「低脂肪ドッグフードって、脂質が何%のフードなの?」
愛犬の体重が少しずつ増えてきた。シニアになって食べる量が変わった。病院で脂肪を控えるように言われた。きっかけは違っても、愛犬のためのフード選びは悩みが尽きません。
じつは日本には「粗脂肪 (フードに含まれる脂質の量) が何%以下なら低脂肪」という定義がありません。
明確な数字を提示しているのは米国のAAFCO (米国飼料検査官協会) で、ドライフードなら粗脂肪9%以下が目安とされています。
パッケージの「低脂肪」の文字だけでなく、粗脂肪の%や100gあたりのkcalを見比べて、愛犬の最適なフードを選んであげましょう。
- 日本では「低脂肪」の決まりが無く、AAFCOはドライで粗脂肪9%以下としていること
- 低脂肪と低カロリーが別物である理由と、ドライとウェットを同じ%で比べられない理由
- 脂質を減らしすぎたときに起きることと、選ぶときに確かめる7つのポイント
低脂肪ドッグフードとは?日本には『何%以下』という決まりがない

低脂肪ドッグフードとは、AAFCO (米国飼料検査官協会) のモデル規則の目安では、ドライで粗脂肪9%以下のフードです。
粗脂肪とは、フードに含まれる脂質の量のこと。「粗」は分析のやり方に由来する呼び名です。
いっぽう日本では数値ではなく書き方に制限があります。根拠になるのは、ペットフードの表示に関する公正競争規約です。
- 第8条第1号: 「低」「減」のように成分の多い少ないを示す言葉は、施行規則の定めに従って使う
- 第10条第2号: この使い方に合っていない表示は、不当表示として禁じられる
つまりパッケージの「低脂肪」という言葉は、成分の数字とセットで見てはじめて意味を持ちます。
日本のルール:『低』は同じ種類の商品と比べて示す相対表示
日本のルールでは、「低」は同じ種類の商品と比べて示す相対表示という位置づけ。施行規則の第7条第1号が、次のどちらかを満たす場合に表示を認めています。
- 同じ種類の商品と比べてどれくらい差があるのかを、数値で具体的に書く
- 客観的な数値で根拠を説明でき、その根拠もあわせて書く
どちらも「何と比べて低いのか」がセットになって、はじめて意味を持つ書き方です。
比較の対象が書かれていれば、読む側も低さを確かめられます。
この規約を運用しているのが、ペットフード公正取引協議会という業界の団体です。総合栄養食 (これと水だけで毎日の栄養がとれるフード) や一般食といった表示の決まりも、この規約が根拠になっています。
AAFCOのルール:ドライなら粗脂肪9%以下・ウェットは4%以下
AAFCOのモデル規則 (2024年版) は、水分の区分ごとに脂肪の上限を数値で定めています。犬用フードに低脂肪と表示する場合の線は3つ。
- 水分20%未満 (ドライ): 脂肪9%以下
- 水分20%以上65%未満 (セミモイスト): 脂肪7%以下
- 水分65%以上 (ウェット): 脂肪4%以下
低脂肪と表示するときは、保証成分値 (パッケージに表示された成分の保証量) に脂肪の最大値も書かせています。上限が数字で見える点が、日本との違いです。
ひとつ気をつけたいのは、AAFCOが基準やモデル規則を示す団体だということ。認証や審査をする機関ではないので、「AAFCOの基準では」という言い方が正確でしょう。
うちの子のフードを見るときの、現実的な判断基準
手元のフードがどのあたりにいるのかは、公式表示の脂質を並べると見えてきます (2026年8月時点)。
このこのごはん8.0%以上、ミシュワン小型犬用とうまかが9.5%以上、モグワン10%以上、ロイヤルカナン ミニ アダルトが14.0%以上、カナガン チキンは15%以上。
8%台から15%まで散らばるなかで、まず候補がどの位置にあるかを確かめるのが現実的な線の引き方です。
ただし日本のパッケージに並ぶのは「◯%以上」という下限の数字。表示より多く入っている場合もあります。
編集部数字を控えるときは、袋の裏の保証成分値をそのまま書き写しておくと、次のフードを検討するときに同じ基準で比べられます。
パッケージの『脂質◯%以上』は上限ではありません — 店頭での読み方


