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動物病院開業で失敗しない設計・テナント選び

1. 動物病院開業で多くの方が悩みがちなポイント

動物病院を新規開業する際、多くの獣医師様が最初に直面する悩みは、「どの立地・場所・テナントを選択すべきか」「動物病院として適し、安心・快適で“いい”設計をどう実現するか」という点です。

近年、ペットを家族として考えるお客様が増え、動物病院は単なる医療施設ではなく、環境・デザイン・外観・看板まで含めた総合的な印象が重視される時代になっています。競合が少ないエリアでも、選び方を誤ると集患効果が少ない動物病院になりがちです。

本記事では、動物病院開業支援の実績を持つ立場から、設計・建築・テナント選びを中心に、失敗しないための情報を分かりやすく解説します。

2. 動物病院設計が難しい理由と建築的特徴

動物病院の設計は、人のクリニックや一般施設と比較して、建築的な専門性が非常に高いのが特徴です。診察室、受付、待合室、検査室、外科・手術室、それぞれの部屋をどう線(動線)でつなぎ、無理のない流れを作るかが、日々の診療効率に大きく影響します。

特に以下の点は、来院時の印象や評判にも直結するため、徹底した理解が必要です。

  • 犬・猫など患畜ごとのゾーニングによる安心感の提供
  • 臭気・鳴き声対策を考えた換気計画
  • レントゲン等の医療機器の重量・床荷重への対応
  • 滅菌・外科エリアの明確な区分
  • 照明計画による清潔感と作業性の向上

動物病院設計に不慣れな会社では、見た目は良いが使いにくく、スタッフのストレスが高くなりがちです。設計段階から専門家の支援を受けることが重要です。

3. 診療レベル別(1次・1.5次・2次)の設計と資金計画

動物病院の設計内容は、どの診療レベルを目指すかによって大きく変わります。これは資金計画とも強く関連します。

【1次診療】

一般外来中心の動物病院で、設備投資を抑え安く開業しやすいのが特徴です。初めての開業に選ばれることが多く、限られた面積でも実現可能です。

【1.5次診療】

検査機器や処置機能を強化した形態で、集患力が高くなります。1次診療と比較して設計・工事費は約3割上がる傾向があります。

【2次診療】

CT・MRIなど高度機器を導入する施設で、建築条件・遮蔽設計・電源計画など難しい要素が多くなります。将来を見据えた判断が不可欠です。

4. 30坪・新規動物病院の設計・工事費用の概要

30坪前後の1次診療動物病院の場合、内装工事費は約2,000万円前後が目安です。ただし以下の条件で大きく変動します。

  • スケルトンか居抜きか
  • 駐車場・入口新設の有無
  • 給排水・換気設備の位置
  • 天井高・既存材の状態
  • 看板・外観デザインの範囲

資材費高騰の影響もあり、事前チェックを怠ると請求金額が上がりやすいため注意が必要です。

5. 動物病院に適したテナントの選び方と注意点

動物病院のテナント選びで重視すべき最大のポイントは「間口」「形状」、そして地域の中で選ばれやすい場所かどうかです。

理想的な特徴(評判のいい動物病院に共通する条件)

  • 間口が広く、外観が見やすい
  • 四角形に近く設計しやすい
  • 横長で待合室・診察室を配置しやすい

一方、変形形状や中央に柱がある物件は、有効面積が少なくなり、受付から診察室までの流れが分かりにくくなるため注意が必要です。

6. 居抜き・スケルトン物件の比較と解体費用

居抜きテナントをスケルトン解体する場合、15坪で約200万円が目安です。一見高く感じますが、設計自由度が上がり、結果的に使いやすい動物病院を作る効果があります。

立地や駐車場条件が良ければ、解体費を含めても十分に検討する価値があります。

7. 設計スケジュールと工務店選択の現状

建築業界では人手不足が続き、動物病院のような専門施設は対応可能な工務店が限られがちです。半年〜1年待ちも珍しくありません。

そのため、次に何を決めるか、いつ資金を動かすかを明確にし、設計スケジュールを逆算して進めることが重要です。

8. 失敗しがちな動物病院設計チェックポイント

工務店のみで進めた場合、以下のような失敗が多く見られます。

  • 動線設計が悪く、受付から診察・会計までの流れが悪化し業務効率が低下
  • 換気不足による臭気クレーム
  • 外科・滅菌室のゾーニング不足
  • 収納・床材選択ミス
  • トリミング室とのつながり不足

これらは設計段階で防げる内容です。

9. 設計士を活用するメリットと成功の考え方

動物病院設計における設計士の役割は、単なる図面作成ではありません。

  • 実績に基づく比較・提案
  • 設備投資の優先順位整理
  • 将来拡張を見据えた設計
  • お客様視点での快適性向上

無料相談を活用し、相性の良い設計士を選ぶことが成功への近道です。

10. まとめ|初期判断が将来を左右する動物病院づくり

動物病院開業では、設計・建築・テナント選びという初期判断が、10年・20年先の経営に強く影響します。

  • 診療方針に合った設計
  • 立地と外観の活用
  • 設計士・工務店との適切な連携

これらを含めて考えることで、地域に強く選ばれる動物病院を実現できます。本記事が、これから開業を考える方の参考情報としてお役に立てば幸いです。

 

執筆者

株式会社ねこのタミ 代表取締役 辻建三

実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。

動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。

また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。

 

医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上

コンサルティング実施先は約80~100社

評価構築サポート 100社以上

EDUWARD Press 執筆

パナソニック株式会社 執筆