kcal | 551kcal/157g | 630kcal/180g | 708kcal/202g |
| 11kg | 423kcal | 592kcal/169g | 677kcal/193g | 761kcal/217g |
| 12kg | 451kcal | 632kcal/181g | 722kcal/206g | 812kcal/232g |
| 13kg | 479kcal | 671kcal/192g | 767kcal/219g | 863kcal/247g |
| 14kg | 507kcal | 709kcal/203g | 811kcal/232g | 912kcal/261g |
| 15kg | 534kcal | 747kcal/213g | 854kcal/244g | 960kcal/274g |
| 16kg | 560kcal | 784kcal/224g | 896kcal/256g | 1008kcal/288g |
| 18kg | 612kcal | 857kcal/245g | 979kcal/280g | 1101kcal/315g |
| 20kg | 662kcal | 927kcal/265g | 1059kcal/303g | 1192kcal/341g |
| 22kg | 711kcal | 996kcal/285g | 1138kcal/325g | 1280kcal/366g |
| 25kg | 783kcal | 1096kcal/313g | 1252kcal/358g | 1409kcal/403g |
| 28kg | 852kcal | 1193kcal/341g | 1363kcal/389g | 1534kcal/438g |
| 30kg | 897kcal | 1256kcal/359g | 1436kcal/410g | 1615kcal/461g |
| 32kg | 942kcal | 1319kcal/377g | 1507kcal/431g | 1695kcal/484g |
| 35kg | 1007kcal | 1410kcal/403g | 1612kcal/460g | 1813kcal/518g |
| 40kg | 1113kcal | 1559kcal/445g | 1781kcal/509g | 2004kcal/573g |
小型犬・中型犬・大型犬で見る行の目安
体格ごとに、表のどのあたりを見ればよいかが変わります。同じ体格でも、去勢・避妊の有無で1割以上量が動きます。
- 小型犬(〜10kg): 1〜10kgの行。1kg刻みなので体重をそのまま探せます
- 中型犬(10〜25kg): 10〜25kgの行。11〜16kgは1kg刻みで読めます
- 大型犬(25kg〜): 25〜40kgの行。1日500g前後になる子もいます
去勢・避妊を済ませた成犬なら係数1.6の列、していない成犬なら1.8の列を見てください。
体重が増えやすい子や運動量が少ない子は、1.4の列から始めます。



読むのは「今の体重」ではなく、獣医師さんと決めた理想体重の行。増えすぎ・減りすぎを防ぎやすくなります。
お使いのフードが350kcal/100gでないとき
表のグラム数は350kcal/100gを前提にした値です。カロリーの列(kcal)はどのフードでも共通して使えます。
手元の袋に書かれた数値が違うなら、グラム数だけ読み替えてください。
とくに高カロリーなフードでグラム数をそのまま使うと、あげすぎにつながります。表を見る前に、袋の表示を確認しておきましょう。
読み替えのやり方は、kcal/100g換算表をご覧ください。
同じ体重でもフードが違えばグラム数は変わる(kcal/100g換算表)


