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動物病院における企業理念について

  • マネージメント

企業理念がない動物病院も多いかと思います。

また、なんとなくはあるけど、明示していないといった病院もあるかと思います。

ただ組織を強固にしていくには、この企業理念は非常に重要になってきます。そして、日々の業務は「上位概念があってからこそ」になります。例えば、何かの雑用をしている際にも、「こういう企業の考え、目標があるため、今の作業があるんだ」と思えるようになることが重要です。全てが繋がっているので、この上位概念を大事にしていかなければいけません。つまり、この上位概念が強ければ強い程、従業員の満足度・定着へと繋がってきます。

 

~上位概念~

では、上位概念を一つひとつ説明していきます。

■企業理念・・・企業の核となる部分、最も大切にする考えです。
■ミッション・・・使命の部分であり、企業として社会にどう貢献していくかという部分になります。
■ビジョン・・・企業としてどうしていくか、目標を示したものです。
■バリュー・・・価値の部分であり、自分たちが社会にどんな価値を提供していくかを明示したものになります。
■クレド・・・ミッション・ビジョン・バリューを達成するための行動指針の部分になります。

 

動物病院理念

中には企業理念はあるが、他はないという方もおられるかと思います。大事なのは浸透し、行動を伴っているかです。そのため、浸透、行動に伴っていないのであれば、行動指針なども合わせて構築していくことが大切です。

従業員には、常にこの企業理念・ミッション・ビジョン・バリュー・クレドを伝えていかなければいけません。朝礼やミーティング時にこの部分に触れていくことも大事ですし、それが実際の診療などに反映されているか意識することが重要です。

そして、大事なのが社長・幹部が率先し、この上位概念を実行するということです。従業員は上の行動をみています。そのため、企業理念の見本となる行動を取っていくことが求められます。また、対従業員だけでなく、対飼い主様にもこの上位概念をお伝えしても大丈夫かと思います。むしろ、これを打ち出すことで、病院のロイヤリティが高まる可能性があります。

現在、上位概念がない病院は、まずは作ることから。既にある方も数年に1度は見直しても良いかと思います。

 

~経営計画書~

理念を踏まえ、それをしっかりと計画書として落とし込んでいくことが大切です。
なぜなら、経営計画書で未来の計画を描くことで、より実現しやすくなるからです。
そして、この経営計画ですが、従業員への共有も必要です。企業が毎年方針発表会を実施しているように、動物病院でも今後どうしていくのかを共有する必要があります。

・経営計画書の内容
■開業する背景
開業する想い並びにきっかけを明記します。こちらは従業員に伝えるという意味合いが強いです。実際、開業の経緯・歴史など知らない従業員もおられるので、共有することで帰属意識が高まる傾向にあります。

■上位概念
企業理念、ミッション、ビジョン、バリュー、クレドなどを改めて明記します。現状、上位概念がない方は経営計画書を制作する際にあわせて制作していくのが望ましいです。動物病院としてのあり方の部分ですので、しっかりと従業員に伝えていくことが重要です。

 

■前年の振り返り ※既に開業してる方
既に病院を経営している方は、前年の数字、良かった点、出来なかった点などを振り返ると良いです。

 

■3ヶ年ビジョン
総売上、売上内訳、延べ件数、カルテ数、客単価の目標数値を構築します。可能であれば、エクセルなどで管理し、経営計画書への記載だけでなく、進捗を追っていくのが望ましいです。

 

■KPI
大事な指標を設定します。例えば、フィラリア予防何件、健康診断何件など。

 

■実施事項
動物病院並びに周辺事業などの構想を記載いたします。また細かい実施事項など。
勿論、今回あげた項目以外も追加して構いません。あくまでも参考として捉えていただけたらと思います。

そして、大事なのは「想い」です。
それがしっかりと内容に入っていて、従業員に伝わるかが重要です。
そのため、可能であれば、毎年、経営方針発表会を年末または年始に実施しましょう。ホテルの会議室などを借りて、いつもとは違う環境にすることも大事です。また個人の目標や振り返りなども入れるのも良いかと思います。

是非、経営計画書制作及び方針発表会を実施していきましょう。