動物病院を開業することがゴールではないです。
「如何に持続的に成長する動物病院を形成するか」
が大事です。
そのためには常にマーケティングとマネージメントの量軸を考え、実行に移していくことが重要です。
獣医師の方が院長として開業されるケースが多いかと思います。そうなると、ほとんどの方がプレイングマネージャーとなります。プレイングマネージャーですと、どうしても時間的制約も出てきてしまいます。臨床を実施しながら、マーケティング・マネージメントも実施していかないといけないので、どうしてもどこかが疎かになってしまう可能性が出てきてしまいます。
そのままズルズルしていても組織として成長しないので、しっかりマネージメント施策を実施していきましょう。
~動物病院でよくあるマネージメントの悩み~
・人間関係の悩み
どんな狭い組織でも対人関係で悩まされるケースは多いです。その際、院長自体が間に挟まれてしまうケースもあります。この場合、大事なのは院長と同じベクトルを持ったチーフ・リーダーがいるかどうかです。状況によっては、院長からではなく、チーフ・リーダーを挟むことで円滑になるケースもあります。
・評価の悩み
頑張っている人を評価してあげたいけど、どういう評価にしたらいいか悩まれる方も多いかと思います。動物病院ではまだ定量面で取れない分野も多いので、定性面での評価になるかと思います。この評価は冬のボーナスに反映させた方が望ましいでしょう。
・モチベーションの悩み
「自主性」について悩まれるケースも多いです。こちらは「成長」のベクトルの問題です。そのため、個々人としっかり面談を実施し、キャリアステップを考えていくことが重要です。
では金額に反映してはどうか?
と疑問に抱く方もいるかと思います。寸志など金銭的な支給は確かに一時的には嬉しく感じる方も多いかと思います。ただ金銭的な部分はすぐに慣れてきて、長続きはしません。逆に、次回もらえなかった際は不満を抱く可能性もあります。
・採用の悩み
応募がこない場合は、労働環境を見直しましょう。競合と比較しても劣っていたら改善してもいいかもしれません。同時に出稿している媒体なども見直しましょう。労働条件の前段階の露出の問題かもしれません。
また、応募は来るけど、ミスマッチの採用になっている場合は、採用の入口部分の見直しが必要かと思います。つまり、面接の方法です。もし院長自身が苦手ならば、チーフ・リーダーの面接も挟んでもいいかもしれません。
この他にもマネージメントの悩みは複数あるかと思います。
正直、マネージメントの悩みは尽きません。何かが解決しても何か新しい課題が出てきます。その都度、対応・解決していくのがマネージメントになります。
また世代によっても求めるモノや教育方法が変わってきますので、その部分もしっかり捉えて反映させていく必要があります。
~動物病院でのマネージメント施策~
続いて具体的な施策について記載していきます。
・面談
月1回は従業員との面談の時間を取りましょう。今まで面談など実施していなかったら、最初の方はなかなか慣れないかと思います。そのため、最初は無理に長い時間を取る必要はありません。
面談をすることで、その人の成長やキャリアを良い方向に導いていきましょう。
・ミーティング
毎月1回は全体ミーティングを設けましょう。時間は45分でいいので、時間内に課題などを議論するといいです。
単なる報告会にならないよう気をつけなければいけません。あくまでも診療を切って実施するので、その時間の売上以上の価値を出していく必要があります。
もし幹部がおられるなら、幹部ミーティングも実施してもいいかと思います。
・情報共有
開業後は従業員同士が揉めるケースも起こってきます。そして、その理由は「情報共有の欠如によるモノ」が多いです。つまり、情報共有をしっかりしていれば、従業員同士のトラブルも回避できます。
これに関してはデジタルツールなども含め情報共有のやり方を考えましょう。
・教育
教育に力を入れることでその人のキャリア、成長だけでなく、飼い主様の満足度にも繋がってきます。外部セミナーも含め、スキルアップについて病院としてどんどん協力していきましょう。
また、新人などが入ってきても、カリキュラムなどを作成し、しっかりとした教育体制を構築しましょう。
・評価
「なんとなく多めに賞与をあげる」など大雑把なやり方ではなく、しっかりとした評価軸を作りましょう。評価を通して、対従業員と向き合うことで、長く勤めていただける環境へと繋がります。
・条件
市場の流れから全国的な平均給与や福利厚生の考え方も変わってきます。そのため、常にキャッチアップし続ける必要があります。もし全国平均よりも劣っているのであれば、是正する必要があるでしょう。
マネージメントは色々と整備していくことが求められます。
是非、一つひとつ解決していきましょう。