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動物病院における客単価アップについて

  • マーケティング

動物病院経営での客単価

多くの病院様で客単価のお悩みをお聞きします。特に多いのは単価が上がらないというお悩みです。中には客単価7千円〜8千円の病院様も多いです。
※開業すぐであれば、検査数も少なく、余計単価も低い状況になってきます。

客単価が低い要因は様々あるかと思います。下記、原因と対策を記載致します。

~単価が低い原因~
・診察の内容
その一つがエキゾの割合が多いことです。どうしてもエキゾの割合が多いと、オペ・検査の項目が減少する傾向にあるので、単価が下がってしまいます。
ある程度特殊な診察であれば、価格を調整するか専門診断料、セカンドオピニオン料などで調整するのが良いかと思います。

・検査への誘導(カウンセリング)
他にも単価が低い病院の傾向として、検査・検診の移行が低いことがあげられます。外傷のみの手当てなどで終わるケースでもしっかりと定期的に健康診断に通ってもらうよう誘導する必要があります。

検査などが多いと、単価だけでなく、その後のオペや治療などに繋がってきます。また、検査が少ない病院の特徴として、フードを含めたトータルな提案が出来ていない傾向にあります。その場その場の治療で終わるのではなく、ペットの生活までもサポートする心がけが重要です。それを実施しない限り、単価は上がりません。

これに関しては、オペレーション自体を変更していかなければいけません。忙しいから現状を変えるのが難しいという病院もいるかと思いますが、オペレーション自体を変えないと、なかなか健康診断への誘導も増えません。

可能であれば、カウンセリング体制も構築すると良いです。そうすることで、予防分野の売上が大幅に増加していきます。

・価格の見直し
そもそも価格設定が安いという可能性もあります。開業当初から変えていないという病院様もおられるかと思います。市場性・競合性を見て変えていく必要があります。

例えば「価格を変えることで反発がくるのではないか?」と感じている方も多いです。勿論、競合よりも大幅に変えた場合などは影響してくるかもしれませんが、適性価格に変更する分には問題ないかと思います。

・専門特化
専門分野や科目・オペのダイレクト集患も単価が上がる要因の一つです。歯科・皮膚・FIPなどは特に即時効果・反響が現れます。検索順位だけでなく、広告などもうまく運用することで、更なる効果が見込まれます。勿論、ご自身ができること、得意なことに対して集患しましょう。

~LTVという視点~
また、客単価の際、考えるべきことが、LTV(顧客生涯価値)です。
動物病院を経営していて、LTV(顧客生涯価値)の考えを持っている・意識している経営者は少ないでしょう。
しかし、この考えは本来、開業前から持っておく必要があります。そして、診療の方向性でこのLTV(顧客生涯価値)は大きく変わってきます。

そもそもLTV(顧客生涯価値)とは何かについて説明致します。

LTV(顧客生涯価値)とは、飼い主様が自分の病院で生涯使うお金のことを指します。

これを正確に出そうと思うと、過去からひろわなければいけないので、少し大変な作業になります。ただ目安として、1カルテ当たりの年間平均金額を出すのもいいかもしれません。カルテ1枚当たりの年間平均来院数を注目していない人も多いですが、こちらももっと大事にしていかなければいけません。

では、どうやってこのLTV(顧客生涯価値)を増やしていくのか?

単純にファン化してもらう他ないのですが、そのためにどうしていくかが重要です。

・カウンセリングで情報提供をしっかり行っていく
飼い主様はペットのことを理解していないケースが多いです。そのため、病気になる度に動物病院に行く方も多いと思います。飼い主様にしっかりと情報提供し、通ってもらう体制を構築する必要があります。

ではどういったカウンセリング・情報提供をしていくか?
①病院の想い
②年齢別の症状・なりやすい病気
③フードの相談
④薬の飲ませ方
⑤予約とキャンセルについて
など

これはあくまでも一例です。伝えようと思ったらいくらでも情報はあります。ただ与えすぎてもパンクしてしまうだけなので、ポイントを抑えて伝える必要があります。情報提供にも話し方、使うツール、タイミングがあります。それを間違えると効果が思いの外出ないケースもあります。

 

・予防診療にシフトする
人間の医療業界では既に予防医療が浸透していっています。それを追うように動物病院業界でも徐々に「予防」の重要さが浸透しつつあります。ただ全体を見ると、まだまだ浸透していません。

中には「予防は儲けない」という発想の方もおられます。しかし、予防は動物看護師が担う仕事でもあり、獣医師の手も取られることが少ないです。

※勿論、歯科の予防処置などは獣医師が入る部分もあります。

そして、大事なのは予防プログラムを組んであげることです。そのレールを通ることで、定期的な来院が見込まれます。

「予防」は今後一番の主流となり、予防に力をいれていない病院は淘汰されていってしまいます。
いくら新患を集めても、固定化しないと意味がありません。
大事なのは継続です。

 

このように一つだけを強化並びに様々な視点を持つことが大事です。是非、客単価アップの参考にして頂けたら幸いです。
ただ価格の基準や誘導方法、広告の方法などわからないことも多いかと思います。詳しい専門の会社にアウトソーシングするのも選択の一つです。