動物病院を開業したからと言って、たくさん飼い主様が来るとは限りません。
確かに徐々に認知度が広がっていくというのはあるかと思います。
ただ大事なのは
「如何に早く認知度を上げるか」
「すぐにしっかり収益が取れ、次のステージにいけるか」です。
そんな中、動物病院において、お金をどこに投資するか悩まれるか方もおられます。
一つの答えが新患です。
これは医療業界を含め、他の業界をみても明らかです。
よくある「1ヶ月無料」、「初年度無料」などは、それ程費用を使っても獲得するのが大事なことを意味しています。美容業界のクーポンの多さも新患の獲得のために実施しているケースが多いです。
動物病院業界でも同じです。初回で利益を得ようという発想は捨てる必要があります。初診はあくまでも接点であり、その後の継続来院が大事です。
じゃあ看板をたくさん出せばいいのか?
結論から言うと違います。
今の時代はWEBです。
実際、新患の6割以上がWEB経由という病院も増えています。
特に反響が高いのは、WEBになります。ホームページの上位表示(SEO)は勿論ですが、それ以外にもどんどんWEBマーケティングすることが大事になってきます。
~動物病院におけるSEO~
対応としては、まずは検索順位(SEO)です。
検索順位(SEO)ですが、まずは「地域名+動物病院」で上位表示されるのが望ましいです。その際、1ページ以内に表示されなければ、ほとんど閲覧されません。
ただ動物病院業界はホームページさえも制作していない病院も多いので、他業界よりも対策さえすれば、上がりやすい環境にあります。検索順位(SEO)を上げる方法はいくつかありますが、ご自身がプレイングマネジャーであれば、外部にアウトソーシングしましょう。
ただアウトソーシングするにしても、実施内容はしっかりと把握する必要があります。
またHP制作会社がSEO対策を合わせたプランなどを提供する場合がよくありますが、あまり対策していないケースがあります。
そのため、しっかり月1回は打ち合わせを実施し、内容を擦り合わせましょう。
~WEB広告~
次に広告です。こちらの費用に懸念される方も多いですが、まずは投資して当たり前だという観点を持ちましょう。
多少立地も影響しますが、月に最低5万円はかける必要があります。科目や疾患などのダイレクトの集患をしたいのなら月10万円以上は必要です。
ただこの金額は競合性が低いからであって、出稿が多くなればなる程、かける費用は増えていきます。そのため、今後高くなってしまう場合もあります。
新患をどんどん獲得する金額としては、然程大きくはありません。実際に来院に繋がれば、プラスとなってきます。
集客コストも約3千円〜5千円で1件は取れるので、今の動物病院業界でのWEB広告は費用対効果が合います。
つまり、たくさん飼い主様を受け入れられる環境であれば、どんどん広告をかけていきましょうという話になります。
勿論、ただただ広告をかければいいというわけではなく、エリア・キーワードなどをしっかりと設定しましょう。かけ方を間違えると、無駄なクリニックが増え、反響率が下がります。
こちらも外部にアウトソーシングした方がいいです。院長自ら設定した広告などはかけ方が間違っているケースが多いからです。
~専門特化~
ここからは強みを打ち出し、集患していく方法について触れていきます。
動物病院は約1万2千件あると言われています。そうなると、飼い主様はより自分及びペットのニーズにあう病院を選ぶようになります。そのため、動物病院はちゃんと強みを打ち出さないと、他の競合と変わらなくなってしまいます。
業績をあげる際、大事な発想が、「一番化」です。
これは商圏内で何か一番になるモノを形成することを意味しています。そうすることで、他のモノも引き上がります。例えば、商圏内での皮膚診療が一番多いことを目指し、達成すると、他の一般外来の業績も同時に引き上がるという流れです。
まずは自分が伸ばしたいモノを選択しましょう。こちらは科目でもペットの種類でも大丈夫です。ただニッチすぎると需要が少なくなる可能性があるので、ある程度市場性も視野にいれるといいです。
例えば、下記で設定するとうまくいく傾向にあります。
・皮膚科
・歯科
・呼吸器
・眼科
・泌尿器
・整形外科
など、ある程度、症状の来院として多い科目を設定することが重要です。