「脂質8.0%以上」と書かれたフードが、ちょうど8.0%とは限りません。「以上」は最低これだけ入っているという下限の約束だからです。
この数字は保証成分値と呼ばれ、書き方はペットフードの表示に関する公正競争規約の施行規則で決まっています。脂質が「粗脂肪」と書かれていても、指しているのは同じ量です。
| パッケージの書き方 | 読み方 |
|---|---|
| たんぱく質◯%以上・脂質(粗脂肪)◯%以上 | 少なくともこの値は入っている (下限の保証) |
| 粗繊維◯%以下・灰分◯%以下・水分◯%以下 | この値を超えない (上限の保証) |
脂質について表示から読み取れるのは、下限までです。8.0%以上と書かれたフードが、実測ではもう少し上ということもありえます。
ちなみに日本語での表示が法律で義務づけられているのは、ペットフード安全法にもとづく5項目 (名称・賞味期限・原材料名・原産国名・事業者名及び住所) だと農林水産省が示しています。
成分の値はこの5項目とは別枠で、業界の公正競争規約にしたがった表示です。だから袋によって、載っている項目の細かさに差が出ます。
『脂肪分約40%カット』は自社の別商品との比較です
カット率は、同じブランドの別商品と比べた数字です。公式表示を並べると、比較の相手がはっきり書かれています。
| 商品 | メーカー公式の表示 |
|---|---|
| ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から | 脂肪分 約40%カット (ビューティープロ ドッグ 成犬用比) |
| コンボ ドッグ 低脂肪 | 低脂肪設計 (脂肪分約30%カット コンボ ドッグ 超小粒 比) |
いずれも括弧の中が比較対象。自社の従来品との差を示した数字です。
比較対象を明記するのは、むしろ丁寧な表示です。AAFCOのモデル規則も、脂肪控えめとうたう場合は比較した商品名と削減率を同じ重量あたりで示すよう求めています。
そこで、40%カットと30%カットを直接くらべるのはやめておきましょう。粗脂肪の実数(%)に戻してから並べると、うちの子に合うかどうかが見えてきます。
商品ページで確かめたい3つの数字
控えるのは脂質・エネルギー・水分の3つだけで足ります。メモアプリでもレシートの裏でもかまいません。
- 脂質 (粗脂肪) の%
- 代謝エネルギー kcal/100g
- 水分の%
数字の出どころは、通販サイトの商品説明よりメーカー公式の表示のほうが新しく、責任の所在もはっきりしています。
公式に見当たらない項目は、推測で埋めずに「公式に記載なし」と書いておきましょう。空欄のままにしておけば、あとで別のフードと見くらべるときの手がかりになります。
低脂肪と低カロリーは別物です


