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動物病院経営における数字の把握

  • 経営

動物病院での数字

日々、動物病院経営をしていて、どこまで数字を知っておく必要があるのかをお伝えします。

 

~財務指標~
これから開業する方も既に動物病院を開業されている方も財務指標をほとんど把握していない方も多いと思います。中には税理士に任せっきりの方もいます。

こちらは自身で積極的に学ばないとわからない点でもあります。ただ動物病院の経営を発展させるためには経営者もしっかり財務指標を知っておく必要があります。

これから開業する方は徐々に勉強していきましょう。

財務指標は大きく下記、3つになります。

・PL(損益計算書)
営業活動における指標であり、どれだけ稼いだかを表すもの。

・BS(貸借対照表)
財務活動における指標であり、財務状況が健全かどうかを表すもの。

・CS(キャッシュフロー計算書)
現金の流れがどうなっているかを表すのもの。

普段、聞き慣れない項目が多く、全てを把握するのは難しいと思います。

PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)は開業後に自身の病院の数値と照らし合わせながら実感するのがいいかと思います。

また、創業時はキャッシュフローに気をつけなければいけません。手元の現金がショートすることで黒字だけど倒産する「黒字倒産」してしまう可能性もあります。

そのため、入金サイクルも気をつけましょう。カード支払いなどは入金が遅くなるので、その分をしっかりと加味するのが大事です。

そして、現金がショートしないためにも、運転資金はしっかりと確保しておく必要があります。これに関しては、実際にシミュレーションを実施し、いつ黒字化するのかをある程度予想しておくことが大事です。

病院の状況にもよってきますが、開業半年で黒字化を目指しましょう。勿論、状況によっては、半年以上赤字になる可能性もあります。そのため、シミュレーションも最下限で見積もっていくことも重要です。そして、適正な借入額で金融機関に借入を実施していくことが大事です。

開業後は、税理士の打ち合わせや会計ソフトをみる癖付けで、財務資料は少しずつ把握していく必要があります。

 

~数値管理・KPI管理~
そして、毎月自ら調べて把握すべき数値もあります。

なんとなく経営していても数字が伸びるといった可能性も低く、しっかりと現状把握と目標へのアクションが必要です。まずは数値を把握していないという方も多いので、ご自身の病院の数値をレセコンからひろうことが重要です。
こちらの数値は毎月追っていきます。

下記が取得・把握すべき数値になります。

・総売上・・・病院全体の総売上。
・診療売上・・・診察・診断の数。可能であれば、オペの内訳などを出すことも重要です。
・薬価売上・・・薬の売上です。
・物販売上・・・フード・サプリなどの物品売上です。
・総患者数・・・窓口にきた延べ患者数になります。
・カルテ数・・・実際のカルテを作成している数
・新患数・・・新規で来院された患者数
・新患数の内訳・・・新患が自院を来院したきっかけ。紹介、HPなど。
・客単価(総売上÷総患者数)・・・総売上から総患者数をわっているで、1回当たりの会計になります。
 など

また季節などで多くなる検査・予防なども計測することも大事です。

・フィラリア予防
・ワクチン数
・健康診断数
など

 

ご自身の病院の数値が把握出来ましたら、次はKPIの設定です。

KPIは動物病院経営にとって、重要な数値設定と目標になります。勿論このKPIは実現不可能な数字ではなく、あくまでも予算や達成したい年商に対して、設定していくことが望ましいです。

例えば、年商1億を達成したい。

そうなると、月の総患者数は何件必要なのか、1日何件必要なのか、など細かい数値目標を設定することが重要です。

そして、少なくともこのKPIは従業員と共有し、日々の病院の経営の改善に役立てることが大事です。

集計作業及び分析には時間はかかりますが、経営の側面からは確実に必要です。

日々数値を追っていくのは勿論(少なからず1ヶ月には1回は必要)、目標数値からの乖離がどれくらいか計測していく必要があります。

是非、一度ご自身で調べてみるといいと思います。