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実例|採用コスト0円で獣医師・動物看護師を採用できる方法

  • 経営

獣医師採用・動物看護士採用

獣医師・動物看護師の採用で悩まれている方も多いと思います。

採用に関しては、できれば採用コストをできるだけ小さく済ませるのが理想になってきます。お金をたくさんかけたからと言って、マッチする優秀な人材が採用できるとは言えません。実際、そのような場合でも、ミスマッチのため早期退職されているケースも多数お聞きします。

 

そこで今回は実例を元に採用のノウハウを動物病院業界の動向を踏まえてお伝えしてまいります。

 

まず、現状採用しにくいと言われている獣医師(代診)の数を見ていきます。

2020年の小動物で従事する獣医師数は16,203人で、そのうち代診で働く数としては7,779人です。

また、小動物に新卒で勤務する比率が40.25%であることを加味すると、国家試験合格者のうち約394人が新たに採用するターゲットとなります。

つまり、獣医師であれば、採用するターゲット数は8,173人になってきます。

 

引用:獣医師の届出状況(獣医師数)

 

この数字を見るだけでは採用の難易度は判断できないと思います。

ただし、動物病院の数と照らし合わせると、獣医師及び看護師の採用はそれほど難しくない状況です。なぜ難しいと言われているかと言うと、動物病院業界は新卒を育てるという風潮が強く、毎年たった400名しかいない新卒獣医師の採用ばかりに力を注いでいるからです。これでは大多数のクリニックは、大手動物病院に採用力で勝てる確率は非常に少ないでしょう。

よって、ここで大事なのは、新卒中心の動物病院の採用状況から脱局し、優秀なキャリア採用(中途採用)ができる体制を構築することです。

 

その際に、人材紹介紹介に頼りすぎていないか、見つめ直しましょう。人材紹介を否定しているわけではありませんが、それだけに依存していると、いつまで経っても応募の母集団形成ができません。

そのため、ぜひ以下に記載した内容を検討し、実行に移しましょう。

※優秀な中途獣医師の採用に成功している、弊社の事例も含んでいます。

 

①USPをつくりインパクトを与えること

②市場性・競合性を加味し、労働条件・環境を設定すること

③出稿する媒体を吟味すること

④応募しやすい環境を構築すること

⑤ミスマッチが起きないために、面接を整備すること

⑥雇用後の手続き関係をしっかり構築すること

⑦従業員の疑問や変な疑いを減らすために昇給・賞与の整備

 

①USPをつくりインパクトを与えること

USPとは、動物病院の強みやうりを表したものです。マーケティングで使われることが多いです。しかし、実際に打ち出すことで採用にも寄与することがわかってきています。例えば、弊社が運営しているねこのクリニックのUSPは、猫特化✖️情報提供力(丁寧な説明)です。

数多ある動物病院の求人の中で、如何に目に留まるかが重要です。

そのため、他のクリニックと同じような見せ方では求職者にスルーされることになりますし、応募率にも影響します。

勿論、絵に描いた餅になってはいけませんが、インパクトが重要になってきます。

 

②市場性・競合性を加味し、労働条件・環境を設定すること

動物病院業界はまだまだ労働条件がしっかり整備されていないケースが多いです。まずは市場や競合など全体的な流れを知る必要があります。可能であればご自身の場所でもリサーチすることが大事になってきます。そして、今後大事なのは一般企業を意識した条件を設定していくことです。

 

下記は条件のポイントになります。

 

・拘束時間を削減していく

動物病院は拘束時間が長いことがネックになってくるケースもあります。診療時間は変えなくてもいいのですが、昼休みの時間などを調整して拘束時間を減らすと応募率・定着率が大きく改善します。

 

・週休二日設定

休日の設定も重要で、最低限週休二日制を確保することが重要です。

 

・条件も経験に応じた給与を設定

中途社員を採用する場合、出し方・見せ方が重要です。

例えば、勤続7年で月給40万円をもらっていて、月給35万円の求人に応募するとは考えにくいです。中途採用に見合った募集の条件でだしましょう。今までの実績などを記載し、考慮する旨を伝えることも重要になってきます。

そこで、「いくらまで払っていいのか?」と疑問に抱く方も多いかと思います。その際は、その人の診ている件数などを加味し、設定することをおすすめします。

 

③出稿する媒体を吟味すること

応募者は応募しようと思った病院をリサーチする傾向にあります。そのため、SNS・自社HP・口コミなど病院に関わる発信はきちんとしておくことが大事です。

 

出稿に対しても、何でもかんでも出す必要はありません。いくつか選定し、出していくことが大事です。まずは無料で実施し、反響が薄ければ有料に変更していきましょう。

新卒なら学校の求人に出すことも必要です。

 

④応募しやすい環境を構築すること

より応募がしやすい環境を作ってあげることが重要です。

現在、メールアドレスさえ持っていない・使わない人も増加しています。そのため、LINE公式アカウントを作成し、そちらに誘導することで反響率が上がります。LINEは普段使用している方も多いので、よりフランクに応募しやすくなります。

 

履歴書もグーグルフォームで対応し、紙媒体ではなくすべてネット上で完結することも大事です。

 

⑤ミスマッチが起きないために、面接内容を事前に決めておくこと

面談の際に、当院のコンセプトをまずは説明することが重要です。一般の企業では、①会社説明会②エントリー③面談④採用、の流れであり、動物病院でもこのフローで大切な部分は取り入れることをお勧めします。

 

【コンセプトブック・会社説明の項目】

■発表者のプロフィール

■病院コンセプト

■病院基本情報(診療時間など)

■診療の流れ

■病院として大事にしていること

■従業員への対応・待遇

■今後の展望 など

 

「面談し、採用後、ミスマッチだった」

というのが一番無駄な工数と言えます。つまり、如何に面接で判断するのかが重要になってきます。

 

獣医師の面談において、スキルを確認しておくことが重要です。

「それだけの給与を出していいものか?」の観点も確認することが大事です。

 

動物看護師の面談において、条件の良さだけで応募する人などはミスマッチするケースが多いです。

※給与がいいから、近所だから など

 

⑥雇用後の手続き関係をしっかり構築すること

一般企業で当たり前のことがまだまだ動物病院では実施できていないです。つまり、できている病院は相対的にスタッフの安心感や評価が高まります。

 

【雇用関係の書類】

■内定通知書

■雇用契約書

■入社までの流れ(文面だけでも可)

■就業規則(従業員10名以上は必須)

 

⑦従業員の疑問や変な疑いを減らすために昇給・賞与の整備

昇給をあいまいにしている動物病院は多いです。その結果、不透明さが従業員のモチベーションの低下を招くケースもあります。また、昇給し過ぎてしまうといったケースも

あります。

そのため、昇給ピッチはしっかり整備し、従業員に開示することが大事です。

 

そして、賞与も同様です。

特に賞与で納得いかないケースも多々あります。そのため、しっかり個人面談を通して、良かった場合、悪かった場合関係なく、どうしてそうなったかをお伝えすることが大事です。

※中途半端に院長判断などを入れるのなら、一律の設定が望ましいです。

※評価制度は持続しなければ導入するべきではないです。

 

採用体制の構築については「やっている」と「やれきれている」では意味が違います。

うまく採用できている病院を如何に真似できているか?

が重要になってきます。