低脂肪のフードと低カロリーのフードは、別々の物差しで決まります。脂質を抑えたフードでも、カロリーは高めのままということが起こります。
AAFCOのモデル規則は、「light」「lite」「low calorie」と表示できる代謝エネルギー (ME=愛犬が実際に使えるエネルギー量) の上限を、水分の区分ごとに決めています。
- 水分20%未満 (ドライ): 3,100kcal/kg 以下。100gに直すと310kcal/100g 以下
- 水分20%以上65%未満 (セミモイスト): 2,500kcal/kg 以下
- 水分65%以上 (ウェット): 900kcal/kg 以下
うちの子の体重が気になって選ぶなら、主役の数字はkcal/100gと、そこから決まる1日にあげる量のほうです。
修正アトウォーター係数で見る、脂肪とカロリーの関係
フードのカロリーは、AAFCOのモデル規則が示す「修正アトウォーター係数」という決まった式で計算されます。
代謝エネルギー (kcal/kg) = 10 ×〔(3.5×粗たんぱく質%) + (8.5×粗脂肪%) + (3.5×可溶無窒素物%)〕。可溶無窒素物とは、でんぷんなどの炭水化物にあたる部分です。
- 脂肪は1gあたり8.5kcal
- たんぱく質は1gあたり3.5kcal
- 炭水化物も1gあたり3.5kcal
数字が大きいのは脂肪だけ。だからこそ、脂肪を減らした分をたんぱく質や炭水化物で埋めれば、合計のカロリーはあまり下がりません。
同じ『脂質5.0%以上』でもカロリーは290と346kcalに分かれます
公式表示がどちらも「脂質5.0%以上」の2品で、100gあたりのカロリーは56kcal違います。
| 項目 | コンボ ドッグ 低脂肪 | ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪 |
|---|---|---|
| 脂質 | 5.0%以上 | 5.0%以上 |
| たんぱく質 | 20.0%以上 | 20.0%以上 |
| 水分 | 20.0%以下 | 10.5%以下 |
| 代謝エネルギー | 290kcal/100g | 346kcal/100g |
差が生まれた理由の一つが水分量です。水分が少ないフードほど、同じ100gに栄養がぎゅっと詰まります。
脂質%だけを見て選ぶと、体重管理という当初の狙いから外れてしまうことも。脂質%は脂質%、カロリーはカロリーとして確かめてから、1日にあげる量を決めましょう。



カロリーの表示は、袋の裏や側面の目立たない位置にあることも。見つからないときは、メーカーの商品ページで代謝エネルギーの欄を探してみてください。
ドライとウェットを同じ%で比べられない理由


ドライの9%とウェットの4%は、どちらも「低脂肪」と名乗れる数字です。AAFCOが定める上限は、ドライ9%以下・セミモイスト7%以下・ウェット4%以下と、水分の区分ごとに分かれています。
缶詰やパウチは、中身の多くが水分。だから同じ表示%でも、水分を抜いた中身の濃さは変わります。
AAFCOのモデル規則でも、水分の区分をまたいだ比較は誤認を招くものとして扱われています。区分が分かれていること自体が、そのまま並べられない理由というわけです。
水分を抜いた「乾物量」に直すと並べられます
乾物量 (水分を除いた重さ) に換算すれば、ドライも缶詰も同じ土俵で比べられます。手順は3つだけ。
日本の表示ルールでは成分表示に「水分◯%以下」が入るため、手元のパッケージで読み取れます。
脂肪の表示% ÷ (100 − 水分%) × 100。AAFCOの栄養基準がこの乾物量あたりで示されているためです。
ここまで揃えて、はじめて「こちらのほうが脂肪が控えめ」と言えます。
半生タイプはドライとも缶詰とも別枠
水分20%前後の半生タイプ (セミモイスト) は、ドライとも缶詰とも別のグループとして見ます。低脂肪の上限も7%以下と、ドライ・ウェットのどちらとも違う数字です。
脂肪を減らしすぎるとどうなる?脂肪の下限と4つの役割


総合栄養食として作られる以上、脂肪には下げられない下限があります。
AAFCOの犬用栄養基準は、乾物量あたりの粗脂肪の最低値を、成長期・繁殖期で8.5%、成犬の維持期で5.5%と示しています。
反対に、線が引かれているのは「ここまでは必要」という下側だけ。AAFCOはこの最低値の根拠として、脂肪の4つのはたらきを挙げています。
- 必須脂肪酸 (体内でつくれず食事からとる脂肪の成分) の供給源になる
- 脂溶性ビタミン (脂に溶けて運ばれるビタミン) の運び手になる
- 嗜好性を高める (食いつきのよさに関わる)
- 十分なカロリー密度を供給する
低脂肪にして期待できること・気をつけたいこと
低脂肪に切り替えると、カロリーを抑えやすくなる一方で、食べ残しが増えることもあります。両方を並べて見比べてみてください。
- 同じ量をあげてもカロリーを抑えやすい
- 脂肪の摂取量を保証成分値の数字で管理しやすい
- 嗜好性が下がり、食べ残しが出ることがある
- カロリー密度が下がる分、1日にあげる量が増えることがある
- 皮膚や被毛の材料になる必須脂肪酸まで一緒に減ることがある
どちらに転ぶかは、フードの設計とうちの子の食べ方しだい。良し悪しを先に決めるより、切り替えたあとの様子で確かめていきます。
見るのは、器に残る量・便のゆるさ・被毛のつやといった毎日のサインです。1週間ほど続けて、変化があればメモしておきましょう。