1日に必要なカロリー(DER)が同じでも、フードのカロリー密度が違えば量るグラム数は変わります。
カロリー密度とは、フード100gあたりに何kcal入っているかという値。同じ1日400kcalでも、密度が低いフードほど多く量ることになります。
| 1日のDER | 300kcal/100g | 350kcal/100g | 400kcal/100g |
|---|---|---|---|
| 250kcal | 約83g | 約71g | 約63g |
| 400kcal | 約133g | 約114g | 約100g |
| 600kcal | 約200g | 約171g | 約150g |
1日400kcalの子なら、300kcal/100gと400kcal/100gで1日あたり33gの差が出ます。密度が高い方が悪いわけではなく、量るグラム数が減るだけです。
主なフードの公式kcal/100gと100gあたりの価格
実際に売られているフードの密度は、おおむね340〜400kcal/100gの範囲に収まります。数値はいずれもメーカー公式表示(2026年8月時点)です。
| フード | kcal/100g | 100gあたり価格 |
|---|---|---|
| このこのごはん | 343 | 約385円(定期 約328円) |
| うまか | 350 | 約365円 |
| ミシュワン小型犬用 | 352 | 約398円(定期 約336円) |
| モグワン | 354.5 | 約352円 |
| カナガン チキン | 376 | 約317円 |
| ロイヤルカナン ミニ アダルト | 393 | 非公表 |
密度と価格は別ものです。たとえば343kcal/100gのフードと393kcal/100gのフードでは、同じカロリーを満たすのに必要なグラム数がおよそ15%違います。
袋あたりの値段だけで比べると、この差が見えません。1日に必要なグラム数を出してから100gあたりの価格を掛けると、実際の月々の負担に近づきます。
原材料や成分まで含めた中身は、モグワンの原材料と成分を検証した記事、このこのごはんの原材料と口コミをまとめた記事でそれぞれ確認できます。
フードを切り替えたら必ず計算し直す
新しいフードに変えた日が、グラム数を計算し直すタイミングです。前のフードと同じグラム数のまま与えると、カロリーがずれます。
343kcal/100gから393kcal/100gへ、量を変えずに切り替えたとしましょう。100gあたり50kcal多くなり、気づかないうちに与えすぎになる恐れがあります。
- 新しいフードのパッケージでkcal/100gを確認する
- DER ÷ kcal/100g × 100 で1日のグラム数を出し直す
- 計量カップではなくキッチンスケールで量る
切り替えの日は、前のグラム数のまま量ってしまいがち。スケールの横に新しい数字をメモしておくと防げます。
パッケージの給与量と計算値がずれるのはなぜ?


ずれて当たり前です。パッケージの数字は幅のある体重帯と標準的な活動量を前提にした目安で、計算値はうちの子1頭を前提にした数字だからです。
どちらかが間違っているわけではありません。想定している「対象」が違うだけ、と考えてください。
パッケージの給与量は規約で決められた表示項目
袋の裏にある「1日にどれくらいあげるか」の案内は、ペットフード公正取引協議会の公正競争規約で定められた必要表示事項のひとつです。
名称・原材料名・賞味期限・内容量・原産国・事業者名などと並んで、表示が求められている項目にあたります(ペットフード公正取引協議会)。
そのためメーカーは、体重3〜5kgのようにまとまった帯を1つの行にまとめています。どの子が食べても足りなくならないよう、安全側に寄せた表というわけです。
個体ごとの計算値と一致しないのは、この設計思想の違いによるもの。



「表示より少なめでいいのかな」と迷ったら、まずは1〜2週間、表示どおりの量で様子を見てみてください。
計算値のほうにも幅がある
計算で出した数字も、ぴたりと決まる正解ではありません。同じ体重でも必要エネルギーには±30%ほどの幅があるとされ、はじめから個体差での調整が前提になっています。
散歩の量、去勢・避妊の有無、寒がりかどうか。同じ5kgの子でも、条件が違えば必要量は変わります。
原材料の制度も「事業者の責任」で成り立っている
ペットフード安全法には、使える添加物をあらかじめ並べたリスト(ポジティブリスト)がありません。飼料添加物や食品添加物、AAFCO・FEDIAF が示す添加物などが参考にされます。実際に使うかどうかは、事業者の責任にゆだねられる枠組みです(農林水産省)。
袋に載る1日の量の表示も同じで、国が一頭ずつの適量を決めてくれる仕組みではありません。表示を丸写ししたまま体重を見ないと、増減に気づくのが遅れます。
表示の読み方は、環境省のパンフレット『知って納得!ペットフードの表示』でも案内されています(環境省)。
ずれたときの使い分け
おすすめは、パッケージ表示を出発点にして、計算値を見比べの相棒にするやり方です。
- まずはパッケージ表示の量ではじめる
- 計算値と大きく開くなら、その中間から試す
- 週に一度、同じ時間に体重をはかって記録する
- 増えていれば減らし、減っていれば足す
正解の数字を先に決めようとせず、うちの子の体重が教えてくれる答えに寄せていきましょう。
おやつ・トッピングを足した日はドライを何g減らす?


