動物病院での年収は人医療よりも平均的に低い傾向にあります。人医療とは違い、保険制度がなく、完全自費であることが要因の一つだと考えられます。そのため、業界平均も低い傾向にあります。
また完全自費であるのと単価が低いことが業界の売上が低くくなっていると言えます。とは言え、開業するとしっかりと年収をもらっている病院も数多くあります。
医療という側面があるので、年収など触れてはいけないような雰囲気になってしまうのも事実です。ただ生活があって仕事が成り立つのでこの点はしっかり抑えておくといいでしょう。
- 勤務医の年収
勤務医の平均年収はおよそ平均400万円〜600万円です。実際、初任給が30万程度なので、その金額にある程度の妥当性があります。勿論、勤務歴が長くなったり、副院長というポストにつくと年収800万程度になることもあります。ただ勤務医の状況で1,000万円以上の年収をもらっている人は稀です。
もし勤務医の状況で年収をあげたというのであれば、経営者としっかりと今後のキャリアステップについて話し合うことが大事です。
- 開業での年収
状況によっては開業初年度は勤務医よりも下がるケースがあります。このようにならないためにも開業立地や準備というのは大事になってきます。初年度はいいですが、これが2年目、3年目となってくると精神的なストレスも出てきます。そのため、早い段階で売上並びに利益向上に努めていく必要があります。
とは言え、勤務医よりも開業した獣医師の方が年収が高くなる傾向にあります。ある程度、規模も大きくなれば年収1,000万円以上にもなってきます。動物病院の勤務医で年収1,000万以上をもらうとなるとハードルは高いと思います。
- 年収があがる方法
年収をあげる方法として勤務医と開業医では違います。
まず勤務医ですが、多くの動物病院さんはスキルを重視しています。そのため、1日何件滞りなく診察できるかなど数値面での評価をされます。勤務医時代に年収をあげようと思うと、まずしっかり診察できることが大事です。また、副院長・分院長という立場になるとある程度経営も学べ、給与も担保されるかと思います。
つまり、ひたすらキャリアを積んで、自身が経営者になった時でも何件も滞りなく診察できる体制にしておくことが大事です。
開業医であれば、自身の動物病院の売上向上並びに利益が向上したら自ずと年収は伸びる傾向にあります。個人事業主であれば最後の利益がどれだけ残るかで年収が決まってきます。逆に株式会社であれば、年間の年収額は決まってくるので、1年間変えることはできません。つまり、個々人の売上というよりも従業員の生産性向上という部分が重要になってきます。
ただ開業したら年収という側面だけでなくなります。動物病院自体の安定的な経営の側面が強くなるので、個々の年収をすごくあげるということだけに執着しなくなる傾向にあります。
- 個人事業主と企業
個人事業主は文字通り個人運営していることを意味します。そのため、残った利益が経営者の収入という考えになります。
株式会社で運営する場合、役員報酬として1年間の年収を設定しないといけません。そのため、固定となるので、利益や状況に応じて徐々にあげていく形になります。規模が大きくなればなる程、節税の観点から株式会社に変更するタイミングが出てきますので、その際に税理士に相談するといいです。
- 年収だけではない側面
開業したら実施したいこと、導入したい機器など多岐に渡ってでてきます。そのため、個人の年収だけ考えていたら、他に資金を充てることができません。
また従業員の給与をあげるなど社会性の目線も重要になってきますので、一概にご自身の年収のみを考慮していかない方がいいでしょう。
動物病院の開業は年収も大事ですが、それ以上にご自身の成長という側面が強いと思います。そのため、初年度は厳しい環境になるかもしれませんが、きっとその後の経験に役立ってくると考えられます。
執筆者
株式会社ねこのタミ 代表取締役 辻建三
実際に動物病院の開業を経験したことで、無駄のないセンターピンをおさえたリアリティのあるアドバイスを実施します。
動物病院の経営コンサルティング経験を生かし、開業後に持続的に飼い主様に選ばれ続ける病院作りを見据えた開業を体制を構築していきます。
また、ゴールが「開業」ではなく、「開業後しっかり繁盛するか」に定めており、黒字化するまでサポートを実施しています。
医療関係者とは500件以上接点があり、医療関係のセミナーを10年以上計100件以上
コンサルティング実施先は約80~100社
評価構築サポート 100社以上
EDUWARD Press 執筆
パナソニック株式会社 執筆