脂質の数字だけで良い悪いを決めず「うちの子の食べ方に合うか」も重要です。気になる変化が続くときはかかりつけの獣医師に相談してくださいね。
低脂肪フードが向いている子・急がなくていい子


低脂肪フードが合いやすいのは、体重の増え方や運動量の変化が見えてきた成犬です。食後にお腹の調子を崩しやすい子も、脂肪の量を見直す候補に入ります。
- 体をさわると、肋骨のあたりに以前より厚みを感じる
- 散歩の距離が短くなり、寝ている時間が増えてきた
- 食後に便がゆるくなりやすい
- 獣医師から脂肪を控えるように言われている
一方で、体を作っている最中の子犬や、よく動いて体重が増えにくい子は、今のごはんのまま様子を見て大丈夫です。
- 成長期の子犬
- 運動量が多く、よく動く子
- 食が細く、体重が増えにくい子
獣医師から脂肪を控えるように言われている場合は、指示された種類と量に従います。ロイヤルカナンの犬用 消化器サポート 低脂肪も、消化吸収不良による下痢や高脂血症の犬に与えることを目的とする、と公式に記載された食事療法食です。
こうしたフードは、自己判断で切り替えず、かかりつけの獣医師に相談してから決めます。



迷ったときは、1週間だけ食べ残しの量と便のかたさをメモしてみましょう。数字よりも、うちの子の毎日のほうが判断材料になります。
ライフステージ別の考え方 (子犬・成犬・シニア)
ライフステージで扱いが変わるのは、AAFCOが求める脂肪の最低量が、成長期と成犬期で違うためです。
| ライフステージ | 粗脂肪の最低量 (乾物量あたり) |
|---|---|
| 成長期・繁殖期 | 8.5% |
| 成犬の維持期 | 5.5% |
| シニア | 専用の区分は示されていない |
- 子犬のうちは、脂肪を削ることより成長に必要な量を満たすほうが先
- 成犬期は5.5%を下限の手がかりに、手元のフードの数字と見くらべる
- シニアはAAFCOに専用の区分がなく、フードの設計はメーカーごとの判断
低脂肪をうたう製品でも、対象は成犬向けということがあります。ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳からは1歳からの成犬向けで、代謝エネルギーは350kcal/100gと公式に記載。
だからこそ、年齢ではなく体重・体型・食欲・便の様子で決めます。
低脂肪ドッグフードを選ぶときに確かめる7つのポイント