足した分のカロリーを、そのままドライから引きます。目安は おやつは1日のカロリーの10%まで、残りの90%を総合栄養食 (これと水だけで毎日の栄養がとれるフード) から。
10%は思ったより少なく、小さなおやつ1〜2個分にしかならないこともあります。
減らすグラム数を出す3ステップ
計算は おやつのkcal ÷ フードのkcal/100g × 100 だけで済みます。
パッケージの「100gあたり◯kcal」または「1本あたり◯kcal」の表示を見ます。
1日にあげた個数をかければ、その日のおやつの合計kcalが出ます。
主要なドライフードは100gあたり343〜393kcalに収まります (このこのごはん343、モグワン354.5、カナガン376など・2026年8月時点の各メーカー公式表示)。
数字は商品ごとに違うので、いま使っている袋の表示を必ず読みます。
おやつ40kcal、ドライ350kcal/100gなら、40 ÷ 350 × 100 ≒ 11g。この日はドライを約11g減らします。
朝夕2回に分けているなら、5gずつ引くと計りやすくなります。
ウェット・手作りを合わせる日の考え方
ウェットや手作りごはんも、同じ計算式でドライから引き算します。単位をkcalに揃えるのがコツ。
- ウェットは水分が多く、1缶あたりのkcalが缶に書いてある
- 総合栄養食のウェットなら、10%枠ではなく主食の置き換えとして引く
- ゆで野菜やささみなどの手作りトッピングは、おやつと同じ10%枠で数える
おやつや一般食は総合栄養食ではないため、比率が上がるほど栄養バランスは崩れやすくなります。
だからこそ、90%はドライに残す形で調整します。
なお、持病があったり療法食を食べている場合は、おやつを足す前にかかりつけの獣医師へ相談してください。



引き算が面倒な日は、おやつを半分に折ってしまうのも手。うちの子の楽しみは残したまま、合計だけ合わせていきましょう。
ライフステージ別の考え方(子犬・成犬・シニア犬)


同じ体重でも、子犬・成犬・シニア犬では1日に必要なカロリーが変わります。RERにかける係数と、1日の食事回数の2つを年齢に合わせて調整するのが基本の考え方です。
子犬は成長にあわせて計算し直す
子犬の必要量は、生後4か月未満で3×RER、生後4か月以上で2×RERが目安です。体が大きくなるほどRER自体も上がります。
今の体重で一度計算して終わり、とはいきません。体重が変わったタイミングで計算し直すと、量のズレが小さく済みます。
食事回数は、1日分の量を3〜4回に分けている家庭が多いようです。一度にたくさん食べられない時期なので、回数で補いましょう。
ドライフードを食べにくそうにしていれば、ふやかして与える方法もあります。お湯の温度と時間、やめどきの目安をまとめた記事もあわせてどうぞ。
成犬は去勢・避妊の有無で係数を選ぶ
成犬は、去勢や避妊をしている子が1.6×RER、していない子が1.8×RERという目安で分かれます。手術のあとは必要量が下がると考えてください。
食事回数は1日2回が一般的。朝晩で1日分を半分ずつに分けると、量の管理もしやすくなります。



1日分をまとめて計量してから2つに分けると、「今日は多かったかも」という迷いが減ります。
シニア犬は体重の動きを見ながら加減する
年齢とともに活動量が落ち、太りやすくなる子には1.4×RERも検討できます。ただし数字を先に決めず、実際の体重と体つきで確かめるのが順番。
気をつけたいのは、むしろ減りすぎのほうです。意図せず体重が落ち続けているときは、量の問題ではなく体調が背景にあることもあります。
体重の増減が続くようなら、自己判断で量を大きく動かす前にかかりつけの獣医師へ相談してください。環境省の飼い主向けガイドラインでも、痩せすぎ・太りすぎを防ぐ視点が示されています。
硬いフードを残しがちなシニア犬なら、ふやかして食べやすさを整えるのも一つの手です。
与えたあとの検証|体重とBCSで量を微調整する


