ブログ

BLOG

開業を見据えて取るべき行動

  • 開業

動物病院開業

今後、独立して開業していこうという方も多いかと思います。

そして、自分が勤務医時代に何をしておけばいいか悩まれる方もいると思いますので、本日は勤務医時代にするべきことをいくつか列挙します。

~開業する勤務医の傾向~
まず開業するまでに1ヶ所〜2ヶ所を経てから開業する方が多いです。そして、可能であれば、2ヶ所経験されると良いと思います。

1ヶ所目は自分の臨床の成長も含め、技術が学べるところ、尚且つ忙しい病院が良いでしょう。一般の企業もそうですが、1ヶ所目は社会人や働き方を形成します。そのため、生産性の高い病院で働くことで、自身も生産性が高い人間になるということです。逆に生産性の低い病院で働くと、生産性が低い人間となってしまう傾向にあります。これは動物病院以外の医療業界でも同じことが言えます。また、1ヶ所目は自分が学びたい分野などもしっかり身に付けることが重要です。

では、2ヶ所目は何を基準に選べばいいのか?
2ヶ所目は経営が学べる病院、尚且つ、自身が開業しようとする病院のイメージと近い所に勤務しましょう。また、マネージメントも積極的に参加させてくれる病院だと良いと思います。場合によっては、分院長という立場で勤務されるのもいいかと思います。

事情があって、早く開業される方もいるかと思いますが、少なくとも5年〜7年は勤務医として働くのがいいかと思います。

中には開業思考がない方もおられるかと思います。そういう方は自分のペースにあわせた働き方を選んでもいいかと思います。また、自ら資金を出さなくとも分院長という選択肢もあります。近年、そういう思考の方も増えていますし、リスクを負わないのはメリットとして大きいです。

~個人病院に勤務か・企業病院に勤務か~
まず動物病院のオーナー経営は獣医師(獣医師免許がなくとも)でなくともできます。
※勿論、獣医師の管理者は必要です。

これは既にご存知の方も多いと思います。そのため、動物病院業界には、獣医師が運営する動物病院と獣医師が運営していない企業病院があります。どちらが良いというわけではないですが、それぞれの特徴をお伝えします。今後、働く上などでも参考にして頂けたら幸いです。

・獣医師が運営する病院
獣医師が運営する病院のメリットとしては、その院長のスキルや考えを学べることです。そういった面で就職・勤務する獣医師も多いかと思います。特に独立志向の方が選ばれる傾向にあります。

ただプレイングマネージャーの方も多いので、マネージメントの部分が弱くなってしまう可能性もあります。また、労働環境も整備されていないケースもあります。

・企業が運営する病院
企業病院は色々なパターンが存在しています。

兄弟のどちらかが獣医師で一緒に経営するパターンや知り合い同士で片方は経営、片方は診療のように分けているケースもあります。また、全く関係なく、動物病院を立ち上げ、獣医師の院長を採用するケースや大きな法人が運営しているケースもあります。実際、そのような法人が動物病院業界の中でも業績が高くなっています。またこのような企業病院はどんどんM&Aしている傾向にあります。そのため。多店舗展開しているケースも多いです。

今後、この企業の参入は増えていくでしょう。

そして、経営と診療が分離しているメリットとも言えます。マネージメントが統制され、スキルアップが出来たり、労働環境が整備されています。

企業病院・個人病院どちらが良いという訳ではなく、相性が大事だと思います。院長及び病院の雰囲気と自身が合っているかは重要です。また、自分の成長・スキルアップに関しては自ら学びにいく姿勢があれば、どちらを選択しても問題ないかと思います。

そして、どんな選択をしても、否定しないようにしましょう。「入社して間違った」、「悪い動物病院だ」と仰る人もいますが、入社前にいくらでも調べられたと思います。つまり、それはご自身を否定することに繋がってきます。

~開業準備~
勤務先の選定も大事ですが、開業の準備を早い段階から実施しておくといいでしょう。

・資本金をためる
開業する場合、ほとんどの方が借入を実施するかと思います。その際、金融機関は「しっかり返済能力があるか」を見ます。その一つの指標が資本金です。こちらは多ければ多い程いいです。一つの指標として借入額の10%はせめて用意しておくことが重要です。しかし、実際、勤務医の給与ではなかなか溜まりにくいといったお声もよく聞きます。そのため、親類などの援助も含め、資本金をどう調達するかは事前に決めておいた方がいいでしょう。

・得意分野をつくる
勤務医時代に得意な診療科目を作っておく必要があります。ご自身が開業される場合、得意分野を打ち出さなければいけません。でなければ、普遍的な動物病院になってしまう可能性もあります。場合によっては診療科目特化の病院にしてもいいかと思います。皮膚科専門病院など。
少し難しいですが、自分の中で動物病院のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)を決めておくといいでしょう。

・高生産性の診療ができるようになる
開業しても勤務医時代の診療体制をそのまま受け継ぐケースが多いです。そのため、勤務医時代に如何に生産性の高い診療ができるかが重要です。まずは、今働いている院長と診る件数や金額と大差がない所まで持っていきましょう。
開業し、自分で病院を運営するとなると、業績はシビアに考えていかなければいけません。そのため、この部分は大事にしましょう。

・経営の勉強をしていく
こちらに関してはほとんど学んでこなかった分野だと思います。この側面を心配に思う方も中にはおられるかと思います。
そして、今では動物病院の数も増えてきていて、昔みたいに開業すれば飼い主様がたくさん来院するとか、採用をかけたらたくさん応募がくる時代とかではなくなってきています。つまり、一昔前よりも経営力が大事になってきていると言えます。この部分はこの記事もそうですが、書籍も含め学んでいくことが重要です。

 

他にも色々と準備することはありますが、一つひとつこなしていくことが大切です。
是非、開業がうまくいくよう今の時点から準備をしていってください。