低脂肪のフード選びは、メーカー公式サイトの保証成分値の欄を見れば7つの数字で判断できます。
見るのは袋の「低脂肪」の文字ではなく、数字そのもの。確認する場所は、保証成分値・原材料名・商品ページの価格の3か所です。
1. 粗脂肪%は水分量とセットで見る
粗脂肪の%は、水分%とセットで控えます。水分量が違うフードは、表示された%のままでは並べられないからです。
確認する場所は、公式の商品ページにある保証成分値の欄。脂質と水分を1行ずつメモしておけば、乾物量に直すときもすぐ計算できます。
2. kcal/100g を必ず一緒に控える
体重が気になって選ぶなら、主役の数字はkcal/100g (100gあたりのカロリー) のほうです。
公式ページでは「代謝エネルギー」や「エネルギー」の欄が該当します。kcal/kgで書かれていたら、100で割ると単位が揃います。
3. たんぱく質の保証値を見て『高タンパク低脂肪』か確かめる
脂質を抑えたフードでは、たんぱく質◯%以上の値も一緒に確かめます。脂肪と一緒にたんぱく質まで下がっている場合があるからです。
日本ペットフード公式によると、ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から の保証成分値は たんぱく質25.0%以上・脂質8.0%以上。脂質を抑えつつ、たんぱく質は高めに置いた組み合わせです。
比べる相手として、一般的なドライフードの公式値も控えておきましょう。
- このこのごはん たんぱく質20.9%以上
- モグワン 27%以上
- カナガン チキン 29%以上
- ロイヤルカナン ミニ アダルト 25.0%以上
4. 油脂の原材料が何か書かれているか
原材料名の欄では、油脂が何由来かまで書かれているかを見ます。
原材料名はペットフード安全法で表示が義務づけられた項目のひとつだと農林水産省が示しています。袋にも公式の商品ページにも載っている情報です。
たとえばビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から の原材料は、公式表示で 穀類 (トウモロコシ、コーングルテンミール、小麦ブラン、小麦粉、ライスブラン)、肉類 (チキンミール、チキンレバーパウダー) から始まります。
動物性の脂か、植物性の油か。どちらが良い悪いという話ではなく、書かれているかどうかを確かめます。書かれていない製品は「公式に記載なし」として扱い、推測では埋めません。
5. 粗繊維と灰分の値もあわせて見る
粗繊維と灰分 (ミネラル分の総量) は「◯%以下」の上限保証で、脂質とは向きが逆になります。
この形式は、ペットフードの表示に関する公正競争規約の施行規則で決められたもの。低脂肪をうたう製品どうしでも、粗繊維の値には差が出ます。
| 商品名 | 粗繊維 (公式値) |
|---|---|
| ビューティープロ ドッグ 低脂肪 | 3.0%以下 |
| コンボ ドッグ 低脂肪 | 4.0%以下 |
| ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート 低脂肪 | 2.8%以下 |
同じ「低脂肪」でも設計が違うことが、この数字から見えてきます。フードを替えたあとは、便のかたさや食べ残しの様子を見ながら進めてください。



気になるフードを見つけたら、保証成分値の欄をスマホで撮っておくと、別の商品を見るときにそのまま並べて比べられます。
6. 総合栄養食か、療法食かを最初に切り分ける
最初の分かれ道は、そのフードが総合栄養食か、食事療法食かです。
総合栄養食は、そのフードと水だけで毎日の栄養がとれるものとして表示されたフード。目的別の分類はペットフード公正取引協議会の公正競争規約が定めています。
いっぽう食事療法食は、獣医師の診断・指導のもとで使うフードです。毎日の主食は、総合栄養食のなかから選びます。
目的の表示は、袋の表面や公式商品ページの表示欄に書かれています。コンボ ドッグ 低脂肪であれば、成犬用総合栄養食として公式に表示されています。
7. 価格は『100gあたり約◯円』に直して比べる
価格は袋の値段のままではなく、100gあたり約◯円に直して比べます。内容量が200gから8kgまでばらばらだからです。
計算は1行で済みます。税込価格 ÷ 内容量(g) × 100 = 100gあたりの金額。
日本ペットフードの公式オンラインショップでは、ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から の200gが税込300円、100gあたり約150円です。ただし商品名に「1世帯1回限り」の表記があり、通常価格ではありません。
一般的なドライフードの100gあたりの価格は、ロイヤルカナン ミニ アダルトの約163円からミシュワン小型犬用の約398円まで幅があります (各メーカー公式サイト・公式直営店、2026年8月時点)。
公式の数字で並べた比較表|低脂肪をうたうフードと一般的なフード
低脂肪をうたうフードの脂質は、公式の保証成分値で見ると 5.0〜8.0%以上に収まっています。比べる物差しとして並べた一般的なドライフード6製品は、8.0〜15%以上でした。
保証成分値とは、袋やメーカーのページに書かれている成分の最低量・最高量のこと。順位はつけず、公式値を確認できた製品だけを同じ物差しで並べました。
| 商品名 | 粗脂肪(脂質) | kcal/100g | 水分 | 100gあたり価格 | 区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から | 8.0%以上 | 350 | 10.0%以下 | 約150円 (200g・1世帯1回限り) | 総合栄養食 |
| コンボ ドッグ 低脂肪 | 5.0%以上 | 290 | 20.0%以下 | 公式に記載なし | 総合栄養食 |
| ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート 低脂肪 | 5.0%以上 | 346 | 10.5%以下 | 公式に記載なし | 食事療法食 |
| ミシュワン小型犬用 | 9.5%以上 | 352 | — | 約398円 | 療法食ではない |
| うまか | 9.5%以上 | 350 | — | 約365円 | 療法食ではない |
| このこのごはん | 8.0%以上 | 343 | — | 約385円 | 療法食ではない |
| モグワン | 10%以上 | 354.5 | — | 約352円 | 療法食ではない |
| カナガン チキン | 15%以上 | 376 | — | 約317円 | 療法食ではない |
| ロイヤルカナン ミニ アダルト | 14.0%以上 | 393 | — | 約163円 (参考実売) | 療法食ではない |
- 低脂肪表示の3製品は脂質5.0〜8.0%以上、一般的な6製品は8.0〜15%以上に分かれる
- 脂質8.0%以上のビューティープロも、9.5%以上のうまかも350kcal/100g
- 価格は公式に記載なしの製品が多く、袋の値段だけでは横並びにできない
ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から (総合栄養食)


