今回は北海道・東北地方(北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)で動物病院開業を考えている方に対して、少しでも参考になるために情報を記載致します。
※集計は厚生労働省の人口・Googleの検索を元に動物病院数を算出しています。
※集計タイミングによっては数字が変化している可能性があります。
東北地方においては獣医学部がある北海道に集中している状況と言える。
その他の地域は比較的競合数も少なく、開業しやすいと言えますが、東北地方の人口減少
を考えると、動物病院が開業する際に確実に良い開業立地とは言い難い。
ただ人口減少は日本全国でも東北が高い数値であり、将来人口が懸念される都道府県も多い。
あくまでも数字だけの判断になるため、開業するだけで繁盛するとは言えません。特定の市町村名も記載していますが、開業したら必ず繁盛するという訳ではありません。一言で立地とは言っても「駐車場が入りやすいか」「視認性が高いか」など構えるピンポイントの住所自体も大事になってきます。また同時に集患対策なども大事になってきます。
【北海道・東北地方での動物病院開業におけるメリット】
●高度診療&夜間診療は可能性がある
地域によっては2次診療・夜間を実施する動物病院が存在しないこともあり、需要が高いと考えられる。
●固定費が軽減される
東北地方は特に、首都圏よりも家賃・人件費等の固定費が抑えられるので、損益分岐点が低くできる。結果、早期黒字化するモデルが構築できると考えられる。
※札幌市等、一部坪単価が高い地域もある。
■北海道
人口:約518万人
動物病院数:約500件
2次診療施設数:3件
夜間実施病院数:26件
北海道は酪農などの第一産業が盛んであり、更には獣医学部が存在するのもあり、獣医師の在籍も多い傾向にある。それに伴い東北でも動物病院数が多い傾向にあると言える。
また坪単価も地方としては高いため、東北において開業する立地としては厳しいと考えられる。
ただ人口が減少しているものの、函館市は人口対比で動物病院数が少ない傾向にあるため、開業しやすいと言える。
また札幌などの都心部でもまだまだ北海道全体を比較した場合、よりも競合性が低いと言える。そのため、市の人口の伸び率など加味した上で開業することが望ましい。
首都圏と同様に一般的に一次診療という開業が厳しいため、専門(診療)に特化した動物病院の開業なども視野にいれるといい。
■青森県
人口:約122万人
動物病院数:約70件
2次診療施設数:1件
夜間実施病院数:3件
東北において、人口に対して動物病院数が少ない県と言える。青森市中心部においても、人口に対して病院数が少ない状況であるため、ある程度人口が集中している市であれば、動物病院は開業しやすいと言える。
全国の競合数・人口を対比してみると、青森でも青森市、八戸市、弘前市でも開業しやすいと判断できる。特に弘前市は人口に対して動物病院数が少ないので、青森県では開業しやすいと考えられる。
ただ集中して動物病院が点在しているので、圧倒的競合となり得る動物病院とは離れた立地を選定する方が望ましい。
■岩手県
人口:約119万人
動物病院数:約90件
2次診療施設数:1件
夜間実施病院数:1件
人口に対して動物病院数が少ないため、開業しやすい立地と言える。ただ競合数にバラつきがあるため、開業する市町村はしっかり吟味する必要がある。他の東北地域でも一部言えるのだが、岩手県ではまだまだ集患を強化している動物病院は少ないため、強化することで開業後すぐに繁盛する可能性もある。
ある程度人口の多い盛岡市、一関市は開業しやすいと言えるが、奥州市は人口に対して動物病院数が多いため、開業後の繁盛が難しいと考えられる。
■宮城県
人口:約229万人
動物病院数:約170件
2次診療施設数:1件
夜間実施病院数:8件
東北においても競合数・規模が大きい動物病院が多い傾向にあるため、東北内では開業しにくいと言える。とは言え、仙台市でさえ、首都圏よりも開業しやすい立地と言える。
仙台市においても比較的開業しやすい区、少し競合性が高い区が存在している。
仙台市太白区、仙台市宮城野区、仙台市若林区は比較的競合数が少なく、仙台市青葉区、仙台市泉区は競合数が多いと判断できる。ただ繁盛動物病院が多い等ある場合は、競合数だけで判断するのは難しいと言える。
宮城県で動物病院を開業する際は構える立地をしっかり吟味する必要があると言える。
■秋田県
人口:約94万人
動物病院数:約40件
2次診療施設数:0件
夜間実施病院数:0件
2次診療施設数・夜間実施病院数がない地域であり、高度な動物病院がある場合、そこに集中する可能性がある。ただ日本で最も人口減少が予測される県であり、将来的にその点は懸念材料と言える。
秋田市はほぼどの立地でも開業しやすいと言えますが、ある程度人口減少が少ない地域等を鑑みて判断するのが望ましいと言える。
■山形県
人口:約105万人
動物病院数:約80件
2次診療施設数:0件
夜間実施病院数:2件
山形市中心部でもまだ集患でき、安定経営が見込まれる。ただ動物病院同士が密集している傾向にあるため、ある程度競合と離れて探すことが望ましい。
山形市、鶴岡市は山形県の都市部でも開業しやすいと言える。酒田市は人口に対して動物病院数が多いため、可能であれば動物病院の開業を避けるのが望ましい。
■福島県
人口:約181万人
動物病院数:約170件
2次診療施設数:0件
夜間実施病院数:2件
2次診療施設がない状況のため、高度な治療を実施する動物病院の需要は高まるかと考えられる。
東北内では北海道と並び競合数は多いと言える。競合数だけで考えると北海道と似た数字となっている。特に人口が多い郡山市はなるべく動物病院の開業は避ける方が望ましい。
とは言え、人口が集中している立地を選択する方が望ましいので、福島市、いわき市などを選択するといい。
件数が多い立地の場合はコンセプトや発信といった部分が大事となってくる。つまり、如何に「差別化」ができるかが大事である。
東北地域において、比較的競合数も少ない地域が多く、動物病院は開業しやすいと考えられる。ただその中でもしっかりと立地を吟味しないといけないし、開業と同時にマーケティングも大事になってきます。
今回、こちらは数字上の話が多いので、競合数が多くともしっかりと信念と戦略を持っていると、繁盛する可能性が高いです。
是非、動物病院の開業の参考にしてください。
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