計算で出した量は出発点です。体重とBCSを定期的に測り、その子の反応に合わせて少しずつ動かすのが本番になります。
同じ体重でも、実際に必要な量は一頭ずつ違うもの。ズレて当たり前、と思って構いません。
体重を測る間隔と、家庭での測り方
私たちが目安にしているのは、成犬なら月1回、量を調整している最中や子犬は2週間に1回というペースです。曜日を決めておくと忘れません。
まず自分だけで体重計に乗り、次に愛犬を抱いて乗ります。その差が愛犬の体重です。
ごはんの前、朝の散歩のあとなど、毎回同じタイミングにします。前後の食事や排泄で数百g動くためです。
日付・体重・そのときの1日量を1行で残します。あとで「どの量で何kgだったか」がすぐ追えます。
BCSの見方と目標レンジ
BCS (ボディコンディションスコア/体型を9段階で評価する指標) は、9段階のうち4〜5が多くの犬の目標とされています。世界小動物獣医師会(WSAVA)のボディコンディションスコア・ガイドラインにもとづく区分です。
体重計の数字より、手で触った感触のほうが正直です。週に一度、なでるついでに確かめてみてください。
- 肋骨を手のひらでなでて、薄い脂肪ごしに骨の凹凸がわかる
- 真上から見て、腰のうしろがゆるやかにくびれている
- 横から見て、おなかのラインが後ろに向かって上がっている
3つとも当てはまれば、おおむね目標の範囲。犬用のチャートは動物病院でも見せてもらえます。
増減したときに何gずつ動かすか
動かす幅は小さく、です。私たちは1回の変更をいまの1日量の5〜10%ほどにとどめています。次の判断までは、2〜4週間ほど間隔をあけて。
たとえば1日200gなら、増減は10〜20gの範囲。半分に減らすような大きな変更は体調や食欲を崩す原因になります。
体重が増え続けているなら減らす方向、減り続けているなら増やす方向へ。BCSが目標どおりなら、体重が多少動いても量は据え置きで大丈夫です。



一度に大きく動かすと、次の測定で何が効いたのか分からなくなります。焦らず1段階ずつ進めましょう。
多すぎ・少なすぎのサイン
過不足は毎日の様子に出ます。体型・肋骨の触れ方・便の状態・食べ残しの4つを見れば、だいたい読み取れます。
| 見るところ | 量が多いとき/少ないとき |
|---|---|
| 肋骨の触れ方 | 厚みがあって骨を探さないと分からない/指にごつごつ当たる |
| 腰のくびれ | 真上から見て寸胴になる/くびれが深く腰骨が目立つ |
| 便の状態 | 量が増えてゆるくなりがち/量が減って硬く小さくなる |
| 食器の残り | 毎回残す・食いつきが鈍い/食べ終えても食器をなめ続ける |
おなかがすいて催促する日が続くのと、体が痩せてくるのは別ものです。判断は触った感触を優先します。
調整でおさまらないときの相談先
量を動かしても戻らないときは、かかりつけの獣医師に体重の記録を持って相談してください。日付と量のメモが、そのまま材料になります。
とくに食べているのに体重が落ちる、急にやせる、下痢や嘔吐が続く場合は、量の問題ではないことがあります。
そもそも食べてくれない日が続くならドッグフードを食べない原因と対処法を、食後に未消化のまま吐くなら未消化で吐くときの受診の目安をあわせてご覧ください。
自動計算ツールを使うときに確かめたい3つのこと


メーカー公式の自動計算ツールは、前提を3つ確かめてから使うと数字が信用できます。
ユニ・チャームの「ペットフード給与量計算」、ヒルズの「フード給与量ガイド」、ペットラインの「給与量計算」などが公式サイトで公開されています。
- フードのカロリー: 今あげているフードの100gあたりのkcalを自分で入れられるか
- 体重の種類: 入力するのは今の体重か、目指したい理想体重か
- 計算の前提: 活動量の区分や係数の考え方がページ上に書かれているか
フードが変われば同じ計算でもグラム数は変わる
多くのツールは自社フードのkcal/100gを前提に組まれています。
フードごとの100gあたりのカロリーは343〜393kcalと幅があります。必要なカロリーが同じでも、別のフードに当てはめるとグラム数がずれます。
他社のフードをあげているなら、出た数字をそのまま使わず、袋に書かれたkcalで割り直してください。
入力する体重で結果は変わる
同じツールでも、今の体重を入れるか理想体重を入れるかで答えは別物になります。
ぽっちゃりが気になる子で今の体重を入れると、太った状態を維持する量が出てきます。どちらを入れる設計なのか、入力欄の説明を先に読んでおきましょう。
ツールの数字はスタート地点として扱う
計算結果は2週間ほど続けて体重と体つきで答え合わせをする出発点です。
同じ体重でも、よく動く子とのんびり過ごす子では消費するエネルギーが違います。手計算とツール、どちらも最後はうちの子の実測で微調整するのが近道。