たんぱく質25.0%以上・脂質8.0%以上が、ビューティープロ ドッグ 低脂肪 1歳から の公式値です。代謝エネルギー (フードから取れるエネルギー量) は 350kcal/100g。
- 残りの保証成分値は粗繊維3.0%以下・灰分 (ミネラルの合計量) 8.5%以下・水分10.0%以下
- 原産国は日本
- 内容量は200g・2.5kg・5.2kgの3サイズ。小さい袋で食べ具合を見てから大袋に移れる
公式が掲げる「脂肪分 約40%カット」の比較相手は、同じブランドのビューティープロ ドッグ 成犬用です。
表に並べた9製品のなかでは、脂質8.0%以上に対してたんぱく質25.0%以上と高いほうの組み合わせ。脂質だけを下げてたんぱく質は据え置くという設計が数字に出ています。
価格は公式オンラインショップの200gが税込300円、100gあたり約150円。ただし商品名に 1世帯1回限り と付いた価格です。2.5kgと5.2kgは同ショップで価格を確認できず、表では公式に記載なしとしました。
コンボ ドッグ 低脂肪 (総合栄養食・水分20.0%以下)


脂質5.0%以上・290kcal/100gと、表のなかでは カロリーがいちばん低い成犬用の総合栄養食 です。
- 保証成分値はたんぱく質20.0%以上・脂質5.0%以上・粗繊維4.0%以下・灰分9.0%以下・水分20.0%以下
- 原産国は日本
- 内容量は720g (180g×4パック) と1.7kg (425g×4パック)。小分けなので開封後の湿気が気になる方に
公式表示は「低脂肪設計 (脂肪分約30%カット コンボ ドッグ 超小粒 比)」。比べている相手は、ここでも同じブランドの製品です。
読むときに気をつけたいのが水分。水分20.0%以下はドライフードとしては多く、その分たんぱく質や脂質の%が薄まって見えます。
水分10%前後のドライと並べるときは、乾物量に直してから比べましょう。290kcal/100gという値も、水分が多いぶん低く出ています。
価格は公式に記載なし。1パックあたりのグラム数がわかるので、購入先の値段が出たら100gあたりに直せます。
ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート 低脂肪 (食事療法食)


ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート 低脂肪 は食事療法食です。公式に 獣医師の診断・指導のもとで使うもの と明記されています。
公式が示す目的は、消化吸収不良による下痢や、血液中の脂質が高い状態の犬に与えること。体重が気になるからという理由で自己判断で選ぶフードではありません。
- 保証分析値はたんぱく質20.0%以上・脂質5.0%以上・粗繊維2.8%以下・灰分6.8%以下・水分10.5%以下
- 内容量は1kg・3kg・8kg
数字で目を引くのはカロリーのほう。脂質5.0%以上と低めでも、代謝エネルギーは346kcal/100gあります。
脂質8.0%以上のビューティープロが350kcal/100gですから、その差はわずか。脂質の低さがそのままカロリーの低さになるわけではない、とよくわかる一例でしょう。
価格は公式に記載なし。療法食は、まずかかりつけの動物病院で相談してから手に取る流れになります。
比べる物差し|一般的なドライフード6製品の脂質水準
8.0%以上から15%以上まで。一般的なドライフード6製品の脂質は、この幅に散らばっています。
- いちばん低いのはこのこのごはんの8.0%以上
- いちばん高いのはカナガン チキンの15%以上。ロイヤルカナン ミニ アダルトも14.0%以上
気づきたいのは、低脂肪表示の上限 (8.0%以上) と、一般的なフードの下限 (8.0%以上) が重なっている点です。
「低脂肪」と書かれていない製品にも、数字だけ見れば同じ水準のものがあるということ。表示の有無ではなく%で見ると、選択肢が広がります。
- カロリーは343〜393kcal/100g。脂質が倍近く違っても、100gあたりの差は50kcalほど
- 100gあたりの価格は約163円から約398円。2倍以上の開きがあり、毎日の食費に直結する
この並べ方こそが、日本のルールの考え方でもあります。施行規則も、同じ種類の商品と比べてどのくらい差があるのかを数字で示すよう求めています。
市販の低脂肪フードと療法食は別物


療法食 (食事療法食) は、特定の病気やその状態にあわせて栄養の量や比率を調整したフードです。ロイヤルカナン公式も「犬用消化器サポート 低脂肪」について、獣医師の診断・指導のもとご使用くださいと明記しています。
一方、店頭やネットで買える総合栄養食は、毎日の主食として設計されたフード。脂質が低めでも、療法食の代わりにはなりません。
肝臓・胆のうが気になるときは、フードを変える前に受診を
肝臓や胆のう、胆泥症、膵炎といった言葉が頭に浮かんだときは、フードを替えるより先にかかりつけの獣医師に相談してください。
診察を受けて状態がはっきりすれば、療法食が必要なのか、いまのごはんを続けてよいのかも判断してもらえます。



