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動物病院開業の設計ガイド|費用相場と注意点

  • 動物病院

動物病院の開業において、設計と施工は最も大きな投資であり、その後の診療効率や集患力を左右する極めて重要なプロセスです。新規開業はもちろん、承継開業におけるリニューアルでも「どの物件を選ぶか」「どこに依頼するか」「いくらかかるか」「どのような契約内容になるのか」は最大の悩みどころでしょう。

本記事では、これまで多くの動物病院経営を支援してきた視点から、開業までの流れも踏まえ、後悔しないための設計・施工のポイントを詳しく解説します。

 

1. 設計・施工を依頼する際の基本構造

まず理解しておくべきは、「設計士」と「施工会社」の役割の違いです。効率的な事業運営を行うためにも、各分野の専門家と連携し、適切に導入していくことが大切です。

設計士と施工会社は分けるのが理想

設計・施工を一括で請け負うサービスもありますが、基本的には「設計士」を間に入れることを推奨します。

  • 設計士の役割:獣医師の理想を形にし、効率的な診療動線や高いデザイン性を担保します。また、物件調査の段階から関わることで、その場所に適した設計提案が可能になります。

  • 施工会社の役割:設計図に基づき、実際に建物を造り上げます。工程管理や安全管理など、現場対応の要となります。

設計士を入れることで、第三者の視点から施工品質をチェックできる(工事監理)という大きなメリットがあります。設計料は施工費の一定率で発生しますが、長期的な使い勝手やブランド力を考えれば、十分に投資価値があると言えます。

なお、契約前には業務範囲や対応内容、追加費用の有無などを明確に確認しておくことが重要です。

 

2. 施工にはいくらかかる?

設計・施工費用は、坪数やデザイン、設備導入の内容、新築かテナントかによって大きく変動します。開業医として独立する際は、自己資金だけでなく、日本政策金融公庫などの金融機関からの融資を検討し、余裕を持った資金計画を立てる必要があります。

 

開業形態

費用目安(1次診療)

特徴

テナント開業

1,500万円 〜 2,000万円

初期費用を抑えやすく、1次診療の主流。

建物新築

上記+建築費(2倍以上)

理想の診療スタイルを実現できるが、借入ハードルが高い。

※上記はあくまで一般的な目安であり、設備導入のグレードや内装デザインの内容によって変動します。

コストが膨らむ要注意ポイント

  • スケルトン戻し:前の店舗の解体費用が必要な場合、それだけで数百万円上乗せされることがあります。物件契約前の事前調査が不可欠です。

  • 追加工事:打合せ不足による設計変更は、工期や時間の延長、予算超過につながります。開業までの流れを逆算し、初期段階での詰めが肝心です。

  • 設備の後付け導入:当初想定していなかった医療機器の導入は、配線・配管工事をやり直すケースもあり、コスト増の原因になります。

 

3. 立地・設計チェックリスト

動物病院特有のトラブルを避け、将来的に「儲かる」病院を作るためのポイントをまとめました。

「間口の広さ」を優先する

細長い物件は動線が長くなり、診療効率が悪化します。できるだけ間口が広く、自由な設計ができる物件を選びましょう。内覧時には設計士同行での簡易調査を行うのが理想です。

「三種の神器」匂い・換気・防音対策

これらは後からの修正が最も困難です。近隣トラブルを防ぐだけでなく、動物とスタッフが快適に過ごせる環境を整えるためにも、設計段階で徹底的に検討してください。

「専門実績」のある設計士を選ぶ

動物病院の設計は特殊です。診察室・手術室・入院室の動線分離や、感染症対策など専門的な知識が求められます。過去の実績や対応事例を確認し、具体的な医療動線を理解しているプロを選びましょう。

「駐車場」とアクセスの確認

患者様が来院しやすいよう、駐車場の確保や車でのアクセスの良さは重要な条件です。商圏調査とあわせて検討し、ターゲット層に合った立地戦略を立てましょう。

ブランドコンセプトの統一

ロゴ、カラー、内装デザイン、ホームページ制作までを一貫したコンセプトで設計することが重要です。サービス内容や診療方針と内装イメージが一致していることで、信頼感が高まります。

 

4. 専門家やコンサルタントの活用

設計士を使わずに安く済ませることは可能ですが、それは「最低限の箱」を作ることに過ぎません。「使いにくい」という後悔を抱えながら診療を続けるリスクを考慮すべきです。

自分一人での判断が難しい場合は、開業コンサルタントのサービスを活用するのも有効な選択肢です。中には初回無料相談に対応している事務所もあり、事業計画書の作成から物件選定、資金計画、契約内容の確認、将来的な目標年収に見合った売上予測、採用や人材育成まで、多角的なサポートを受けることができます。

特に、開業までの流れを可視化し、各工程にかかる時間を明確にしてくれる点は大きなメリットです。

 

まとめ

設計・施工は一度決めてしまうと、簡単にはやり直しができません。物件選びから調査、設計、契約、施工、設備導入まで、一つひとつの判断が将来の経営に直結します。

だからこそ、ビジネスパートナーとして信頼でき、かつ「開業後の繁盛」まで見据えて提案・対応してくれるパートナーを選ぶことが重要です。

しっかりとした準備と十分な情報収集を行い、院長としての将来を安定したものにしていきましょう。

 

 

執筆者

株式会社ねこのタミ 代表取締役 辻建三

実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。

動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。

また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。

 

医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上

コンサルティング実施先は約80~100社

評価構築サポート 100社以上

EDUWARD Press 執筆

パナソニック株式会社 執筆