~専門特化するためのWEB販促~
次にどうやって増やしていくかについて触れていきます。
つまり新規で集患するということです。
ただここで言う集患は科目のダイレクト集患になります。
つまり、皮膚で探されている飼い主様に直接来院してもらうということです。
こちらもWEBからの集患になります。
具体的に方法をお伝えします。
まずは専門サイトまたはLPの構築をします。
ご自身が強化していきたい科目などは病院の本体サイト以外に専門サイトを構築するといいでしょう。
そうすることで、飼い主様に専門性の高い病院だということが伝わりやすいです。
そのため、遠方からでも通ってくれる方が増えていきます。
「自分のHPはあるし、科目のページもあるからそれでいいのではないか?」と感じる人も多いですが、それでは他の病院と変わらないです。ページやブログは当たり前になってきていますので、それ単体で構築するのが望ましいです。
あくまでも他の病院よりも優位性が高いことを示す必要があります。
専門サイトまたはLPが出来たらこちらも同様に広告をかけていくことが望ましいです。
WEB広告は専門特化する場合は少なくとも月10万円はかけていくといいでしょう。
今は動物病院業界の広告費が安いので、この目安ですが、周りの出稿が増えていくと、月の予算も増えていきます。
専門性の高い治療は費用も高くなる傾向にあるので、こちらも費用対効果があうと言えます。
院外マーケティングだけでなく、院内での販促も大事になってきます。つまり、たくさん院外から集患しても、しっかり院内で情報提供をしないと、他にも繋がらないし、継続・単価アップしないということになります。
そのため、院内は科目の処置に誘導するカウンセリングが重要です。しっかり説明することで成約する可能性が高まります。可能であれば、カウンセリングルームを構築することが望ましいです。
また、健康診断への誘導も大事です。そうすることで、特化したい科目の予防やオペへと繋がるケースも増えていきます。
まずはWEBに注力しましょう。
その次に注力するのが「SNS・動画」です。
~SNS(LINE、インスタ)~
・LINE
まずはLINEを利用した方がいいでしょう。実施することで既存顧客の継続などに繋がってきます。そのため、この中では一番効果があらわれやすいです。そして、友だちの数は少なくとも1千人以上は目指しましょう。
ではどのような投稿をするのか?
■フィラリア予防・健康診断情報
■保護猫の情報
■休診日情報
■出勤情報
など
配信数が多過ぎるとブロックされるケースも多いので、2週間に1程度の頻度にしましょう。また、登録者が増え始めたら、有料プランに切り替えてもいいかと思います。
インスタに関しては、継続して投稿できるのなら実施した方が望ましいです。
■医院の情報
■病気の啓蒙
■カットのビフォーアフター※トリミングを実施している場合
など
こちらは配信が大変ですので、毎日投稿をする必要はありません。1週間に1度の頻度を目安に実施していきましょう。
他の動物病院をフォローして参考にさせてもらうのもいいかと思います。実際に多くはないですが、集患にも繋がってきているケースも増えてきています。また職場の雰囲気を投稿することで、採用面にも繋がってくる可能性も高いです。
~動画マーケティング(YOUTUBE)~
動画であれば、まずは下記のような動画を制作してもいいかもしれません。ただ更新頻度としては高くなくとも大丈夫かと思います。
■医院紹介動画
■採用動画
■啓蒙動画
など
大事なのは導線です。導線がしっかりしていれば効果も上がります。例えば、採用のLP(ランディングページ)に動画が埋め込まれていて、視聴してくれる導線があれば効果は上がるでしょう。
また配信・投稿はあくまでも来院に繋がることが重要になってきます。そのため、飼い主様が見て来院するきっかけを作り上げることが重要です。もし採用がメインであれば、医院の雰囲気が伝わることが重要です。
そして、大事なのは「継続できるか」です。
開業すぐに色々と始めようと実施する方もいますが、継続できないパターンも多いです。そうなると、中途半端になってしまい、それが従業員にも伝わってしまいます。
やった方が望ましいのは望ましいですが、継続ができないのならば、最初から実施しない方がいいでしょう。