受診の前に、便のかたさ・食欲・体重の変化を書きとめておくと話が早く進みます。フードの袋の写真も一緒に見せられると、なお伝わりやすくなります。
パッケージに病名が書かれていない理由
市販のフードに病名や症状が書かれていないのは、表示のルールで書けないからです。ペットフードは薬機法により効能・効果の広告 (表示) ができません。
ペットフード公正取引協議会の薬事表現ガイドラインでも、病名・症状の記載や疾病の原因の記載が禁止例として挙げられています。書いていない製品にも、それぞれの設計の考え方があるわけです。
よくある質問
ドッグフードの低脂肪は何パーセントからですか?
日本には「粗脂肪◯%以下なら低脂肪」という数値のしきい値がありません。ペットフードの表示に関する公正競争規約の施行規則は、同じメーカーの他の商品と比べてどれだけ減らしたかを示す相対的な決まりです。
数字で線を引きたいときは、米国の飼料検査官協会(AAFCO)のモデル規則が目安になります。ドライ9%以下・セミモイスト7%以下・ウェット4%以下が低脂肪をうたえる上限です。
低脂肪のドッグフードを与えるデメリットはありますか?
脂肪には、減らしすぎると困る役割があります。体でつくれない必須脂肪酸のもとになり、油に溶けるビタミン(脂溶性ビタミン)を運び、香りやおいしさ、カロリーの密度も脂肪が担っています。
そのためAAFCOは最低量も定めており、成長期・繁殖期は8.5%DM、成犬維持期は5.5%DM。下限を割るほど脂肪を削ると、皮膚や被毛の調子、食いつきに影響が出ることがあります。
低脂肪に変えたのに愛犬が痩せないのはなぜですか?
脂質の%が下がっても、カロリーはあまり変わっていないケースがよくあります。低脂肪と低カロリーは別の基準で、AAFCOの低カロリーはドライで3,100kcal/kg(100gあたり310kcal)以下です。
まずは1日にあげる量と、おやつを足した合計を見直してみてください。1週間ほど様子を見ても体重が動かないとき、気になる症状があるときは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
ウェットフードや缶詰の低脂肪はどう見ればいいですか?
ウェットとドライは水分量がまるで違うため、パッケージの%をそのまま並べても比較になりません。水分を除いた乾物量ベースに換算して、はじめて同じ土俵に乗ります。
AAFCOの上限も水分の区分ごとに分かれていて、ウェットは4%以下、セミモイストは7%以下。区分が違うフードは、表示された%のままでは比べられない仕組みです。
市販で買える低脂肪ドッグフードはありますか?
市販の総合栄養食として販売されています。ビューティープロ ドッグ 低脂肪は脂質8.0%以上・100gあたり350kcal、コンボ ドッグ 低脂肪は脂質5.0%以上・100gあたり290kcal(水分20.0%以下)です。
表示の「以上」は下限を示す数字なので、実際の値はこれより高いことも。脂質の%と100gあたりのカロリーはセットで確認しましょう。
低脂肪ドッグフードは消化器のトラブルに使えますか?
おなかの不調が続く子には、獣医師の指導のもとで使う食事療法食という選択肢があります。ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪(脂質5.0%以上・100gあたり346kcal)は、公式に「獣医師の診断・指導のもとご使用ください」と明記されています。
市販の低脂肪フードは、持病の治療の代わりにはなりません。下痢や嘔吐がくり返すときは、フードを探す前に動物病院で診てもらってください。
低脂肪で無添加やグレインフリーのフードはどう探せばいいですか?
グレインフリー(穀物不使用)は、低脂肪とはまったく別の軸です。穀物を使っていなくても脂質が高い商品はありますから、まず脂質の%とカロリーで候補を絞り、そのあとで原材料を見る順番が探しやすくなります。
「無添加」という言葉も、公正競争規約と施行規則の使用基準にそって表示されるもの。何が入っていないのかは商品ごとに違うので、酸化防止剤が天然由来か合成かも含めて、各社の公式表示で確かめてください。
シニア犬や子犬に低脂肪フードをあげても大丈夫ですか?
成長段階に合った脂肪量かどうかで判断します。AAFCOの最低量は成長期・繁殖期が8.5%DM、成犬維持期が5.5%DM。育ち盛りの子犬ほど、脂肪を多めに必要とします。
パッケージの対象ライフステージ表示を見て、うちの子の時期に合うものを選んでください。切り替えは1週間ほどかけて少しずつ混ぜ、便や食欲の様子を見ながら進めると負担が少なくなります。
まとめ|低脂肪は数字の意味がわかれば選べます
低脂肪ドッグフードに、日本国内の公的な数値基準はありません。出典をたどれる目安はAAFCOがドライフードに定める粗脂肪9%以下という数字だけです。
袋に書かれた「粗脂肪◯%以上」は、そこを下回らないという下限の約束。「脂肪カット」の表示は、その会社の従来品と比べた言い方です。
低脂肪と低カロリーも別の話。脂質を抑えても、そのぶん炭水化物が増えればkcalはあまり変わりません。
比べるときは、いま与えているフードの脂質%とkcal/100gを書き出すところから始めましょう。控える項目は4つです。
- 粗脂肪の保証値 (「◯%以上」の表記のまま控える)
- 100gあたりのkcal
- 水分% (ウェットとドライを並べるときの換算用)
- 100gあたりの価格
市販の低脂肪フードと、獣医師の指導のもとで使う療法食は分けて考えます。体重の減り方や便のゆるさなど気になる変化があるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。



数字を並べてみると、同じ「低脂肪」でも中身がずいぶん違うことに気づけます。まずは今の1袋から書き出してみませんか。