ツールの数字は控えておいて、体重計の記録と並べて見るのがおすすめ。差が縮まっていく過程が見えます。
よくある質問
給餌量でつまずきやすいのは、計算・食事回数・体重の測り方の3つに集まります。
ドッグフードの給餌量はどうやって計算するんですか?
体重から安静時のエネルギー量 (RER) を出し、活動係数をかけて1日に必要なカロリー (DER) にします。
あとはDERをフードのkcal/100gで割れば、1日のグラム数に。式と具体例は記事本文にまとめています。
子犬の給餌量はどうやって計算するんですか?
生後4か月未満なら RER の3倍、4か月以上なら RER の2倍を目安にします。
成長のスピードが速い時期なので、2週間おきに体重を測って計算し直してください。
給餌量と給与量は何が違うのですか?
指している中身は同じで、表記のゆれです。ただしメーカーの公式表示では、公正競争規約に沿って「給与量」「給与方法」という言葉が使われます。
パッケージを見るときは「給与量」の欄を探すと早いでしょう。
モグワンやカナガンなど商品ごとの給餌量はどう出しますか?
その商品の公式表示のカロリーで DER を割ります。モグワンは354.5kcal/100g、カナガン チキンは376kcal/100g (いずれもメーカー公式表示)。
カロリーの公表がない商品もあります。その場合は「公式に記載なし」として、パッケージの給与量表を目安にしてください。
1日の食事は何回に分けるといいですか?
成犬は1日2回が一般的です。1日の合計グラム数を出してから、朝晩に半分ずつ分けます。
子犬は一度にたくさん食べられないため、回数を多めにして1回分を小さくするとよいでしょう。
体重はどのくらいの間隔で測ればいいですか?
私たちは成犬なら月に1回を目安にしています。量を調整している最中や子犬なら、2週間に1回くらいのペースで。
小型犬は体重計に乗ってくれないこともありますね。抱っこして乗り、自分の体重を引く方法が手軽です。
ふやかすと給餌量は変わりますか?
お湯を足しても、フードそのもののカロリーは増えも減りもしません。
量るのはふやかす前のドライの重さで。ふやかしたあとに量ると水の重さが混ざり、実際より多く与えてしまいます。
まとめ|計算は出発点、体重で答え合わせすれば迷わない
ドッグフードの給餌量は、必要なカロリーを出して、フードのkcal/100gでグラムに直すだけで求まります。
ただし出た数字はゴールではありません。うちの子に合う量を教えてくれるのは、実際の体重の動きです。
だからこそ、答え合わせは体重で。月に1回はかって、ボディコンディションスコアで見た目と手ざわりも確かめましょう。
- 計算した1日の量を、まず2〜4週間続けてみる
- 月1回の体重測定とBCSで、増減の向きを確認する
- おやつを足した日は、その分をごはんから引く
- フードを変えたら、新しいkcal/100gで計算し直す
とくに見落としやすいのがフードの切り替えです。同じグラム数でもカロリーは変わるので、袋の表示を見て割り算をやり直しましょう。



フードを替えた月だけは、体重計に乗せる回数を少し増やしてみてください。数字が大きく動く前に気づけます。
体重の減り方が急なとき、食欲が戻らないときは、量の調整より先にかかりつけの獣医師へ相談してください。
計算に使うkcal/100gは商品ごとに違います。小型犬用のフードを探しているなら、ミシュワン小型犬用も候補のひとつ。352kcal/100gで、100gあたり約398円(定期 約336円)です。











